上野ガード下の「大統領」を離れて、
湯島方向へと中央通りを渡る。
「蓮玉庵」や「池之端藪」のある仲町通りに入り込む。
客引きから掛かる声を掻い潜って、四辻を左へ。
曲がったところで、ここら辺りかと周囲を見回す。
すると脇道の先に黄色い看板が見つかりました。
"BAR"と書かずに"酒場"と謳う「琥珀」へといざ。
古色がこぢんまりと包む空間の空気が濃密で、じわじわと臨場感が増してくる。
店主の木村さんと言葉を交わしてから、改めて周囲をきょろきょろ。
正面のバックバーは二重になっていて、格子状の棚の奥にも別の棚が見えます。
「ポートエレンあります?」と連れが訊ねると、女性おふたりと入れ替わるようにボトルを携えてきて、並べてくれる。
ポートエレンのボトルがこうして4本も並んでいるのはそう見られる光景でもないぞと思いながら、
説明に耳を傾ける。
で、選んだのは、1978年蒸留、Age24年のオフィシャルモノ「PORT ELLEN 2nd RELEASE」。
ポートエレンは、既にクローズしてしまっている蒸留所なので、日に日に希少性が増しているのは間違いないはず。
きっとお高いのだよね~と思いつつも早速、その琥珀を舐める。
アイラっぽさが丸くスムースな呑み口で、舐めるほどにそれが柔らかく思えてくる。
ラフロイグでなにか、とアバウトなお願いに対してお試しあれと薦めてくれたのが、ボトラー、デュワー・ラトレー(A.D RATTRAY)による18年モノ。
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そして、同じくラフロイグ、1991VINTAGEの「HIGHGROVE」。
かのプリンス、チャールズの別荘があるのがハイグローブで、つまりはチャールズ皇太子のお好みエディションということらしい。
実は、このラフロイグ二本の味わいをほとんど憶えていない。
それは、最後にもっとレアな滴を舐めてしまったから。
木村さんが恭しく筒から抜いたのが、俗に云う「ブラック・ラフロイグ」。
オフィシャルでは潔くも白いラベルが印象的なラフロイグにあって、
ラベルが真っ黒い1980Vintageの27年モノ。
ラベルには、96 of 972とあり、世界でたった972本という限定ものだ。
そしてそれは単にラベルが黒いから"ブラック"と呼ばれるのではなくて、ボトルの中身がびっくりするほどのダークカラーだから。
黒いのはシェリー樽による熟成によるものと木村さんは仰るが、ただただ「シェリー樽で熟成=黒くなる」というのがピンとこなくて、樽内面の焦がし(リチャー)具合が違うこととの合わせ技なのじゃないか、などなどと暫し議論(笑)。
ラベルにはOLOROS SERRY CASKとあって、
100%オロロソシェリー樽という樽で熟成させたもののよう。
タンニンが影響するのか、どうやら、オロロソ・シェリーを熟成させた樽は、
モルトも濃いぃ色に熟成させるらしい。
そりゃーお高いでしょうとショットの値段を訊くと、なんと1.5万円だという。
ひえ~ぇ!!
ボトルの価格からいくとお安い設定にしてくれてはいるものの、こりゃ手がでないなと早々に諦めていると、連れのひとりがウンウンと唸り悩んでいる。
もしやオーダーする気なのかのとハラハラしていると、「い、い、いただきます!」と呻いた。
グラスに注いで判る、やっぱりダーク。
こうなると、ただじっと呑むところを見守るしかない。
「スゲー!」とか「今まで呑んだことない!」とか叫ぶので、もっと判るように云ってくれと懇願する。
う~、じゃちょっとだけ舐めればいいじゃんということになってご相伴に預かる(笑)。
ぺろぺろ、ぺろ。
ん~、確かに今までに呑んだことない(笑)。
圧倒的な凝縮感と多層的な奥行きが意外なほど素直な纏まりをもって舌を滑り、鼻腔を抜けていく。
年嵩が描くさらりとした、そして繊細なカラメルのような風味が主体となっていて、ピートや塩っ気は遠くにある残り香。
あはは、こりゃ、スゲーや(笑)。
そして、お会計。
承知してはいたけれど、うぐゥやっぱりと、ほんの一瞬絶句する面々なのでありました(笑)。
湯島でバーと云えば必ず名の挙がるといわれる老舗の風格、酒場「琥珀」。
さっきまで銀座の路地裏にいたかのような錯覚は、強ち見当違いのこととも言い切れない、かも。
Mさんも、このドアを開いています。
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もつ焼煮込み「大統領」で 特製煮込み味付けガツもつ焼き路上(09年04月)
そば「蓮玉庵」で 古式せいろ蕎麦別打ち入り三枚重ね(06年06月)
「琥珀」 文京区湯島3-44-1 高橋ビル1F [Map] 03-3831-3913
気がつけば、【ど・凪】コラボ企画の列に並んでからもう、一年以上が過ぎている。
そして、新宿のゴールデン街に「凪」の店が復活したと知ったのはいつのことだったかな。
くにちゃんのレポートにあるように、渋谷とはまた違う展開をみせているというのが、気になっていました。
日頃から身近な訳ではないものの、ゴールデン街にラーメン食べに行くってのは、なんだかちょっと妙な感覚。
4年振りのゴールデン街に乗り込んでみました。
そうか、そうだ煮干出汁のドンブリなンだよねと思いながら、半間にも満たないドアを開けると想定外にすぐ階段がある。
登るにも狭く急な階段を上がると、なるほど煮干の匂いが次第に濃くなってくる。
如何にもゴールデン街の店らしい狭さのカウンターと湯気が迎えてくれます。
お願いしたのは、段ボールに手書き文字の品書き
におススメとある「特煮干ラーメン」。
薄暗い中でみても、スープにはたっぷりと煮干諸々のエキスが煮出されているのが判る。
繊細でストイックにも映る「伊藤」のそれと比べると、力強い野趣を思わせるスープ。
ぐっとくるボディに煮干臭さや一抹のエグミも風味の個性と心得ているかのよう。
きりっとしたタレの切れ味やよろしく、卓上に用意された「煮干汁」でさらに魚出汁が花開く。
そこへ「電車で運ぶ自家製麺」と謳うぶりぶりつるんとした太麺が拮抗するように寄り添うようにバランスして、いい。
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3cmはあろうかという幅の「いったんも麺」と呼ぶ麺で違う食感が愉しめる。
うーむ、なるほど。
飲み干しちゃったドンブリの底には、煮干の破片がそこここに。
つけ麺はどうだろうと別の夜。
以前はなかった券売機が階段の上に置いてある。
酒場のど真ん中らしく(?)、ビールぐらいはネと、それならやっぱり「自家製ギョーザ」もネといただいて、「味玉つけ麺」を普通盛り(300g)でお願いします。![]()
自家製麺を証明するかのように例の幅広麺が添えられて、こんもりと盛られた麺。
力関係を保つように、濃い味に仕立てたつけダレにも煮干のエキス。
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ただ、ふんふんと直裁に花開くよう迫ってくれる煮干の風味旨味の臨場感は温かスープたっぷりのラーメンにやや譲る感じか。
啜り終わって、スープ割りをしてもらえば、そうそうコレコレと頷いて(笑)。
かつて、どこかちょっと肩を窄めて歩いていたゴールデン街も今は、往時の匂いを失いかけているようにもみえる。
それは寂しいことなのかもしれないけれど、そんな中で着実にゴールデン街へひとを呼んでいる、
新宿「凪」。
照度の低い店内には、ゴールデン街の残り香が沁みている。
深夜から明け方にかけての雰囲気は、またちょっと違うのかもしれないな。
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らぁめん専門店「凪」 でど・凪コラボの濃厚味噌ダレと小鯛リゾット(07年12月)
中華そば屋「伊藤」で 質実なる潔さと大盛りつゆ増しへの欲求(09年04月)
「凪」新宿ゴールデン街店 新宿区歌舞伎町1-1-10 2F [Map] 03-3205-1925
九州めし処「じのもん屋」で味を占めちゃって、
「焼きラーメン」が食べたいとふと思う。
けれど、「じのもん屋」では夜にしか提供してくれない。
はて困ったと思案しながら歩く歩道で目に留まったのが、「限定25食 焼きラーメン」
という貼紙。
気がつくと飛び込んでいたのは、お馴染みの「第一旭」。
神戸ラーメンのお店と焼きラーメンの関係はいまひとつピンとこないけれど、ま、いいじゃぁないですかこの際(笑)。
お、きました来きました、「焼きラーメン」。
普通にひと玉を炒めた量感で、粗く刻んだ葱と唐辛子がトッピング。
レタスを脇に添えているあたりが、創作「第一旭」流ということか。
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細めの麺にさらっとスープが纏っていて、悪くない。
けれどすぐにもっさりとし始めて、
底の方にちょっと溜まった汁を塗すように麺をひっくり返したりなんかする。
なるほどレタスがひと息つけてくれる感じではあるものの、なにかが違う気にもなってくる。
もうちょっとじっくり"焼いて"もいいのになぁとも思ふ。
うーんと唸って、そうか、「じのもん屋」の、喩えるならば、ひと口にツルンと啜れてしまうような「焼きラーメン」が好みなのだと気がついた。
極細麺をスープばしゃばしゃ気味に炒めるのがきっと醍醐味のひとつだと思っているから、ズレを感じてくるのかも。
「じのもん屋」を知らなければ、もっと違う印象になったかもしれないな。
東銀座のお店がなくなってからは、神戸系「第一旭」の東京直営店は、ここ八丁堀店のみ。
直営店であっても独自にあれこれ創意工夫していて、それが「トマトラーメン」であり、「焼きラーメン」であるということなのかもしれません。
翻れば、「神戸ラーメン」一本ではなかなかしんどいというのが実情なのかな。
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神戸らーめん「第一旭」三宮本店で 胡椒のるチャーシュー麺(07年05月)
九州めし処「じのもん家」で 塩とソースの焼ラーメン屋台の情景(09年04月)
「第一旭」八丁堀店 中央区日本橋茅場町3-8-5 [Map] 03-3662-2377
http://www.asahi-foods.co.jp/
かつて、ガード下の中華「珍珍軒」で「レバタン」を食べ終えたところで目にした光景が、ずっと気になっていました。
真っ昼間からビール、日本酒、ホッピーを呑み交わし、
だはは~と明け透けな笑顔をみせているオッチャンたちが肩寄せ合っている店がある。
狭い間口から路上にまで溢れたパイプ椅子。
見上げた看板には、もつ焼煮込み「大統領」。
ガード下のやや暗がりが、昼から既に夕方な気分を増長してくれていました。
さらにところが、その支店さえも満席だという。
うーんと唸って、界隈を彷徨い歩く(笑)。
ぐるっと巡って、試しにもう一回席の状況を覗くと、「3人?ちょっと待ってて!」と声が掛かりました。
これもタイミングだよなぁとしばし待って、路上の隅のテーブルへ。
ジョッキを手に、品書きの上![]()
で目線をきょろきょろ。
まずは、看板メニューのひとつであろう「大統領特製煮込み」。
品書きの説明書きにもあるようにあっさりとした仕立てで、意外や馬のモツを使っているらしい。
正直なところでは、もっともっとコッテリしているのが気分なんだけどね。
千切りしたガツを胡麻風味のタレにからめた「味つけガツ」やコリコリ食感を辛味で包んだ「ふぐ皮キムチ」が届いたところで早速、黒ホッピーに切り替える。
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定番的にイケるのじゃないのぉと思ったのは、「豚タンスモーク」。
ほんのりした薫香がいいのだぞ。
やっぱりもう一方の看板メニュー「もつ焼き(豚)」から、タン、ハツ、レバー、シロ、カシラ。
話し込んでちょっと油断すると、折角の熱々がすぐに冷めてしまって硬くなり、申し訳ない感じ。
この辺りの焼きモノとなるとやっぱり、ひと串ひと串焼き台の前でいただきたいね。
牛モノはどうよと「牛ハラミ焼き」に「ギアラ塩焼き」。![]()
ギアラの食感とハラミとは路線の違う旨味が印象深い。
ちょっと慌てて食べるくらいが、これら焼きモノを口にする際の要領だと今更ながら痛感します。
すっかり陽が落ちてからもなお、線路と線路の間の淀んだ空気の路地に空席を待つひと影が並ぶ「大統領」前。
支店には、ガード下の店ながら二階フロアもあって、実はそこそこのキャパがある。
夏の炎天下には空調が効いているであろう二階席も選択肢かもしれないけれど、やっぱり路上の開放感が「大統領」の醍醐味なのじゃないかな。
今度こそ、本丸の呑兵衛の輪に加わりたいものです。
口関連記事:中華料理「珍々軒」 で猥雑アメ横 味なレバタン(07年11月)
「大統領」 台東区上野6-10-14 [Map] 03-3832-5622
栄の広小路通りの一本裏手、入江町通り。
そこに、その前を通るたびに気になるお店がありました。
そりゃそうでしょ、だって通りに浮かぶ袖看板にある文字は「めし ばか盛」。
気取りも衒いも微塵もない、その直裁な謂いっ振りは気持ちのいいくらい。
ただ、腹もはち切れんばかりに喰うぞなんて意気込みで訪ねないといけないような気もして(笑)、機会をつくれずにいたのです。
ガッツリ昼飯喰っちゃうぞ!のイメージばかり浮かべていたけれど、
オトウサンの開口一番は「大盛り?中盛り?」。
おお、そうくるのかと思いながら顔の前にひと指し指を立てて、一本だけと瓶ビールをもらいます。
いい味だしてるなぁと壁に貼られた赤茶けた品札を眺めながら、「ポテトサラダ」と「肉じゃが」をアテにする。
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件のオトウサンはオカアサンと入れ替わるように奥の厨房との間を行き来して、惣菜の品揃えを整えています。
グラスの残りを呑み干して、改めてご飯モード。
品書きの一番先頭(右手)にあるのが30円刻みの「大盛」「中盛」「茶碗盛」。
食器棚に収まっているドンブリを眺めつつ、「大盛」が果して「ばか盛」なのか、それとも、裏メニュー「ばか盛」もあるのかなんて、素直な疑問も湧いてきます。
でも既にビールの泡でお腹はある程度膨れた後ゆえ、謎解きは次回以降に譲りたい。
「茶碗盛」と「いわし煮」、それに「うの花」「とん汁」を添えてとオトウサンに伝えます。

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「茶碗盛」はやや大きめのお茶碗一膳。
八丁味噌仕立てのお椀を啜り、いわしの煮付けと卯の花を交互にいただく。
ご飯が特に旨いというわけでもなく、温め直してくれたいわし(真鰯かな)がびっくりする程そそる訳でもないけれど、こういうのが普段使いの「めし」だよなぁ、こういうお店も近所に欲しいよなぁと思えてきます。
昼に夜にさまざまなお好み惣菜とご飯を求めてやってくるひと達に、きっと人気な「ばか盛」。
「ばか盛」という店名から、盛りの派手さを売りにしたお店であるかのようにも映るけど、本質はそこにはなくって、何気なくちゃんとした「めし」が出来るお店であることに真摯なのが「ばか盛」の個性なのでしょうね。
「ばか盛」 名古屋市中区栄3-10-4 [Map] 052-251-0982
新幹線の高架を見上げる環七沿いのラーメン店と云えば、空かさず「醤屋!」と思い出す。
見極めるように醤油あれこれに焦点を当てて、黒、紫、白と三種の醤油ラーメンを繰り出していた。
粗みじんの玉葱を薬味にするアイデアに感心したことをよく覚えています。
車で前を通っても雰囲気変わらないままそこにあるので、変わらず頑張っているのだなと思い込んでいた時期も正直あったのだけれど(笑)、とうに「醤屋」ではなく、「醤道」となっている。
禅譲するように移行したようにも映る「醤道」に改めて通ってみました。
まずは、「道」をいただきます。
Wスープの和の味、とあるので、「元禄花かつお粉」はどうかなとトッピング。
脂十分のしっかりボディを和出汁が支え、エッジの利いたパキパキとした表情が軽快な麺との相性も悪くない。
花かつお粉はいい選択だっただなとほくそ笑んで(笑)、ズルズル。
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うん、いいンでないの。
白醤油の「白」には「岩のり」かなとトッピング。
淡い上品な味、と謳っているけれど、
なかなかどうして豊かな旨味を湛えたスープの力感が心地いい。
随分前に「醤屋」でいただいた「白」と味わいの印象が一致するのは、基本的なところを「醤屋」の「白」レシピで作っているのかもしれないな。
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「岩のり」はいい選択だったなと再びほくそ笑む(笑)。
この「白」が一番好みかなぁ。
こってりとしたブレンド醤油、と謳うのが「金」。
コッテリ系には「桂花」の「太肉麺」よろしくと、「金豚」に「キャベツ」のトッピングを添えてみます。
過剰にならないコッテリボディを柔らかく力強く醤油味が支えている感じ。
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レンゲから啜る度に、「おほっ」と思わせるのは、なんだかニクイぞぃ。
環七の向かいから眺めるファサードは、やっぱり「醤屋」の名残りありありならぁめん「醤道」。
「道」「金」「白」、それぞれがそれぞれにいい。
迷うだけ迷って気分で選ぶ、ってのが正解なんだろな(笑)。
口関連記事:
らーめん「醤屋」 で黒紫白からうすくち醤油の白玉葱みじん切り(02年11月)
「醤道」 大田区南馬込1-10-5-101 [Map] 03-5742-8388
中原街道沿いにあったビストロ「いな」の青いテントが赤いテントに変わったのは、いつのことだったかな。
もう2年くらい経つのかもしれません。
今、昼に夜にその存在を主張している赤いテントのお店が、スペイン食堂「石井」です。
居抜きに手を入れた、そんな様子の店内の厨房で立ち動いている短髪の方がきっと石井さんそのひとなのでしょう。
夜のカウンターに陣取りました。
丁寧に開いて塩梅よく漬けてある。
こりゃぁビールよりも、とカヴァのグラスに持ち換えて、
「生ホワイトアスパラガスのにんにくオリーブ炒め」。
過日の四川料理「川菜館」での「沸騰魚」を思い出させるかのように、土鍋の中でオリーブオイルが沸き立っている。
たっぷり量のホワイトアスパラが沸騰に合わせて、ころころと踊っているのです。
噛めばシャクっとするアスパラに伸びる手が止まりません(笑)。
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カヴァのグラスをつーっと傾けつつ、ね。
「フラメンカエッグ」ってなんだろうと訊くと、
セビーリャの郷土料理で、トマトソース仕立てのココット煮のようなものだという。
サラミのスライスがいいフックになって、ハフハフとトマトの酸味と玉子のコクを楽しむ感じ。
ハフハフ。なんだか、和んじゃうね。
パンのお代わりをもらって、舐めるようにソースを浚います。
スペイン料理といえば、パエリアも代名詞のひとつ。
それを今度はランチでいただこうと、昭和大学病院前の昼下がり。
スペイン食堂「石井」のランチ
は、魚or肉料理と「特製パエリア」で構成する軽いコースになっているのです。
前菜の横長なお皿には、夜にいただいたヒコイワシとサワークリームを添えた「スペインオムレツ」。
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呑みたくなるのをグッと堪えて、カップのスープを啜ります(笑)。
マグロホホ肉か、で迷って選んだ「牛ハチノスの煮込アストゥリア風」。
柔らかなハチノスにソースにしみじみする旨味があって、ふたたびパンのお代わり。
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パエリアはパエリア鍋で届くものと思い込んでいたので、「特製パエリア」が普通にお皿でやってきて、ちょっと愕く。
檸檬を軽く絞って、スプーンを動かします。
パラパラとしつつ、ご飯のひと粒ひと粒がこっくりとしたスープを含み包まれているようで、塩梅のいい仕立て。
大盛りにしてもらえば良かったな(笑)。
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ほろ苦さがいい、
生チョコキャラメルとバニラアイスのデザートを舐めつつ和むひと時。
近く二周年を迎えるという、街角のスペイン食堂「石井」。
フレンチ出身で、銀座「Puerto de Palos」などのスペインレストランを経てきたシェフが供するは、肩肘張らない、でもブレのないスペインの家庭料理たちです。
口関連記事:
Bistoro「ina」で 帆立貝柱とシャンピリオンのクリームリゾット(04年03月)
四川料理「川菜館」で 涼衣白肉水煮牛肉沸騰魚辛旨いの愉しさ(09年04月)
「石井」 品川区旗の台2-1-31 [Map] 03-3784-7336 http://www.spain-shokudo.com/
きしめんと云えば、名古屋。
ただ、そのご当地名古屋にもおいても、きしめんの専門店となると意外なほど少ないのだという。
真っ先に思い浮かぶのが新幹線ホームの「住よし」だったりするもンね。
ふと、駅のホームでもフードコートでもないお店できしめん啜りたいなぁなんて気分になって訪れたのが、
飯田町の「川井屋 本店」。
栄の北東側、高岳駅から進んで外堀通りを越えたところにあります。

ゆったりした店内の二辺に小上がりがあって、右手に4席のテーブルが幾つか。
そして、フロアの中央にカウンターの代わりとも云えそうな大きなテーブルがあります。
ひとり客は自ずとそこへ座ることに。
お品書き![]()
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には、
「きしめんもそばもうどんも全て、手捏ね・手延べ・手打ちの"純手打ち"」と書いてる。
「純手打ち」があるってことは、世の中には「なんちゃって手打ち」もあるってことかな(笑)。
「手打ちきしめん」の中から、名古屋だもの(?)と海老天がのるという「天ぷらきしめん」をお願いしました。
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ドンブリを斜めに横たわるスリムな海老天さま。
四角く千切った海苔に三ツ葉、生玉子がトッピングされていて、甘汁は澄んでいる。![]()
例の如く、ビロビロンとした平打ちの麺は、なるほど手打ちの滑らかさと仕立ての良さを思わせる。
でも基本的には柔くて、自重でプチンと切れては、顔に汁が撥ねるのであります(笑)。![]()
しみじみと旨味の滲みるツユの品の良さは、流石老舗のお味と云えそうだ。
比べてしまえば「住よし」のきしめんは、化調で旨いどんぶりかもと、そんな気がしてくる。
大正10年創業という老舗手打ち麺処「川井屋 本店」。
すると、こちらの味噌煮込みは類似店名の両雄と比べてどうなのだろうと気になってきます。
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味噌煮込みうどん「山本屋本店」栄白川店で 名古屋コーチン入り(04年03月)
煮込うどん「山本屋総本家」錦店で一半鍋三河地鶏入煮込玉子入(06年08月)
「川井屋 本店」 名古屋市東区飯田町31 [Map] 052-931-0474
人形町の有名洋食店のひとつ「キラク」。
その「キラク」からスピンアウトした店ができたというので出掛けてみました。
場所は同じ人形町で、「小春軒」「来福亭」「シェ・アンドレ」や「玉ひで」が並ぶ甘酒横丁からちょっと入った辺り。
スタンド看板を頼りに角を曲がり、
さらにイタリアン「il Mare Blu」の前を曲がった処に「そときち」はありました。
「キラク」の狭いカウンターで忙しなく立ち動いていた女将さんが、厨房の真ん中にいる。
ミクロネシア方面の異国情緒を漂わせる年齢不詳のオッチャンもどうやら此処で活躍している模様。
厨房の女将さんが「メンチカツ、仕舞いだよ!」を旨とする声を発する。
すると、先ほどのホールの女性がごにょごにょカウンター越しにやりとり。
どうやら受けてはいけないオーダーを受けてしまった状況のよう。
女将さんの口調がナイものはナイ的に聞こえて釈然としないものの、まぁナイものはナイのだろうしなぁと限定もう一方の「カツカレー」に変更です。
それにしても、たった10食なのだから、もうちょっと上手にオーダー管理できそうなものだよね。
カウンターに案内されるとほぼ同時に「カツカレー」のお皿が届きました。
限定のお皿ですものさぞ自信の品だよねとお皿を見つめると、あろうことかカツが明らかに薄い!
三原橋「牛かつ」をふと思い出しつつ、なぜにこんなに薄いスライスなのだろうと腕を組む。![]()
いやいやきっとカレーがイケてるのさと、スプーンの横であっさりとふたつに折れたカツとその下のカレーを合わせ食べる。
あれれ?なんだか塩辛いのがただただ気にかかるお家カレーだ。
残念ながら、目の前のお皿からは老舗洋食店の力量を窺わせるエッセンスが感じ取れましぇん。
うーーむ、そしてそもそもこれがなんで「限定」なのだろう。
日を改めて再び、限定「メンチカツ」に挑む。
残りふたつの中に無事参加できて、白木のカウンターの角で待つ。
既にカウンターに座っていたオバサマが発する、「あれ?あるのだったらアタシもメンチにするんだったのに!」というクレームが聞こえてくる。
白いお皿に刻んだキャベツとマカロニサラダ、そしてコロンとした小判型のメンチがふたつ。
その潔い姿に期待が膨らんでくる。
揚げ立ての香ばしさを深い褐色の衣がさりげなく発している。
ほー、粗めに刻んだ挽き肉、玉葱が素朴な魅力を滲ませる。![]()
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でもこれがなんで限定なんだろう。
どんどこ揚げてくれてサービスまでつけてくれちゃう西麻布のあの店の、あのオバチャンをふと思い出して、またまた腕を組む。
それもたった10食なんて、どんな深い事情があるのだろう。うーーむ。
「限定」フレーズに素直にのっかる行動パターン(笑)を考え直さなくちゃいけないのかもしれません。
洋食「キラク」にいた女将さんが仕切る、ビーフかつ「そときち」。
"外吉"は、「キラク」先代のお名前らしい。
女将さんがこっちに来ちゃって本丸はどうしているかなぁと考えていたら、たまたま聞こえてきたのは「あっちは妹が営ってるのよ」という女将さんの台詞。
ただ気になるのは、看板はもとより、MapやHPなどを含めた「そときち」の周辺に「キラク」の文字がないこと。
一体なにがあったのでしょう。
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「そときち」 中央区日本橋人形町1-9-6 [Map] 03-3666-9993 http://sotokichi.web.fc2.com/
ここ最近、閉めてしまう店、それと入れ替わるように開く新しいお店が増えている八丁堀界隈。
八丈島料理「えの味」もなくなってしまったお店のひとつ。
その後に、ほぼ居抜きの状態で開店したのが、
居酒屋「かてて」だ。
新大橋通り沿いの歩道から誘導しようというランチメニュー
には、大分、長崎なんて地名も並んでる。
開口一杯に大きく取った硝子の引き戸から窺うようにアプローチします。
ランチメニュー筆頭で、「大分」と添え書きのある「だご汁定食」をお願いしました。
"だご"というのはきっと"だんご"のことだろう、そしてその団子というのは鰯かなにかの魚のつみれではないかいな、とそう想像したりする。
ところが、届いた膳に乗り出してみて、「あ、そふいふことね~」とやっとこ合点する。
団子は団子でもつみれ系統ではなくて、小麦粉の団子。
それが根菜類の汁に浸っていて、つまりは「すいとん」の仲間とも云えそうだ。
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出汁をゆったり味わえるように薄めの味付けに仕立てた汁に、平たい形に湯掻いた"だご"。
あくまで優しい味わいが郷愁を誘うような、そんな器であります。
「長崎」にも行きたいと、日を代えて。
長崎と云えばやっぱり、「ちゃんぽん」だね。
湯気を立て立てやってきた無機質ややモダンの白いどんぶり。
クリーミーなスープに炒めた野菜や蛸・海老などの甘み風味が溶け込んでなかなかイケる。
麺類の専門店ではないのに「とんこつは炊いてます」って云うのは、九州では当たり前なんだろうか。
他の料理酒肴にも使えるのかもしれないね。
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啜る麺はというと、通常ちゃんぽんにみる丸い断面の麺と違って、平打ちタイプ。
「麺だけは沖縄そばの麺を使っているンです」と。
この辺りで九州料理の店としてすぐさま思い出すのは、九州めし処「じのもん家」。
東京にあっては結構な本格派ゆえ、そこと正面から競合するのは正直しんどいかもしれない。
そもそも九州料理の専門店をやろうという意図ではなくて、九州の郷土料理も店の個性として品書きに含むけど他にもあれこれ素朴な料理酒肴がありますよ、というあたりが居酒屋「かてて」のコンセプトなのかもしれないな。
季節のいい頃には大きな硝子戸を開け放して客を待つ、居酒屋「かてて」。
"糅てて"とは、九州の方言で"まぜて""仲間に入れて"という意味だそう。
ふと、あまりに陳腐なキャッチフレーズが頭を過ぎる。
今夜は仲間を募って「かてて」に行こう!(笑)。
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「かてて」 中央区八丁堀1-12-4 那賀島ビル1F [Map] 03-3551-7999
俗に云う病院口から駅を出て、中原街道に突き当たる旗の台信号から昭和大病院前信号までRを描いて中原街道と並行して走る筋がある。
ぽつぽつと散在する飲食店が、通る度にきょろきょろと気になりつつ、なかなかお邪魔できないでいます。
今夜はふとそんな気分になって、
その中の一軒、魚料理「駄々屋」で一献です。
ドアを引くと右手に厨房との間を仕切るカウンターがあって、その先に小上がりが見えます。
奥にひと組の先客があるようで、素直にカウンターの隅に陣取りました。
ビールを所望してから、
外で眺めた品書きで既に気になっていた「〆コハダ(新子)」をと追いかけます。
合言葉のように「もう新子ですか~」と訊くと、唐津からだというコハダは既に「ちょっと大きいですね」という主人。
角皿を受け取れば成程、にぎりに三枚づけ四枚づけするような新子とは型が違う。
どれどれと山葵をちょんと載せて口に含むと、〆の塩梅に遜色なく、すいっと軽く解けるように消えていく感じがいい。
嫋やかな印象が新子らしいといえまいか。
会話の中で、市場に通っているのでしょうけど築地まで?と訊くと、「いえ、川崎の南部市場で仕入れてます」という。
尻手辺りの一号線沿いにある小さな地方市場だそうで、築地の分店のようなものなので、基本的には築地とほぼ同等のものが揃うそう。
卸が専門化しているため、何軒もの卸を巡る必要がある築地に対して、あれこれが同じ卸でコンパクトに揃うので、お店との距離も含め都合がいい、というのはよく判るお話。
同じく外から気になっていた、「生シラスと新玉葱のかき揚げ」もいただいてみる。
細やかなかき揚げを想像していたら、仕立ては少々フリッターっぽい。
新玉葱の甘さの間隙を縫うようにシラスの風味が過ぎる、そんな食べ口だ。
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改め眺める品書きで、へ?と思わせたのが三重産「サバ白子焼き」。
鯖の白子って、食べた憶えがないもんね。
アルミホイルに包んで焼いてくれた鯖白子は、河豚や鱈のものと違って大振りで平たい表情。
口にすれば、あはは、鯖らしい風味と濃縮した白子の滋味がする。
見かけはどこか珍味っぽいけれど、もしかしたら他所では始末してしまうような部位を安くて実直な酒肴に仕立ててくれている。
こりゃお酒だ!と今月おススメのひとつから秋田の純米吟醸「白瀑(しらたき)」。
県産の美山錦と花こまち酵母を白神山地の天然水で仕込んだ秋田づくし、と解説してくれる。
妙なひっかかりのない華やぐような膨らみとコクがすっと潔く消えていく。
ご主人、随分と呑み込んでいて全国あちこちのお酒を薦めていきたいのけど、選ぶお客さんの方が圧倒的に北の方の酒を選ぶので、想いとは裏腹なことになることが多いのですと苦笑い。
例えば高知とかでも佳いお酒ありますもんねと云ってみたものの、今選んだお酒は秋田モノだったりする。
どうも寒い方のお酒の方がいいのじゃないかという深層心理が自分にも働いているのかもしれない、気をつけよう(笑)。
小物ばかりですいませんがと詫びつつ「ワラサ アラ煮」。
鴨川産だというワラサのアラをこっくりと煮付けた、これまた珍味っぽい酒肴。
骨を除けつつ、歯でこそげるようにして、吟醸をついーっと舐めると一丁前の酒呑みの気分になってきます(笑)。
早くも出来上がりつつあることに気がついて、〆に「本日の漬丼」を訊ねます。
「今日は、イナダです」「じゃ、それに、味噌汁つけてください」。
ワラサもあればイナダもあるのね~、と思っているところへドンブリが届きます。
〆に加減のいい小ドンブリを茗荷と葱をいただいたイナダのヅケが覆ってる。
どちらかと云うとさらっと白身っぽいイナダの身を茗荷の香気とで品よくいただく感じ。
うんうん。
ふとワインの話になって訊いてみると、なんとこちらのご主人、フレンチの出身だという。
帝国ホテルと並んで日本のフレンチの本流をなす処で経験を積んできたのだそう。
時々、その片鱗を品書きの一行に含ませることもあるけど、かといってワインも並べるような状況ではないので、その辺りはきっちり切り替えができているのが潔い。
昭和大学病院のドクターも忙しさの間を縫って来てくれるという、
魚料理「駄々屋」はこの6月で三周年。
駄物と呼ぶには語弊があるけど、魚介の、活用できてきない部位や端物も大事に提供していきたい。
気取らず構えず、それら酒肴を求めてお客さんが憩う、オトナの駄菓子屋でありたい。
そんなことから、「駄々屋」と名付けたのだそう。
珍味志向ってこととではないものの、自家製の塩辛とか莫久来とかもあると嬉しいな。
平日は、ランチも営っているようです。
「駄々屋」 品川区旗の台2-1-8 [Map] 03-3788-9010
駿河台の一角に四川料理の佳店として知る人ぞ知る館があるという。
思えば、辛いモノは断然苦手だった頃からそれなりにちょっとづつ修行を積んできて、全く駄目ということではなくなってきているものの、例えば上野毛「吉華」で体験した息苦しい辛さと痺れは許容範囲のすっかり外にある。
その辺りにちょっぴり気を揉みつつ、新お茶の水からアプローチ。
階段を二階へと辿ります。
ハートランドで乾杯して、メニューを物色。
汗っ掻き自慢のつきじろうさんも辛いモノで汗だーだーになっちゃわないかと、
予防線を張りたい構え(笑)。
一方辛いモノも大好物な築地王さんがダイジョブダイジョブと仰る。
ま、こうなりゃ(笑)食べてみて楽しまなきゃね~とお皿のチョイスを始めます。
まずやってきたのは、「涼衣白肉(皮付き豚バラ肉ときゅうりの創作料理)」。
縦に薄くスライスした胡瓜と、その胡瓜と形を揃えるように縁取りのあるバラ肉が薄くスライスして添えてある。
それが手桶の取っ手のようなところに洗濯物を干すかのように二つ折りに吊してある。
初めてみる光景に思わずへーと云いながら、その胡瓜と豚バラを一緒に箸で掴んで、その下に用意された赤い液体に恐る恐る浸して食べる。
ん?お?意外とそんなに辛くない。
とろんとした滑るような甘さに似たその中に香辛料諸々が利いていて、かの辺銀さん「石垣島ラー油」に連想が繋がるタレだ。
どこかでこのタレ使えるかもと、下げられないように確保しておいたりして(笑)。
ハートランドに続けて、辛い時対処も考慮して(?)、ビールのピッチャーをもらう。
そして、「四川定番料理」から肉と魚の料理を選ぶ。
「水煮牛肉」は、わしわしと盛られた牛肉の赤い色はもとより、そこに盛り載せるようにされた粉の赤褐色もキケンな雰囲気。
再び恐る恐る小皿にとって、口へ。
山椒のビリビリに身構えた肩がふっと軽くなるくらい、意外やそんなに辛くない。
いや、辛いは辛いけど、角が立った辛さじゃなくて、丸さのある辛さなんだ。
お魚料理でと定番から選んだもうひと品が、きんめ鯛を使っているという「沸騰魚」。
届いたドンブリを覗いて思わず、うおー、と洩らしたのは、そこで油が沸き立っていたから。
泡が収まるに従って浮かび上がる唐辛子。
とうとうキタかと観念するように箸を伸ばして、白菜やきんめの白い身辺りを取り分けてじっと見る(笑)。
どれどれとおずおずと口にするとこれが、きんめの身がほっこりと甘く、旨い。
辛旨いとはこふいふことも云う、ということにしちゃっていいでしょうか、って感じ。
辛く、というよりは白身を薫り高く包み込んだんだよっ、てな料理だ。
でも、つきじろうさんのオデコで汗が光ってる(笑)。
豚牛魚ときたら、鶏もいただかねば(?)ということで、
思わず"口水"(=涎)が出ちゃうという名の鶏「口水鶏」。
次第に安心しつつ箸を伸ばしている自分に気がついて、少しはオトナになったかと腕を組む(笑)。
ちょっと毛色を変えてと「炒双緑」。
ブロッコリーとセロリをXO醤でピリ辛に炒めたもので、うん、これも安心な美味しさであったりする。
お酒はとっくに長い口から注ぐ紹興酒に変えている。
ここから定番系で仕上げに入るぞと「鐘餃子」に「麻婆豆腐」。
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特製ラー油のかかった水餃子をつゅるんと嚥下して迎える紙鍋。
ここの「麻婆豆腐」は蛇腹に折った紙鍋でやってくるのだ。
ここまでくると身構えることはもうなくて、ほんのちょっと片栗少なくてもいいかもなんて口走る(笑)。
〆にはやっぱり、汁なしという「本場四川担々麺」。
小振りな器がちょうどいいやとひと啜り。
そこでふと思い出すように、冒頭の「涼衣白肉」に添えてあったタレをちょろろと垂らすとまた旨い。
刺すような辛さ・痺れで辛痛いお皿に出くわしたらどうしようと、
ちょっと気を揉みつつ訪れたお茶の水仲通り。
ヒ~!となるどころか、甘ささえ思わせるような赤い料理たちの辛旨さを愉しませてくれました。
きっと唐辛子そのものも違うのだろうね。
「川菜館」の名はそのまま、四川の料理の館、という意味だそうです。
口関連記事:NUCHIGUSHI CUISINE「辺銀食堂」で五色餃子島食材の宴(07年09月)
「川菜館」 千代田区神田駿河台3-7-7 [Map] 03-3295-3818
行きつけの美容院後に、武蔵野うどんを啜りに寄れる店はないかと所沢駅界隈を探してみる。
以前訪れた「きくや」系「涼太郎」以外にめぼしいお店が見あたらず、意外とないものだなぁとさらに漁って辿りついたのが、駅から離れた久米地区にあるお店。
とっても中途半端な距離なものの、ぽかぽかした陽射しにつられて、歩いて行くことに腹を決めます。
踏切を渡り、墓地の脇を抜け、坂を下ったところでそれらしい看板を見つけました。
一体どこだ?くらいに田舎なうどん店の風情を十分に匂わせているじゃぁありませんか。
掠れた「あづまや」という青い文字。
武蔵野うどんを啜る!を目的として歩き着いた身としては、「本手打ち」と「うどん」に加えて、「そば」の文字が看板に挙がっているのを気がかりに思いつつ近づくと、「仕出し・出前」と記された暖簾の下にドアを塞ぐようにホワイトボードが立て掛けてある。
あれれ?と思いながら読むと、「お食事は新館の友季館でお願いします」
とある。
硝子越しに覗く店内もシブい情緒を醸していて、間違いなく断然こっちのお店でうどんを啜りたい。
でも改めて覗き込む店の中にひと気はない。
とっても残念な気分を抱えながら、案内に従って、敷地内のようなそうでもないようなくねる道を奥へと進みます。
そこにあるのは、なるほど新しい設えであるなぁと思わせる店舗に無地の白い暖簾。
広めの店内では、奥のテーブルでひと組のオッチャンたちが昼下がりの酒盛りをしている。
それも佳き哉と眺めながら、お品書き![]()
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を凝視(笑)。
店に悪気はないのだけれど、「そば」が上段に書いてあるってことはやっぱり、どちらかと云えばそばが主体のお店なのかもしれないな、と微かに溜め息ひとつ。
しかも、「肉汁」がデフォルトではなくて、基本のつゆを「肉汁」か「鴨汁」に変更もしくは追加ができるというシステム。
この時点で完全に、「武蔵野うどん」の心意気を汲んだ店ではないと知る。
それも已むなしと思いつつ品書きの裏側を見ると「人気商品」とする並びがあって、注文が多いという組み合わせ、「肉汁うどんと野菜天ぷら」をお願いしました。
粉の風味とつるんとした食感が心地いいうどんは遜色のないものであるのだけれど、
一方で肝心なつけ汁がいただけない。
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脂がどこどこ浮いちゃうようなバラ肉を使ってイヤラシク肉の甘さ漂う感じが肉汁たるところだと思うものの、目の前のつけ汁はなんとも素っ気ない仕立て。
きっと、食べるほうの思い込みがお門違いなんだね。
訊けばやっぱり、表のお店では仕出ししかしていないという。
先代ご夫婦はその高齢ゆえそば・うどんから引退して注文を受けて少量に応じる仕出しのお店を営んでいて、その息子が畑を潰して広くて新しい建物を建ててそば・うどんの店を継いでいる、なぁんてことを想像したりした。
元来から、常道「武蔵野うどん」の店とは違う路線のお店だったのでしょうね。
「友季亭」 所沢市久米字天王前1636-3 [Map] 04-2928-8752
煮干出汁芬々の一本気な中華そばのお店が王子の向こうにあるという。
どうやって行くのだろうと調べると、王子もしくは王子神谷から15分ほど歩くか、タクシーかバスか。
そんな足回りの店が話題と聞いて、そう、随分経ちました。
とある冷たい雨の降る午後に都バスに乗って訪れた、
小さな商店街。
さてこの辺りだろうとひと気の少ない通りをきょろきょろするも、それらしい看板も暖簾も見当たらない。
あれれ?と思いながら進むと、兄ちゃんがひとり、アルミの引き戸を開けて出てきた。
そこへ近づいてよく見ると、ドア硝子の隅に千社札が5枚ほど並べて貼られてる。
中華そば屋「伊藤」は、看板のない店、でもあったのだ。
自家製麺であること、化学調味料を一切使用してないことも示されています。
お肉もちょっとは欲しい、という素直な欲求に従って、「肉そば」をお願いしました。
葦簀の裏側の厨房からさらに煮干の匂いが強く漂い、そして、小気味よく麺を湯切りするシャッシャッシャッという音が零れてきます。
ドンブリがやってきました。
なるほど、噂に違わぬ質実なる表情。
厚切りした煮豚が十分なアクセントを見栄えに添えていても、量を控えたスープとそこに盛り上がるように浮かべたストレート麺と気持ちばかりに刻んだ葱とがつくる潔さに一瞬息をのむ。
まずはカウンターに用意されていた蓮華を取り出して、魚粉のような粒子の浮かぶスープを啜る。
ほんの微かな一瞬煮干しのエグみのようなものが過ぎるが、すぐさまそれが愛おしく思えてくるほどの煮干出汁を多分に含んだスープの旨味にじわじわと惹きつけられてしまう。
そうなれば矢も立ても堪らず、引き千切るように箸を割き、その汁に馴染ますようにしながら麺を持ち上げ、啜ることになる。
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ポキポキとした緩みのない細麺がまた悔しいほどにスープに合っている。
いいのじゃないのこふいふのー、なんて思っているうちに麺を啜り終わって、ドンブリ底のスープを掬ってるのに気づく。
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もう一杯食べたいちゃいたいぐらいで止すところがこのドンブリに似合う食べる側の潔さなのだよ!と妙な気高さを自分に投げかけつつ、絶対今度は大盛りのつゆ増しにするんだと誓ったりする(笑)。
漸く訪れた、今度は週末のお昼過ぎ。
大行列だったら困るなぁという心配に対して、店前の空席待ちは、10人に満たないほど。
暖かな陽射しの下で椎名誠「すすれ!麺の甲子園」かなんかを読みながらのんびりと席が空くのを待つ。
テーブルの丸椅子に座りながら告げるは、誓いに従う「肉そば大盛りつゆ増し」で。
ああ、大量の煮干たちから大事に抽出したエキスなのだろうに、それがナミナミとドンブリを満たしているなんて、なんて贅沢なのだ!なんて思ってしまう。
大盛りゆえ、前回以上に遮二無二啜っても、あっけなくなくなってしまう心配は少ない。
啜るスープもよりゆったりしみじみ味わえるのは、二回目だからか、たっぷりの量だからか。
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相変わらず、麺のポキポキもいい。
なんだか、澄み渡った初夏の青空のような(?)清々しくも心地よい満足に満たされた感じ。
素朴な一杯の裏に、どれほどの仕込みの苦労があるのだろうね。
足回りの悪さも飾り気も看板すらないことも、ただただストイックに麺にスープに向き合っているがゆえのこと。なんて気概を思わせる中華そば屋「伊藤」。
バスの乗り場も、行き先系統も覚えたもんね(笑)。
「伊藤」 北区豊島4-5-3 [Map] 03-3913-2477
線路沿いから消えている「大山酒場」の看板を眺め、
脇の隙間に入り込んで貼紙
を読み上げて、
嗚呼やっぱり閉めてしまったのだと確認する。
結局たった二度しか訪れなかったけれど、大井町に「大山酒場」あり、横丁の顔だったものなぁと振り返る。
そのままアーケードに戻って向かうは、何故かいつも定休日に来てしまう「丸八」の本店。
今夜は、暖簾が揺れてます(笑)。
なににしようかなと、右手の壁の品札の列
を眺めて選んだのが、「上カツ」。
「上」と「カツ」の間に小さく「ロース」と書いてある。
定食にしてもらいます。
他には、「ヒレカツ」「並カツ」「串カツ」「カツサンド」に、「エビフライ」「ハンバーグ」「オムレツ」と洋食的ラインナップが続きます。
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何度繰り返したルーチンな所作なのだろうかなぁなどとオヤジさんの手元をぼんやり眺めながら、じっくりと揚げ上がるのを待ちます。
油のお鍋はふたつが並んでいて、温度設定が違うのか、最後のところで手前の鍋に移してカツのご機嫌を窺うようにもしています。
ふと見た冷蔵庫の脇に貼られた品札に「自家製マヨネーズ」の文字。
ちょうど届いたカツのお皿を受け取りながら、追加注文です。
キャベツの千切りは断然マヨネーズで食べたい派なんだぁ(笑)。
眺めていた通り、しっかり揚げ色のついた衣が端正にも映る。![]()
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断面を覗き込むと、たっぷり浸した玉子の層が黄色く厚く被っているのが判る。
でも、噛んでそれが邪魔なことでもするのかというとそんなことはなくて、うんうんと頷きながら黙々と咀嚼を繰り返す感じになる。
ソースも醤油も垂らさないでそのままいただいて、それにも適う。
とん汁たっぷり、マヨネーズでいただくキャベツも素朴にして、いい。
またまた何故か定休日に行ってしまうという(笑)、学習できない自分に呆れながらも再訪の夜。
今度は、「ポークソテー」をいただいてみました。
年季の入ったフライパンでジョワっと炒めているのは、玉葱のスライス。
そこへソースパンから注ぐのはデミソースっぽい液体だ。
どうやら生姜焼きではない、ようです。
まず口にした玉葱のソテーは甘く、そしてトマトの酸味も生きたソースに馴染んで、ビール呑めてしまいそう。
勿論ご本尊の豚ソテーもビールにぴたりと合うもので、これら一品料理でビール一本やっつける、それが常連オヤジの常道にきっとなっている。
だって気持ちがよく判るもん(笑)。
今夜もマヨネーズをもらって、キャベツをお代わり。
定食モードで暖簾を潜ってきたけれど、次からは「ビールね」とさも当然のように告げるんだ。
白木のカウンターで囲んだ厨房の一体感というか、一種出来上がった空気というのは、とんかつや天麩羅のお店独特のもののような気もするね。
大井町のアーケードに暖簾を掲げて半世紀という、とんかつ「丸八」本店。
支店の方も覗いてみなくっちゃ。
口関連記事:大衆酒場「大山酒場」でふるふる煮込みハムエッグス大徳利連山(07年09月)
「丸八」本店 品川区東大井5-4-10 [Map] 03-3471-2681
'11/04/23(土)by:まさぴ。さん
Re:ぽんちゃんさま
口 鳥「宮川」で桜の下でもいつもの行列から揚げ定食もつ丼もいいどーも、ご無沙汰です。
「宮川」は、茅場町・八丁堀界隈に勤めているヒト、勤めていたヒトにとって、思い出しては足や想いが向く日常の旨いもん屋ですもんね。
ずっと頑張ってる店も多いながら、残念ながらなくなってしまった店もあって、変わってないようで随分変わってますよ。
'11/04/22(金)by:ぽんちゃんさん
萱場町の~“宮川”・・・。
いやぁ~懐かしいですよぅ~っ!
♪
ランチタイムの定食「唐揚げ」
いやぁ~懐かしいなぁ~っ!
刻み葱を浮かべた「鶏ガラスープ」
いつも最低でも~3杯くらい頂戴してました
最後の「店舗界隈」の画像も
口 Café「BAZAR」で片手にTrumerホースラディッシュでFrankfurterメッチャ懐かしく拝見させて頂きましたヨ
'11/04/20(水)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口 Café「BAZAR」で片手にTrumerホースラディッシュでFrankfurter老舗のリラックスした雰囲気!まさにそんな余裕とふところがあるよな空気でした。
古くからの気の置けない社交場は、いろんな使い方をされてきたのでしょうねー。
いってらっしゃーい(笑)。
'11/04/20(水)by:laraさん
まさぴ。さま。
リンクありがとうございます!相方に変わってお礼申し上げますm。。m
この古きウィーン風カフェは、意外とビジネス関係でも使われる事で有名なのです。昼下がり、ビールやワインを傾けながら一見和やかに丁々発止、もよくある事らしいです。
口 洋食「さんばん」で イケるナポリタンにしょうが焼き長嶋の背番号そんな私も今日の午後はまさにここで話し合い。初めてサシで会う方との緊張をほぐしてくれる、老舗のリラックスした雰囲気を味方にしてきます〜(笑
'11/03/10(木)by:まさぴ。さん
Re:イートナポさま
口 洋食「さんばん」で イケるナポリタンにしょうが焼き長嶋の背番号そうなのですー。
ナポちんもご存知、武蔵小山の「さんばん」と繋がってました。
大山からの帰りにそんな話もしたのだけれど、きっと覚えてないなと思ってた。
泥酔モードだったもンね(笑)♪
ウーロンハイないけど、タイミングがあえばご一緒しつ。
'11/03/10(木)by:イートナポさん
武蔵小山の姉妹店があったんですね!
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライこれは行かねば!!!
'11/03/06(日)by:まさぴ。さん
Re:イートナポさま
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライおお、幾多のナポの中にあっても、記憶の隅っこにずっとあるとは♪
ビバ焦げ焦げ(笑)。
どこかシャイなオッちゃんオバちゃんが醸す雰囲気も印象的だよね~。
'11/03/06(日)by:イートナポさん
もうずいぶん前に行ったのに、なぜか記憶にこびりついてる木の葉のナポ。
焦げ焦げ感がばっちりです!
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライあのお店の雰囲気も一朝一夕では出せないですね。
'11/03/04(金)by:まさぴ。さん
Re:Gingerさま
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライgenau!その通りです~♪
残念ながらカキフの季節もそろそろだけど、どこかにそんな店ないかなぁ。
'11/03/03(木)by:Gingerさん
カキフにナポにしょうが焼き
3人で行けば良かったね(*^_^*)