大井町で買い物を済ませて、駅前のロータリーからタクシーに乗って、下るは仙台坂。
第一京浜の横断歩道を潜って直進したタクシーを、
青物横丁の駅前を過ぎた辺りで停める。
降り立った交差点のビル3階にあるのが、
リストランテ「コージ コルディアーレ」。
今宵は、築地王ほかの皆さんで囲む忘年会。
青物横丁でイタリアン?なんて声がどこからともなく聞こえてきそうな、そんな感じもまた愉しい。
テーブルにまず届いたのは、「有機野菜のバーニャカウダ」。
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お皿には、アンチョビソースを中心に花開いたようにレイアウト。
この野菜って何?って話になって、「黒大根、黄カブに、紫人参、黄色いのが島人参で、これが金時ですね」。
そこで、ホールスタッフの勘違いを遮るように、「コールラビでは?」とその野菜の名前を説いたのが、ちょっと遅れてやってきたベジアナこと小谷さん。
一同「お~!」、さすが野菜ソムリエであるなぁと感心頻りであります。
続く前菜には、「和牛もも肉のカルパッチョ」。
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そして、赤貝、ミル貝、ツブ貝、ホッキに帆立などの貝あれこれを生姜とエシャレットのソースでいただく「いろいろ貝のサラダ」。
ここで築地王、ちょうど刷り見本届きましたと取り出したのが「鈴与」三代目の生田さんとの共著、「築地じこみの魚の肴」。
パラパラとページを捲ると、そこに書かれた肴のレシピはおよそ3ステップ。
ずらずらと冗長なレシピはお手製の酒肴には時に煩わしい。
グラス片手にキッチンに立つようなイメージが沸いてきて、写真も魅力的な実用派冊子だ。
スタイリングに奥さんが活躍の、「しずる!写真グルメガイド」の元さん宅で撮ったンだって。
お、それはもしや白子では~と覗き込むように受け取ったお皿は、
「北海道産真鱈白子とエリンギのフリット」。
バルサミコソースのほの酸味を呼び水に、白子のとろんとそれを包む衣の好相性をぬははと愉しむ。
それはもう、エリンギの方はそっちのけ(笑)。
しゃかしゃかと豪勢に鏤めているのは、トリュフでありますなぁと再び覗き込んだお皿には「グリーンアスパラガスの炭火焼 温泉玉子と黒トリュフソース」。
崩し溶いた温泉玉子にトリュフを混ぜ込んでソースにしちゃうというのは、
常套なれども、やっぱり反則だなって思っちゃう。
これまた待ってましたの牡蠣メニューは、
「大粒牡蠣と豆苗のクリームソース 手打ちタリアテッレ」。
その名の通り、ぶりぶりっとした牡蠣がふっくらしたままクリームソースに包まれて、粉の風味の利いた平打ちパスタと主役を張り合ってるぞ。
パスタがもう一丁とは?というところでやってきたのが赤々と伊勢海老。
海老にはリングイネと誰が思い付いたのだろうねと思いつつ、くるっとして口に運ぶフォークの先。
ぶりっと力強いその身はもとより、トマトソースにたっぷりと滲んだ海老の旨みがいい。
そうそう、新刊書籍といえば、晴れて築地まんがガイド「築地あるき」を発売して大反響という、おざわゆきさん&なべひろさんもご同席。
色紙にさっとペンを走らせては、キャラクターがみるみる描きあがっていく様子を、なるほどそんな手際を重ねて一冊になっていったのだなぁと、感心しながら眺めます。
いやーそろそろお腹も満ちてきたぞーというところで、メインの登場だ。
それがステンレスの大皿に豪快に盛られた、
「乳飲み仔牛の骨付きロースの炭火焼 焼野菜添え」。
黒板にはジェノベーゼソースとあったけれど、仕立て変更の紅いソースがソースペリグー。
盛り合わせのデザートを平らげて、ふー、満腹満腹。
幹事のジュネさん、メンバー紹介にぴったりのしおり作成お手数さまのつきじろうさん、いつもコンビのGingerさん&eatnapoさん、まいどのromyちゃんに祝ご結婚佃の旦那さんにもご同席多謝、ありがとーございました。
下町ノリの青物横丁で洒脱真っ当イタリアン、リストランテ「コージ コルディアーレ」。
"コージ"はそのままシェフの名、"浩次"から。
"コルディアーレ"とはイタリア語で"真心のこもった"という意味だそうです。
「KOUJI Cordiale」
品川区南品川2-17-18 3F[Map] 03-5461-3762 http://www.kouji-cordiale.com/
冷たい雨のそぼ降る銀座。
串揚げ「アンジュ」のある通りを歩いていると見つかるのが、角柱型のスタンド看板の上に載った羽釜。
そのお釜には、プレートがぶら下げてあって、「名物かき釜めし」と書いてある。
あ、ここがいつぞやのむのむさんが日記してたお店かと、看板の奥を覗き込む。
通路の奥の提灯で誘っているのが「与志万」だ。
目の前の硝子ケースの中には、今はなにもないものの、
ランチメニューはというと、目的の「かき釜めし」に続けて、
「五目釜めし」「竹の子構えめし」「えび釜めし」「しいたけ釜めし」「とりぞぼろ釜めし」「かに釜めし」「鮭釜めし」「穴子釜めし」と釜めしラインナップがずらっと並んでいます。
熱いので気をつけてくださいね、
という声とともに「かき釜めし」のお釜がやってきました。
パカリと蓋を外せば、沸き上がる湯気。
グリーンピースを彩りに、牡蠣や竹の子、椎茸なんかの具材がごろごろっと載っている。
左隅から箸の先を入れて、ホフハフしながら口へと運ぶ。
ご飯全体を包む香りと牡蠣の磯な風味が相俟って、うん、いい。
ホクホクとしたご飯の温かさに、胃の俯からみるみる温まってゆきます。
後半には、釜の底辺りから薄っすらとしたおこげが現れて、香ばしさと焼おにぎり的歯触りが愉しめる。
牡蠣を仕込んだ焼きおにぎりって、どこかで作ってくれないかなぁ、
なんて妄想が広がります(笑)。
銀座の真ん中の縄暖簾、釜めし・やき鳥「与志万」。
やき鳥でちょっと呑って、釜めしで食事する。
きっと、そんな諸先輩も多いだろうことが容易に想像できるであります。
口関連記事:
串揚げ「アンジュ」 で 今年もカキ料理片栗に揚げた牡蠣かきそば(09年10月)
口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」
「与志万」 中央区銀座3-3-6 モリタビル1F [Map] 03-3567-1767
ずっと気になっていた、
丸太町の中華そば店「麺屋○竹」。
早い夕方に訪れても、売り切れ仕舞いを知るに留まること幾度か。
確か、魚介系スープが世間に広く伝播するに前後してのことだったと思うので、随分永い間の課題店だったことになる。
行列を作ることも少なくないらしかったけど、今は流石に落ち着いてきているのでしょうか。
昼下がりの竹屋町通りを辿り、お邪魔しました。
お品書き
には「中華そば」に「背脂醤油」「つけそば」「味噌そば」が並ぶ。
デフォルトに思う、「名物 中華そば」の並をいただきましょう。
キッチンから「ボーー!」と聞こえてくるのは、チャーシューを炙っているバーナーの音。
捧げるようにして、ドンブリが届きました。
キャプションを差し込むように立て掛けた海苔一葉には、
「京都 名物 魚出し 麺屋○竹」の白い文字。
「なんでんかんでん」で見るプリント海苔と同系の技術なんだろね。
およそ澄んだスープには、揚げ葱と刻み九条葱が浮かび、脂は少ない。
まずはと啜った蓮華のスープは、じっくりと深い旨みが濁りなく満ちていて、膨らんだ期待通りの味わいだ。
ダクダクと乱暴に沸かして煮出したら、こんなスープにはならないに違いない。
海産物の出汁スープを動物系のスープが下支えする、その按配がいい。
二つ折りのショップカードには、京都産の生醤油や沖縄産の海水塩などをブレンドして使っているとある。
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エッジが利いて熟成した粉の風味がサクサクと味わえる麺も好みのタイプだ。
ふとお店の奥をみると、そこにはもうひとつの暖簾があって、頭上に「○竹庵」とする木看板が掲げてある。
「麺屋○竹」はその奥に和食処を設けていて、「地魚定食」「海老ふらい定食」「天ぷら定食」といった定食を始めとする魚料理も提供しているらしい。
羽釜のご飯は「○竹庵」のためでもあったのだね。
ラーメン好きが高じて、創作志向の海鮮中国料理の店からラーメン店に転身したという「麺屋○竹」。
ラーメンマニア×中華料理人が奇を衒うことなく仕立てたラーメンに、完成度への感心と満足とを思いつつ戻る、竹屋町通りでありました。
「麺屋○竹」
京都市中京区竹屋町通堺町西入ル和久屋町101番地 [Map] 075-213-1567
ナポリタンも魅力な新富町の喫茶「バロン」。
その窓際のソファーからふと見下ろすと、視線の先におでんや鯛焼きの「にしみや商店」の赤い暖簾。
そしてその隣の角地に緑の縞模様のテントを庇に張った建物がある。
その昔、なにかの商店として使っていたのかなぁという風情の佇まい。
「バロン」で食事を終えて眺めてみると、「お食事処」と白抜いた茶色い暖簾が出ていて、引き戸に小さな黒板をぶら下げている。
その黒板には、鮭中塩、たら焼き、あじ、野菜天、けんちん汁。
素朴なフレーズが並んでいて、600、700、800と値段が小さく書いてある。
再びその暖簾の前に立って、一瞬の躊躇。
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コンクリートの土間に古びたテーブルがふたつ置かれ、右手のカウンターには渋い風情の丸椅子が並んでいる。
と、オバチャンがそのカウンターの上からこちらを覗き込むように顔を出して、「いらっしゃーい」と応じてくれる。
少々所在なげにその丸椅子に腰掛けると、
「これ、鮭のおにぎり、これでどう?」とオバチャン。
思わず、へ?という顔をすると、「野菜の煮つけとかね、菜っ葉炊いたヤツとか、あ、やきそばあるよ」とつけ加えるオバチャン。
「普段はその場で掻き揚げ揚げたり茄子炒めたりするんだけど、今日はまだできてないなぁ」「そうそう、麻婆もあるよ」。
どうやら黒板に品書きはあるものの、いろんなお惣菜を組み合わせて定食にしてくれちゃうらしい。
おにぎりの定食ってのも面白いかも~と「オバチャン、おにぎりでいいよ、それとね、菜っ葉と野菜の煮物にお椀ちょうだい」とお願いする。
オバチャンはふんふん、てな感じで軽く頷いて年季の入った厨房で背を向ける。
おにぎり定食のお皿が揃いました。
おでんな煮物と高菜の炒め煮とお新香を交互に口に運びつつ、しっかり海苔の巻かれた丸いおにぎりを頬張る。
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こふいふ懐かしい雰囲気の中でいただくに相応しくって、和んでしまうお昼ご飯だなぁとなんだか嬉しくなる。
「以前は、大鍋でとん汁沢山作って、それがよく売れた」。
「しょくりょうしんてん(食料品店)やってから、その後食堂んなって、45年かな」。
問わず語りにお店の経歴を話してくれるオバチャンは、ここ最近で10軒飲食店がなくなって、新しく8軒できた、などと界隈の状況にも何気に詳しい。
勝手知ったる吾が町の日々の変容をずっと眺めてきたのよ、そんな感じかな。
塩鯖焼いた定食とか、野菜の掻き揚げの定食とか。
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暖簾を潜ると、「今日はなんにする?」と訊いてくれるオバチャン。
あるものならなんでも作ってくれるなんて、「深夜食堂」みたいだね(笑)。
枯れた風情とオバチャンの手料理がいい、新富町の食事処「かどや」。
試しに、なんで「かどや」って云うのと訊いたら、予想通りの応えが返ってきました。
「角にあるからよー(笑)」。
口関連記事:喫茶「バロン」で ケチャップ官能ナポリタンとナポリタンなグラタン(09年11月)
「かどや」 中央区新富1-10-7 [Map]
ある朝の日経新聞にサントリーが仏オレンジーナ・シュウェッブス社を買収という趣旨の記事がありました。
紙面には買収・提携している他のブランドも補足してあって、その中に「モーツァルト・ディスティラリー社」という一節があるのを目に留める。
ちょこっと調べてみると、それはリキュールのメーカーらしい。
へーそんなブランドもサントリー傘下なんだ、と思ったその日。
在ザルツブルグのフルート奏者laraさんから、日本のツアーで「モーツァルト・リキュール」の小瓶を提供していただけることになりそうですと訊く。
ほー、なんというタイミング。
途端にどんなリキュールでどんな呑み方ができるンだろかと俄然興味が沸いてきました。
ウッディな印象の店内と一面のバックバー。
カウンターの椅子に腰掛けると、
バックバーを背にした「ニン!」とにこやかな上野さんの笑顔。
一気にひとを和ませてくれる、魅力的な笑顔だ。
laraさんが一輪の薔薇を差し出して、ひと通りのご挨拶。
今宵のチョコテルの会のメンバーは、
laraさんにカクテル・マニアなつきじろうさん、のむのむさんにMさん。
上野さんが背にしているバックバーの真ん中あたりにすぐに見つかるコロンと丸いボトルが「モーツァルト・リキュール」たち。
さてさて、どんな風に仕立ててもらったらいいのかな。
「モーツァルト・リキュール」には幾つかの種類があって、
まずは「ブラック」を使って。
ロングのグラスを並べる上野さんが口にしたタイトルは、「シトラス・ショコラ」。
ふたつのジンジャーエールから辛い方を選んで、ステアするは、モーツァルト・ブラックとジンジャーエールの出会い。
ほほー、力強いカカオな風味とジンジャーエールの辛甘い風味がくるくるとツイストしてるような、そんな呑み口が愉しいな。
そうそう、愉しいと云えば、ライムをピールするときの上野さんの所作。
ひゅっと搾ったところを追い掛けて、掌底を繰り出すように「はっはっ」と。
そう口に出してる訳ではないけれど、まさにそんなイメージのする動きなんだ。
そして、上野さんがそんなちょっと不思議な所作をグラスに施すのは歴とした理由がある。
ピールした際の果物の皮のスキンオイルには重い油と軽い油があって、重い油の方はすっと下に落ちるけれど、軽い油はそのままふわふわと空気中を漂う感じになる。
重い油の粒子は苦みを伴うのでそのまま避けておいて、漂う軽い油を寄せるように集めるように、「グラスに行きなさい」とばかりに「はっはっ」として、シトラスな香りをつけるのであります。
なるほどー。
ふと棚の左寄りをみると、緑色が個性なボトル「MIDORI」がある。
メロンなフレーバーと「ホワイト」に想像するクリーミーさがきっと合うのじゃないかなぁと上野さんに告げると、なんとその組み合わせは、上野さんがモスクワでプレゼンしたレシピに相当するものだという。
おおー(笑)。
早速そのカクテルをとお願いすると、上野さんが手にしたのがプラスチックのシェーカー。
ステンレスのものと違って柔らかいので、
クリームなカクテルや氷の破片をカクテルに残したくない場合に使うんだそう。
香港のかっぱ橋的なエリアで見つけて買い込んだというプラスチックのシェーカーを使っているのは、きっと自分だけだ、と上野さん。
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「サントリー角」や生クリームもちょっと使ったショートグラスは、
その名を「トップ・スクープ」。
ふんわり白雪のような白が仄かに緑がかっている。
すっきりと繊細なクリーミーさとメロンの風味がすっと溶け込んでいて、
想像した以上に美味しい。
うーん、なるほどー。
それでは、オリジナルな「モーツァルト」はどうでしょう、と手にしたボトルは、金色の紙に包まれている。
その、「モーツァルト・チョコレートクリーム」のボトルのパッケージは、オーストリア、ザルツブルグで名物となっているチョコレート・トリュフ、「モーツァルト・クーゲルン」がそのモチーフとなっているそう。
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モーツァルトのキャラクターを刻んだネクタイを首に揺らす上野さんが再びシェーカーをシャカシャカ振ってつくってくれたのが、カクテル「モーツァルト」。
チョコレートクリームに、黒糖っぽい蜜や生クリーム、ブランデー(クロバジェ・ルージュVSOP)、シナモン・リキュール(Kaneel likeur)、そして「ブラック」少々を添えたのがそのレシピ。
チョコレートの風味はやっぱり生クリームの生地によく合うのだけれど、それがとっても大人な奥行きのある呑み口になっていて、これまた想像した以上に旨い。
そしてさらなるエポックが、世界でも極一部の都市でしかお目に掛かれない、「モーツァルト」の新種ボトルがカウンターに鎮座していること。
それがクリームリキュールの「モーツァルト」にして、透明なボトルがクールな「Dry」。
無色透明のその滴に鼻先を近づけると、間違うことなき、カカオの香り。
口に含むと、冷たい当初はキリっとした刺激を見せるかと思うと口の中で温度が上がるにつれて、カカオ風味を膨らませてくる。
おほほー、面白~い。
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「チョコレート・クリーム」は、チョコレートヌガーにミルクとチョコを加えて、キルシュワッサーなどのスピリッツをブレンドして寝かせてつくるけど、この「Dry」は路線が違っていて、カカオを素材にしたスピリッツそのものとも云えそうだ。
ボトルについた栞には、for exciting drinksとある。
laraさんたちが行った工場見学記にも登場しているぞ。
試しに、ライムとお友達にしてみて、とリクエストしてみる。
「ギムレット」の「Dry」版でしょうか。
今度はステンレスのシャーカーを振る上野さん。
さっきよりアクセントの強い振り方だ。
粒子の揃った美しいグラスの向こうに「Dry」のボトル。
絶妙なバランスの上にのっけてくれているものの、柑橘と真っ向勝負させるのは「Dry」の持ち味を活かせないのかもなぁと自分のイメージ不足をちょと反省(笑)。
でもこの「Dry」は断然面白い。
世界のバーのカウンターで話題になっていくのじゃないかなぁ。
そうそう、お隣でグラスを舐めては、「うん、おいしー」と瞳をきらっとさせていたのがlaraさん。
laraさんの日本ツアーは、この25日(金)の日比谷・松尾ホールが皮切り(チケットはこちら)。
そして、長野から元旦・2日の岐阜、4・5日の神戸と回るそうです。
上野さんが「STAR BAR GINZA」から独立して、
「HIGH FIVE」をオープンしてまだ1年ちょっと。
でも安定したこの愉しさはなんだろう。
同じカクテルは二度と作れず、ひとつひとつのグラスと一期一会で出口がないので止められない。
そう、上野さんはにこやかに実直に話してくれる。
留学経験と語学力を活かして「STAR BAR」在籍時に培った、国際的な交流や人脈も広いのだけど、妙な気取りは一切ないのもまた突き抜けた魅力です。
「HIGH FIVE」
中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル4F[Map] 03-3571-5815
秋も深まる頃の京の都。
洛中には、紅葉の時季ともなれば大混雑を呈する名所が数多あることでしょう。
ところがなんとも無粋なことに、そんな風雅な気分を圧倒的に抑えて喰い気ばかりが先行する自分が可笑しくて(笑)。
そうは云っても、ちょっとモミジの一葉も眺めるくらいはいいではないかと訪れたのが京都御苑。
東西を寺町通り・烏丸通り、南北を丸太町通り・今出川通りに挟まれた広々とした敷地に京都御所や仙洞御所などを配していて、その周囲が木立に囲む庭になっています。
そこここに紅や橙に色付いたモミジの木々が連なっていて、さりげなくも味わいがある。
一眼カメラを肩に掛けたオッチャンたちが往き来するのもなるほどと一枚だけスナップを。
さて、御所の周りをぐるりとひと廻りして十分お腹を空かせたところで南側の堺町御門から丸太町通りに出る。
そして京都地裁の右手から辿るは、柳馬場通り。
「京都司法書士会館の脇ですよ」と訊いていた通り無事、
プチレストラン「ないとう」に到着です。
石を敷いた狭いアプローチを覗くと、洋食屋らしい木彫りコックの黒板の向こうに銀の瓦を頂いた門と絣の暖簾。
暖簾の先に、町屋を改造したという「ないとう」の家屋が板塀の隙間から窺えます。
予約の名を告げて、坪庭を臨むカウンターの一番奥へ。
さっきの板塀にも「御詫び」が貼ってあった通り、人気だったという「ランチ定食」は、19年8月で取り止めていて、今のランチどきは、セットと語尾につけた6種の黒板メニューから選ぶもの。
メンチカツなんかも旨かったらしいよなぁとぷち口惜しがりながら選んだのは、黒板筆頭の「スペシャルセット」。
折角なので(?)、グラスの赤あたりもいただてしまいましょう。
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付き出しの、焼き大根と堀川牛蒡の素揚げをアテにグラスを傾けていると、急に内藤さんがぬっと顔を突き出して、「牡蠣、大丈夫です?」と訊いた。
勿論空かさず、「うん、大好物です」と応えると、ではではとお皿に据えてくれたカキフライ。
なぁんだそふいふことなら白にしたのになぁ(笑)。
そして、可愛らしい牡蠣フライひとつが妙に嬉しいのであります。
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目の前で、車海老に衣をつけたり、デミソースをかけたりする様子を眺めるひとときも悪くない。
サラダに続いてやってきた盛り合わせのお皿には、「車海老のクリームコロッケ」に「ヒレ豚かつ」「ハンバーグステーキ」。
足をバタバタ動かしてヒレかつに乗り上がろうとでもしているかのような車海老。
その車海老は、ぼてっと腹巻をしているかのような衣を纏っている。
その腹巻部分には海老の身を含んだベシャメルのコロッケ。
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まったりした風味にじっと目を閉じてから、尻尾を齧り、頭を齧る。
パリパリと心地よい香ばしさで車海老を完食したら今度は、コロンとしたフォルムのヒレ豚かつに食指を伸ばす。
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そして粗く叩いた食感もそこそこに、脂に頼らない赤身肉の旨みを思うハンバーグ。
豚汁とライスを平らげれば、吐息ひとつの満腹だ。
京都御苑近く、柳馬場通りのプチレストラン「ないとう」。
気取りのない洋食屋であれば素敵に旨い。
ただ、三条から移転しランチを止め、定食をセットメニューに置き換えて、町の洋食屋から一角のレストランへと趣を変えようとしているようにも映る。
その上昇志向は否定されるべきことではないけれど、もう既に"プチ"の枠から外れた力量と実直なきらめきあるレストランに至っているかどうか、この日のランチでは判然としませんでした。
「ないとう」 京都市中京区柳馬場通夷川上ル西側5-232 [Map] 075-211-3900 http://petitrestaurant-naito.com/
確か二年前の秋口の頃。
夕方に「カンテサンスです、キャンセルが出たのですが、いらっしゃいますか」と連絡があった。
キャンセル待ちを入れていた事を失念していてハッとなったものの、タイミングを前後して別の予定を入れてしまっていて、已むなくお断りしたことを思い出す。
その後ますます予約困難なレストランとなったと聞き、そんなアプローチをすることもなく過ごしていました。
そこへ、個室を予約してあるそうなのでご一緒しませんか、とお誘い。
うんうん、お値段張るけど、頑張って行く(笑)。
乾杯にとお薦めの「ALFRED GRATIEN Brut」。
滔々とテーブルに置いたシャンパンについての解説をしてくれるソムリエ氏。
淀みなく細やかな早語りに聞く方がついていけなかった(笑)ものの、変わり者の爺さんが、ステンレスタンクではなく木の樽を使って昔ながらの手法で醸る泡、という辺りは記憶できた。
うん、ミネラルな感じと酸味のバランスも好みで、美味しい。
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乾杯をして受け取ったのが、有名な「白いメニュー」。
見開きの左側に、「カンテサンス」はお任せコース1つのみの形式としていることの説明が丁寧にされている。
その理由は、「食材への拘り」。
食材の管理を徹底した上で、食材の状態がピークを迎えた時に口にできるようにするために、お任せコース一本としているとある。
そして、シェフが解釈したフランス料理の定義に基づいて、大切と考える3つのプロセス「プロデュイ(素材)」「キュイソン(火の入れ方)」「アセゾネ(味付け)」をふまえたお皿たちで食事を愉しんでいただきたい、とメッセージを添えています。
無機質なプレートの上に可愛いく載ってきたのが「鴨の腿肉とリエットのビスケット」。
繊細にした鴨のリエットがはっきりした腿肉の風味に一瞬の奥行きを与えています。
黒く四角いプレートには、グラスと小さなケーキ。
グラスに鼻先を近づけると懐かしいような匂いがして、
そっと啜ればなるほどの「焼き芋のスープ」。
小さなケーキは、塩をちょっと使った、タイトル「甘くないスイートポテト」。
鳴門金時の皮廻りと中身とを使った、デザートのようでいて甘くない前菜だ。
ふたつめのグラスには、「GRUNER VELTLINER Steinleithn Geyerhof 2008」。
白葡萄品種グリュナー・フェルトリナーで造るオーストリアの微発泡なビオワインだ。
白いボウルに、クリーム色と黄色とのグラデーションをみせているのが、
スペシャリテ「塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ」。
京都から届くフレッシュな山羊の乳を使ったバヴァロアは、とことん滑らかですっきりとしたコクと風味。
そのバヴァロアを黄色く縁取るのが、
ミル・エ・ユンヌ・ユイル社というつくり手のオリーブオイル。
プレスを掛けないで自重で搾ったオリーブオイルだそうで、こんな澄んだ果実味がふくよかなオリーブオイルは初めて味わう気がする。
塩は、塩の花(フルール・ド・セル)と呼ばれる、ブルターニュ地方から届くもの。
散らしているのが、極薄切りのマカデミアンナッツと百合根。
甘みを引き出す塩に果実味で包み込むオリーブオイル、そして山羊乳の風味・コクとの三位一体がいいのだね。
ベージュの大理石の壁から切り出してきたようなプレートには、
「ポロ葱のロースととつぶ貝、剣先イカ」。
例えば下仁田葱を焦がして中身をいただくように、ポロ葱の緑の部分を白い部分に巻いて焦げるまで焼いて、蒸し焼き状態の白い部分を甘く香ばしくいただこうというもの。
ん?鮑?と一瞬思ったのはつぶ貝。剣先イカの柔らかな身とコンビを組んでいる。
周りを囲んでいるのが雲丹のソース。
有名寿司店御用達の北海道の卸から仕入れた雲丹を使っているという。
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合わせるグラスは、ロワールの「M de Marionnet(エム・ド・マリオネ)2005」。
通常よりも一カ月上も遅らせて収穫した貴腐葡萄から選りすぐり、長期間発酵。
ロワールで初めて、無農薬・無添加・無濾過で作ったワインだという。
貴腐ワインに思うようなアロマがすっきりと華やぐ感じだ。
漆黒のプレートに載って登場したのが、
「車海老に乗せた縞牡丹海老のタルタル」。
焼いた車海老の上に、生の縞牡丹海老をタルタルにしてソースとしてのせ、縞牡丹海老の殻からとったアメリケーヌを泡状にして添えている。
車海老と縞牡丹海老と、焼いた身と生の身と、タルタルとアメリケーヌと。
それぞれの要素が鮮やかに融合していて、思わず無言で食べ進む(笑)。
ウミウシのような不思議なフォルムで登場したのが「フォアグラを詰めたブリニ」。
ブリニというのはパンケーキのことらしい。
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蕎麦生地ではなくて小麦のパンケーキの中に焼いたフォアグラを詰めてある。
トッピングには、栗かぼちゃのペーストに丹波の栗。
溶けだしたフォアグラのエキスがケーキ生地に滲むように沁みています。
寄り添うは、貴腐葡萄を厳選して作られる、セレクション・グラン・ノーブル「DOMAINES SCHLUMBERGER(ドメーヌ・シュルンバジェ)」。
なるほど、フォアグラと貴腐ワインとの相性とはこふいふことをいうのだね。
一転して白いお皿でやってきた魚料理が、「螺鈿のように焼いた真鯛」。
黒い板に虹色に光る貝殻の内側を嵌め込んだ装飾をみたことがあると思うけど、
あれが螺鈿(らでん)だ。
大きなサクのまま焼いて、少し寝かせてから切り分ける。
ジューシーに光る断面をそう例えているのか、香ばしくした皮目をそう擬えているのか。
タイムの泡状のソースに、エシャロットにケッパーなどを含んだ柑橘系のソース、有機栽培のキャベツ、溶かしバターとヘイゼルナッツが囲んでいます。
波状の硝子のプレートに紅い断面で誘うのは、「蝦夷鹿の3時間ロースト」。
蝦夷鹿肉を骨つき脂つきの塊のまま、オーブンで火を通しては休ませを30回近く繰り返して、ローストに要する時間が3時間。
そうするとこんなに麗しい表情に辿りつくのだね。
弾力ある歯応えのあとに、すっと軽やかに赤身肉の旨みと柔らかなビジエな香りを運んでくれる。
シメジに、ジロール茸とトランペット茸というキノコのソースが旨みをよりふくよかにしています。
「ブルビーのフォンデュ」は、ラヴォー・ブルビー=羊乳を使ったチーズの真ん中あたりの美味しいところを卵黄とバターとでとろんと蕩けたフォンデュ状にしたもの。
付け合わせには、胡桃のトーストと乾燥イチジク。
ただカットしただけのフロマージュとのアプローチの違いを素直に愉しもう(笑)。
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グラスの底にゼリーを仕込んだ、なんとシャーベットに蕗の葦を使ったという「蕗の葦のソルベ」にリュバーブから抽出した赤と白が鮮やかな「リュバーブのジュレとクレーム・ドラジェ」。
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素朴に焼いたフルーツのようにもみえる「ブーダール」。
ブーダール峠にあったパテスリー・ブーダールのスペシャリテでレモンパイの原型にあたるものをモチーフに再構築したデザートだという。
このお皿へと至るその組み立ての物語は、原型を知らないゆえピンとこないのが残念だ。
そして、「メレンゲのアイスクリーム」。
ここでクイズタイムとなって、
「今夜のメレンゲのアイスクリームに添えた香りはなんでしょう?」。
クンクンと花を近づけると、あ、中華でもお世話になってるこの香りは、八角、スターアニスだ。
このアイスクリームはズルいぞ。
この儚げでかつ奥行きのある風味は、文句なしに美味しいもんなぁ(笑)。
若き岸田シェフが紡ぐお皿たちを目指して予約殺到の、云わずと知れたモダンフレンチの雄、「カンテサンス」。
店名の「Quintessence」とはなんぞやと問えばそれには、Webページに解説がある。
お皿の上の料理たちに描き得る本質や真髄を素直に表現し、進化させ、提供したい。
そんな気概の表れなのでしょうね。
「Quintessence」 港区白金5-4-7 バルビゾン25 1F [Map] 03-5791-3715 http://www.quintessence.jp/
新しい店を出すんだ、と「ど・みそ」店主齋藤さんから聞いたのは、たしか盛夏の頃。
「ど・みそ」の決して広くないカウンターの中に4人ものオトコがなぜに並んでいるのか、不思議に思ってみていたら、その新店スタッフの養成という側面もあってのことだとね。
新店の場所は、人形町交差点の「カレキチ」の跡。
それから紆余曲折あったのかどうか、当初目論んでいた時期からは多少ずれ込んだもののオープンの目処が立ったことがブログから伝わってきていました。
くにちゃんのオフ会で顔を合わせた齋藤店主は、いよいよなんだ!という面持ち満面。
そしてこの師走の初め、「げんまん」がオープンしました。
その、はんつ遠藤ラインから「特醤油こってりらーめん」を選んでみました。
「のり」ものっけてもらいましょう。
径の小さめなどんぶりに、太めの白髪に刻んだ葱や青菜がこんもりと盛られ、そこへ二枚のチャーシューが寄り添って、あしらいは木耳か。
スープをじっとみると、背脂を浮かべた表層を覆うように脂の層がなしている。
こりゃ見かけによらずググッとこってりだったりしてと、レンゲを動かしスープを啜る。
と、そんな想像に反して、すっと味わえる濁りなき醤油スープ。
背脂の甘さを品よく愉しめるノリで、どこか懐かしいような、どこかで食べたことがあるような、どこのものでもないないような。
はんつさんのことだからもしかして、無化調でプロデュースしてたりするのかしらんと思ったりする。
そんなスープの中からぐいっとひっぱり上げたのはご存知「開花楼」の麺。
ぬらぬらっとスープを纏った姿は、なんだか官能的にも思う光景になる。
インパクトの点では正直ちょっと心配だけれど、力強い「開花楼」の麺を逆に絡め取るかのように一体となってひたひた迫るところにスープの地力を思うのでありました。
心配といえば、オープンキッチンの真ん中でテボを振る彼。
オープンし立ての店のオペレーションは相当キツイとは思うけれど、そんな心身の困憊が表情にも現れてしまって、倒れやしないかと。
それとは対照的に、周囲のスタッフはどこかのんびりしていて「待ち」の姿が少なくない。
きっと齋藤店主が、こういう光景にでくわしたら𠮟責しているに違いない。
連夜の人形町交差点(笑)。
今夜は、「ど・みそ」ラインからなにかを啜りたいとやってきました。
このあたりからいってみようかなぁと選んだのは、「ど・みそ」ボタンの一番最後にある「濃厚ごまみそ担々麺」。
確か、「ど・みそ」の日祝限定らーめんだったンじゃないかな。
やってきました「ど・みそ」らしい濃厚濃密さを湛えたスープのどんぶり。
頂上には挽肉のそぼろ、裾野には小海老の赤。
こちらももやしでなくて、長葱がキーのトッピングになっています。
むんずとたっぷり麺を箸に載せて、ずぼぼと啜ればなるほど、どーだ!とばかりに濃いぃ胡麻味噌スープと負けじと踊る開花楼麺。
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この安定感たるやと組んだ腕を解いてまた、ずぼぼ、ずぼぼ。
加減よく、じわじわと襲う辛み。
オープン日に同じどんぶりを啜っていたくにちゃんによると、ここに使っている胡麻ダレやラー油は、かの湯島「阿吽」のコラボものらしい。
こんなにとろんと濃厚で辛めなスープなのに、結局全部飲んじゃった。いかんいかん(笑)。
濃厚さに秘めたスープの旨みがそうさせるのでありましょうか。
祝開店!「ど・みそ」×はんつ遠藤プロデュースのらーめん店「げんまん」。
極端に云えば、自分ひとりがいればカタチとしては成立してしまうラーメン店。
それゆえ、店主の個性が発揮されて、その個性が魅力の源泉となることに疑いはない。
ただ、そのヒト、店主はただひとり。
常に自分がいないカタチの新しい店をどう、「ど・みそ」の味と気概とが宿った店にするか齋藤店主も苦慮したに違いない。
ここ「げんまん」には是非、本丸「ど・みそ」を凌駕するような店を目指して欲しいな、なんてことも思います。
口関連記事:
らーめんダイニング「ど・みそ」で クドサなき特みそこってり量感麺(07年03月)
らーめん「ど・みそ」で 手書きチケットでオロチョンすーぷの輪郭(08年09月)
四川担担麺「阿吽」で 担担麺基本形すぐさま飛ぶ連想は小洞天(08年09月)
「げんまん」人形町店 中央区人形町3-7-11 三福ビル1F [Map] 03-6661-9921
ご無沙汰していた、キッチン「ぼらぼら」。
その前を通る度に、店の前でテイクアウトの品を待ちわびる人影がいるのを眺めていました。
改めて見る、コテで化粧した白い壁とパステルな印象の煉瓦で構成するファサードの意匠は、街のパスタ屋さんの風情によく似合っています。
それぞれの席の正面にモレなく茹で玉子がちょんと置かれているのも「ぼらぼら」のお約束。
コンコンと殻をカウンターで叩いて、ツルンと剥いて、塩少々でペロっと平らげて、コールスローが半分ほどになったところへお皿が届きます。
やや細い、という印象の麺をフォークで巻き取るようにすると、ゴムの弾力のような気配をさせながら決して伸びたりしない、不思議な手応えがする。
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適当な量の麺を口の中に滑らすと、クニクニとした歯応えとその芯に太いアルデンテの部分を保っているかのような剛性とが併存している、これまた不思議な食感のする。
もうちょっとケチャップ色が濃いのが「ナポリタン」らしいかもなぁと思いつつ、卓上の粉チーズをスプーンでふりふりして、またひと口。
あれ?ずっとこふいふ麺だったかなぁ。
和風かインド風かの「カレースパゲッティ」という手もあるけれど、
「ぼらぼら」の不思議食感の麺を愉しむには、
「タコのペペロンチーノ」や「たらこスパゲッティ」もまた面白い。
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もっと茹でたらどうなるのだろうと想像しながら、麺同士がちょっと絡まる、時折みせる焼そばの麺的表情を愛でる感じに啜り、巻き、咀嚼する。
んー、個性だ(笑)。
独特麺の食感が今日も客を呼ぶ、キッチン「ぼらぼら」。
ステンレスのトレーの中で布巾に包まれた乾麺は、訊けば、自家製手打ちだという。
いつぞやの小麦高騰が切っ掛けとなって、この麺に辿り着いたらしい。
そっと扱う、その掌に慈しむような優しさを感じました。
「ぼらぼら」 中央区湊1-2-12 [Map] 03-3555-0132
奥沢の駅を降りて、自由通りを自由が丘方向へ少し行くと、フランスの国旗が視界に入ってくる。
その旗の主は、2階に席を持つbistro「Le Sourire」なのだけど、今日の目的地はそちらではなくて、1階にCafeの入ったその建物を目印にして右に折れた路地の店。
雨垂れにちょっとくすんだ半ドーム型のテントが迎えてくれるのが、「ヴィコレット」だ。
加減のいい小じんまり感と細かいところまで配慮の行き届いた感じが和ませてくれます。
A、Bとある「BRANZO」からAを選んで待っていると、
まずやってきたのは、カラフルな前菜のお皿。
シェフの実家があるという、愛知・岡崎から届いたという「自家製生ハム、おばあちゃんが育てた野菜たち、本日の鮮魚、季節の野菜のスープの盛り合わせ」。
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生ハムを下敷きにして、赤玉ねぎや玉ねぎ、イチゴピーマン、パプリカにムース、カラシ菜、ルッコラ、ロメインレタス、ベビーリーフなどなど。
ちょっとづつ野菜たちの味が濃いぃように思うのは、気のせいではなさそうだ。
3種類の中から選らんだパスタは、
「三河湾直送 アカシャえびとほうれん草のクリームスパゲッティ」。
ぼうずこんにゃくのオッチャンの銘図鑑「市場魚貝類図鑑」によると、三河湾周辺を中心としたエリアでは、アカエビ属の小エビを総称して「あかしゃえび」と呼ぶらしい。
いわゆるエビせん、にも相通じるような香ばしさを愉しみながら啜る、そんなパスタであります。
デザートに熟れ熟れのいちじく!
シャーベットのいちじくと交互に口に含んでは、完熟無花果の甘さと独特の香気に思わず目を閉じる。
ちょっとオンナノコ気分の不思議な感覚が過ります(笑)。
四季折々の味わいと食材、特に岡崎の野菜にこだわっているというレストラン「ヴィコレット」。
おばあちゃんが育てた野菜が美味しいレストラン、
という謳い文句もきっとひとつの顔を示してる。
でも、別の顔もいろいろありそうで、その辺りを探りにまた訪れたいな。
「VICOLETTO」 世田谷区奥沢2-10-6-101 [Map] 03-3725-3436 http://www.vicoletto.com/
大阪高裁もほど近い西天満の一角。
通りすがりにみた「せいろ蒸し料理」というフレーズに惹かれて暖簾に向き合います。
きっとカウンターだけのお店だろうことが窺えるコンパクトな間口。
その幕板に立て掛けた一枚板には、「三色せいろ」云々といった文字が並んでいます。
その前には、枡状の蒸籠の子分が10段にまで積み上げられています。
「三色せいろ」は三色といいながら、四色にも映る。
それは、対角に並んだあさり、鮭、鶏そぼろの両脇を錦糸玉子が飾っているから。
そのまんま杓文字で掬って、フーフーして、ハフホフとすると、
じわんじわんと滋味が沁みてくる。
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脂っけの甘さとはベクトルの真逆な、ホクホクしながらしっかりした味わいがいい。
その2ヶ月後に再訪する機会に恵まれました。
今度は、「きざみ焼き穴子せいろ蒸し」。
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一見、刻んだ竹輪がわらわらと盛られているようにもみえる、長方形の蒸籠。
それは、たっぷりとした量感が嬉しい穴子の身たち。
ふっくらとした食感でなく、ぐっと締まった身質の焼き穴子は、一片一片がホレホレと実直な旨みを主張してくる。
タレの味の濃さみたいなところは、その下のご飯に仕込んであるんだ。
胃の腑がホカホカとして、額に汗が滲んできて、身体全体が温まっているのが判る。
寒空の冬場にはもってこいだよね。
お昼どきにはせいろ蒸しご飯があれこれいただける、せいろ蒸し料理「三原」。
お品書きにはこれら以外に、「すき焼き」「牛肉そぼろ」。
Gingerちゃんには、「豚ロース生姜」のせいろ蒸しをリコメンド。
鹿児島霧島産の鰻を使った「鰻せいろ蒸し」はまたの宿題だ。
「三原」 大阪市北区西天満4-10-24 不動ビル1F [Map] 06-6364-4970
八雲の図書館で午前中を過ごして、さてどこかでお昼を摂りたいなと考えて浮かんだのは、以前お邪魔した「わさ」ならきっとここから遠くないだろうこと。
図書館の前を西に進んで、自由通りにぶつかったところで目黒通りに向かってちょっと行けば「わさ」の前。
席は空いているかなぁ。
扉を開けようとすると、ちょうど中からおふたりの先客が食事を終えて出てくるところ。
入れ替わるようにカウンターの隅へとお邪魔です。
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例の、黒板プレートには14品が並んでいます。
その中には前回、冬の季節ものとして気になっていた牡蠣料理がある!
早速その、「カキの四川風」をお願いしました。
北京鍋で揚げ焼した牡蠣の身に、たっぷりと刻んだ葱や丸い容器に用意した粉末状の食材、調味料を手早く組み合わせ、四川風のソースにして絡める手練。
さーっと注ぐ、プラスチックのボトルに入っているのは、なんだろな。
香菜をあしらって手渡された「カキの四川風」のお皿。
ぶりっとした量感がそのフォルムから窺えるようで、さらに期待が高まります。
火傷しないようにフーとしてからそっと噛めば、揚げ焼きの外郭で包み閉じ込めた旨みがそれここだとばかりに弾けるように広がってくる。
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ソースの辛み、酸味、甘み、香気、とろみがその旨みをぐいっと高みに押し上げてくれる。
うへへ、堪らん堪らん。
ビール呑んじゃいたい(笑)。
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もう一品お願いしていたのが、「咸魚炒飯」。
ハムユイがもたらしてくれる発酵モノの魅力をフィーチャーしたチャーハンだ。
カウンターに置いたふたつの円筒形のタッパーのひとつから摘まんで北京鍋に投入したのがそのハムユイ。
過日いただいた「葱炒飯」でも堪能した葱の甘い香りと交差するように、ハムユイの匂いが鼻腔を擽って、一段濃厚な旨みがその後を追ってくる。
うへへ、クセになるお味、と申せましょうか。
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お皿の横にのせてくれているのは、そのハムユイの骨を素揚げにして解したもの。
カリシャクと軽快な歯触りの変化をつけてくれる、面白いアイテムだ。
八雲の住宅街にカウンターで魅せる中華レストランは、環の中に「さ」と書いて「わさ」。
11月の半ばから、平日のランチを休んで夜の部の営業を延長することにしたそう。
今回もなぜに「わさ」なのか訊き損なったので、また行かなくちゃ。
口関連記事:Chinese restaurant「わさ」で 冷製トマトとビーフン鮎春捲葱焼飯(09年08月)
口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」
「わさ」 目黒区八雲3-6-22 [Map] 03-3718-2232 http://wasa.main.jp/
'11/04/23(土)by:まさぴ。さん
Re:ぽんちゃんさま
口 鳥「宮川」で桜の下でもいつもの行列から揚げ定食もつ丼もいいどーも、ご無沙汰です。
「宮川」は、茅場町・八丁堀界隈に勤めているヒト、勤めていたヒトにとって、思い出しては足や想いが向く日常の旨いもん屋ですもんね。
ずっと頑張ってる店も多いながら、残念ながらなくなってしまった店もあって、変わってないようで随分変わってますよ。
'11/04/22(金)by:ぽんちゃんさん
萱場町の~“宮川”・・・。
いやぁ~懐かしいですよぅ~っ!
♪
ランチタイムの定食「唐揚げ」
いやぁ~懐かしいなぁ~っ!
刻み葱を浮かべた「鶏ガラスープ」
いつも最低でも~3杯くらい頂戴してました
最後の「店舗界隈」の画像も
口 Café「BAZAR」で片手にTrumerホースラディッシュでFrankfurterメッチャ懐かしく拝見させて頂きましたヨ
'11/04/20(水)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口 Café「BAZAR」で片手にTrumerホースラディッシュでFrankfurter老舗のリラックスした雰囲気!まさにそんな余裕とふところがあるよな空気でした。
古くからの気の置けない社交場は、いろんな使い方をされてきたのでしょうねー。
いってらっしゃーい(笑)。
'11/04/20(水)by:laraさん
まさぴ。さま。
リンクありがとうございます!相方に変わってお礼申し上げますm。。m
この古きウィーン風カフェは、意外とビジネス関係でも使われる事で有名なのです。昼下がり、ビールやワインを傾けながら一見和やかに丁々発止、もよくある事らしいです。
口 洋食「さんばん」で イケるナポリタンにしょうが焼き長嶋の背番号そんな私も今日の午後はまさにここで話し合い。初めてサシで会う方との緊張をほぐしてくれる、老舗のリラックスした雰囲気を味方にしてきます〜(笑
'11/03/10(木)by:まさぴ。さん
Re:イートナポさま
口 洋食「さんばん」で イケるナポリタンにしょうが焼き長嶋の背番号そうなのですー。
ナポちんもご存知、武蔵小山の「さんばん」と繋がってました。
大山からの帰りにそんな話もしたのだけれど、きっと覚えてないなと思ってた。
泥酔モードだったもンね(笑)♪
ウーロンハイないけど、タイミングがあえばご一緒しつ。
'11/03/10(木)by:イートナポさん
武蔵小山の姉妹店があったんですね!
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライこれは行かねば!!!
'11/03/06(日)by:まさぴ。さん
Re:イートナポさま
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライおお、幾多のナポの中にあっても、記憶の隅っこにずっとあるとは♪
ビバ焦げ焦げ(笑)。
どこかシャイなオッちゃんオバちゃんが醸す雰囲気も印象的だよね~。
'11/03/06(日)by:イートナポさん
もうずいぶん前に行ったのに、なぜか記憶にこびりついてる木の葉のナポ。
焦げ焦げ感がばっちりです!
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライあのお店の雰囲気も一朝一夕では出せないですね。
'11/03/04(金)by:まさぴ。さん
Re:Gingerさま
口 洋食「木の葉」で 鉄板のっけでいただくしょうが焼きにカキフライgenau!その通りです~♪
残念ながらカキフの季節もそろそろだけど、どこかにそんな店ないかなぁ。
'11/03/03(木)by:Gingerさん
カキフにナポにしょうが焼き
3人で行けば良かったね(*^_^*)