ミュンヘン空港のターミナル1。
時計と睨めっこしながら足早に、
広い広いターミナルを縦断するように進みます。
目的地は、ターミナルの端っこ、エア・ベルリンのカウンターの向かい側。
ドイツの高級食料品やケータリングで有力な「Käfer」が営むビストロでブランチしちゃおうという魂胆なのであります。
ひと影もまだ疎らで、そんな静かなざわめきの中、右手のテーブルへ。
早速、ヴァイスビアのグラスを所望します。![]()
やってきたのは、「ERDINGER(エルディンガー)」。
Erdinger Weissbräuは、ミュンヘンを州都とするバイエルン州、バイエルン地方を代表するヴァイスビアの醸造所。
鼻先を寄せると、ふわっと華やぐような香りがして、傾けたグラスのあとには、どこかクリーミーにも思う爽やかな甘さに包まれる。
好きだなぁ、こふいふの。
そして、時間はまだ十分に午前中(呑んでるけど、笑)。
そうとなれば、これをいただかねばなりません。
機上のクルーもこれを目指して操縦桿を倒すとか倒さないとか。
どうもヴァイスビアとセットで考えてしまう、ヴァイスヴルストWeißwurst。
ナイフをこう入れてとのご指南に従って、ソーセージの横腹にすっと切れ目を入れ、そこから半ば剥ぐようにケーシングを除きます。
微塵切りしたパセリの混じるあたりの表情を愛でつつ、まずはそのまま齧ると、どこか遠くに檸檬のような香気がして。
ブリュンとした食感は、作り立ての鮮度を思わせて、ただただ真っ直ぐな旨さのする。
これまたバイエルンの甘いマスタードWeisswurstsenf をちょんと載っけていただくのもまた、オツなもの。
もちろん、そこにはプレッツェルBrezelが添えられていて。
薄く絶妙にサクッとした表皮に塗した塩の粒がまたまたヴァイスビアを誘うのが不思議です。
ヴルストには、焼きソーセージNüernberger Rostbratwurst もある。
ジューシーに滴る脂とちょっとスパイシーな香ばしさ。
付け合わせの定番ザワークラウトは酸味穏やかで、流石なる仕立ての良さを想います。
そして、「Unions Bräu」でも縁のカリカリが絶品!と感心した豚肉料理、
KrustenSchweinsbraten(クルステン・シュヴァイネブラーテン)もいただいてしまいます。![]()
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ほらほら、旨そうなカリカリが柔らかな豚肉を縁取っているでしょう。
ちょっと塩辛っぱめのソースとの相性もよろしく、カリカリ食感もアクセントにしつつ、するすると平らげてしまうのです。
あ、ヴァイスビアのお代わりを(笑)。
ミュンヘン国際空港の隅っこで、
上等なミュンヘン伝統料理がいただける止まり木「Käfer Bistro」。
"Käfer"は、"かぶと虫""てんとう虫"。
ほぼ全店の「ケーファーショップ」で「Käfer」のデリカを取り扱いしている三越のWebサイトによると、幸運を呼ぶ虫、てんとう虫が「Käfer」のシンボルマーク。
ケーファー社は1930年創業で、ポール&エルゼ・ケーファー夫妻が開いた小さな食料品店がはじまり、だそうだ。
口 関連記事:
Biergarten「Unions Bräu」で 蔵の麦酒とクセなき雄鹿のロースト(11年01月)
「Käfer Bistro」Terminal 1
Terminal 1 Abflug A vor der Sicherheitskontrolle Ebene 04 Terminalstraße West 85356 Flughafen München [Map] +49 89 975-9 33 00
http://www.feinkost-kaefer.de/japanese/
紅い観覧車を見上げながら、
梅田のHEP FIVEの脇を往く。
ひょいと右に折れて、
HEP NAVIOの裏の路地を抜けるのもいつものルートのひとつ。
その路地にあるのが、
昼に夜にとお邪魔しているラーメン「揚子江」。
気がつけば、大阪で一番お世話になってるラーメン店かもしれません。
路地の逆側には「一風堂」梅田店があって、いつも賑わっている。
でも結局、まだ一度もここの「一風堂」には入ったことがありません(笑)。
居酒屋半分の新御堂脇のお初天神「林記」や東通商店街の「名門」、兎我野町の「林記」には寄っているのにね。
そうそう、ここ「揚子江」本店の個性のひとつが、このステンレスを曲げたカウンター。
無機質なステンレスの板が積年のくすみで味わいを滲ませて。
ふと、今はなき池尻「まっち棒」のカウンターを思い出す。
このカウンターはきっと、あんなコジャレデザインが提案されるずっと前からあるのでしょうね。
「五目ラーメン」や「チャンポン」も気になりつつも、注文するのはいつも「ラーメン」。
シンプルなのが「揚子江」のラーメンだ、という想いもあるけれど、呑んだあとの小腹を抱えてお邪魔することが多いからという理由も否定できません(笑)。
澄んだスープをひと口して、妙に安堵して、肩の力がふっと抜ける。
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柔っとした細麺をひと頻り啜ってから、卓上の「揚タマネギ」を投入します。
容器の蓋にテプラで示す、スプーン一杯が適量とする要領を忠実に守って、揚げタマネギの香ばしい甘さの加わったスープの魅力と変化を愉しむのです。
菊菜(春菊)の青みもこのスープなればこそのトッピングでありますね。
大阪の人々の秘かなソウルフードのひとつではないかと勝手に思うラーメン「揚子江」。
ともすれば油脂や塩分が過剰になりがちなドンブリの景色はどこ吹く風の感じがいい。
ずっと変わらずにそこにあって欲しいお店の一軒です。
口関連記事:
揚子江ラーメン「林記」 で菊菜載るアジアンなワンタンメン(08年02月)
「揚子江」本店
大阪市北区角田町7-17 東宝OSMビル1F[Map] 06-6312-6700
旧市街からザルツァッハ川に沿うように北へちょっと行った辺り。
Müllner Hauptstraßeが、Lindhofstraßeへと左に大きく弧を描く交差点。
行き交うトロリーバスの向こうに眺める何気ないベージュの建物がこの日のランチの目的地。
壁に縦書きした看板が茜色に白抜いて示す店の名は、「esszimmer.」。
ドアを押し、店の中に一歩足を踏み入れると、
外観の愛想からの予想を裏切る、シンプルに洗練されたフロア。![]()
目の前を走るトロリーバスのパンダグラフが架線を擦る音もなく、静かで穏やかな雰囲気だ。
まずは、仄かなピンクが綺麗なシルヒャーの泡から。
「MENU ESSZIMMER」から、前菜のみっつのカップ。
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意外と濃い味仕立ての雉子のコンソメと人参ペーストに載せた帆立、鹿のタルタル。
長方形に切り出したような黒い石のプレートに載せられてやってきたのは、鮪のマリネ。
その下に敷いているのは、saddle of veal。
子牛の鞍のあたりの部位の肉のことだそう。
日頃食べ慣れた鮪の赤身は、こちらではちょっとキッチュな食材なのかもなぁと思ったり。
酢漬けした赤キャベツと一緒にトッピングされているのは、ビーツの甘いチップスだ。
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「esszimmer.」のメニューの特徴は、お皿それぞれに対してオススメのグラスを用意してくれること。
そんな鮪のマリネと子牛とのプレートには、
「Weissburgunder Klassik 2009,Gross,Südsteiemark」。
垂らしたオリーブオイルに岩塩の欠片を載せて齧るバゲットと交互に愉しみます。
微かに翠色がかった泡ソースに包まれてやってきたのは、柔らかな魚の白身。
大鮃(オヒョウHalibut)というカレイの仲間だそう。![]()
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紅い彩りを添えてくれているのは、ビーツの根っこ。
そして、エスプーマちっくなソースを仄かな緑色にしているのが、Wasabi。
ホースラディッシュなどでなく、山葵であることが嬉しくもなんだかちょっとこそばゆい。
これなんだろね?と思うムースというかパテというかは、グリューワインの入ったマグロの。
これが、おりょりょと思うほど旨くてびっくり。
買って帰りたい感じ(笑)。
メインのメニューにふたたび目にしたのが、"Saddle"の文字。![]()
子牛の鞍のあたりの部位のお肉の柔らかグリルがロール状にして中央に。
癖のない真っ直ぐな旨味が溢れ出るように口腔に広がって。
それと並んでロール状なのが、オーストリアの代表的なスイーツのひとつ、シュトルーデルstrudelをモチーフにした料理。
くるくるしてサクカリの衣とそれで包んだソテーとの相性やよし。
お供は、「Roter Veltliner -alte reben 2008」の赤だ。
デザートをあれこれ盛り込んでくれたお皿には、
ちょっとビターなものやキャラメル風味のものなどなど。
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仕上げに一杯いかがですかと、透明ボトルにキルシュguglhof wildkirsch。
舐めるようにいただいても、利いてしまうのですね(笑)。
新しい工夫への気概と気鋭を想うレストラン、「esszimmer.(エスツィンマー)」。
"ess(essen)"="食べる"+"zimmer"="部屋"で、"esszimmer"。
シェフのアンドレアスが用意するメニューの、例えば「MENU GREEN」にはこだわり野菜の5皿があったりする。
きっと季節を変えては訪れる常連さんも多いことでしょう。
音楽祭の時季には予約も難しくなるようです。
「esszimmer.」
müllner hautpstr. 33, Salzburg[Map] 0 662 / 87 08 99
http://www.esszimmer.com/
入船の焼き鳥「さくら家」の並び。
以前ここには、別の中華そば店があったような気もします。
一瞬、″ロンバケ″のロケ現場として一時話題になった「萬金」がなくなってしまったのかと思うも、「萬金」のある筋とは違うよなぁと思い直す。
ひと目を惹く橙地の看板には、「掃部介」というどこか由緒のありそうなお名前が。
なんと読むのでしょう。
そうか、かもんのすけ、と読むのだねと看板を見上げつつ、暖簾を払います。
間口から想像する通りのカウンター。
いつもどうも!と、初めての訪問であってもそう歓迎してくれます(笑)。
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メニューには、スタンダードに思う中華そばのラインナップとそれに沿うようなつけ麺4種類。
まずは葱好きを誘う限定品、「ねぎラーメン」からお願いしましょう。

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そのドンブリは、丁寧に刻んだ白髪葱をこんもり盛った素敵な見映え。
ちょっとしたオトナの辛みと香りを摘んで、麺と一緒に啜ります。
スープは、野菜の旨味甘さもふんだんに抽出した感じの懐かしくも優しい仕立て。
つるんとした麺との相性もよく、食べ飽きしない和みの一杯と云えましょう。
辛い風味も欲しい時には、「ピリ辛みそラーメン」。
ベースのスープがもつ一種の甘さは、ピリ辛い刺激を受けて、奥行きのある味わいをもたらしてくれます。
お隣のオヤジさんが啜っていて気になったのが、「もやしラーメン」。![]()
厨房の大将の所作を眺めていると、市販品でいうところのもやしひと袋まるまるを麺のテボと並べたテボに投入して、ささっと湯掻く。
そうして、たっぷりともやしをいただけるドンブリとなる。
某「二郎」となにかを争うつもりは毛頭ない、甘露なコクの中に優しさと穏やかさの滲む一杯だ。
入船で密かな人気の中華そば、その名も「掃部介(かもんのすけ)」。
命名の訳を訊いたらば、ずっと昔この界隈に掃部介と称する人物の屋敷や蔵があったことに由来するそう。
柔和そうな大将は、お店にカモン!なんて言葉の響きも考えて、とニヤリ。
思い出しては時折足を向ける、そんなお店になりそうです。
口 関連記事:
やき鳥「さくら家」で ピンク刺し豆ヒゾー寒雀おばあちゃんの笑顔(09年01月)
「掃部介」
中央区入船2-2-2 志村ビル1F [Map] 03-3551-0393
「MAIMON」で思い出すのは、駒沢通り沿いのアーケードに出現した"Oyster Bar"というフレーズ。
もう10年くらい前のことになるかもしれません。
狭い間口ではあるものの、煌びやかなディスプレイが印象的でした。
そんな「MAIMON」恵比寿は、いつの間にか移転して、大箱飲食店ビルの最上階に。
グループの「IMAIYA」のあとを引き継いた、ゴージャスなインテリアのオイスター・バーとなっていました。
夜の営業前の陽射しの射す中、
ウェルカムにいただいた泡越しに見上げる高い天井。
第2回を迎えた「東日本カキ産地支援復興対策会議」の隅っこに参加するため、会場提供してくれた「MAIMON」へとお邪魔した次第であります。
「MAIMON」さんのさらなるウェルカムは、
カクテルグラスに飾られた牡蠣、その名も「マイモンダイヤ」。
それは、北九州豊前海産の、なんと「MAIMON」の自社ブランド。
あっさりしつつ、清澄な旨みを湛える感じの真牡蠣。
季節によって産地を変え、おのずと味わいも変わっていくとするブランドのようだけど、みずからのブランドを持つオイスター・バーなんて、他に知らないよね。
白ワインをいただいたところに到着したのは、持っているには重そうな大きなトレー。
こちらが本日のチャリティオイスターの牡蠣、「春香」だ。
岩牡蠣「春香(はるか)」は、島根の沖合いに浮かぶ隠岐の産。
日本で一番最初に商業化した岩がき、だそう。
海士町の海士(あま)いわがき水産が供する「春香」は、玄人筋も一目置くブランドという。
ちょこっと檸檬を搾っていただく印象は、真牡蠣と岩牡蠣の間のような。
クリアな滋味を仄かなクリーミーさの気配が包んでいて、そこにバランスと品を想う。
「春香」は三年もので、二年目に"耳吊"と呼ぶ工程で手間をかけるのも特徴のひとつ。
それぞれが互いに接着したような状態で垂下ロープに付着した牡蠣をひとつづつばらし、牡蠣ひとつひとつの蝶番の先端に小さな穴をあけ、そこへテグスを通して放射状になるように垂下ロープにふたたび固定する。
そんな大きな手間をかけて、育成の密度を調整し、牡蠣に万遍なく栄養が廻るように。
そうすることで、プランクトンの多い海域を敢えて避け、清澄な海域を選びながら、幻の、とも呼ばれる牡蠣を育んでいるのだそう。
そんな「春香」に「MAIMON」の5種類のソースからオススメの薬味ぽん酢を垂らしてみる。
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うほほ、なるほど、途端に旨みの輪郭がよりくっきりとして、ちょっとした変化も愉しめる。
と、いうことで、もうふたつください(笑)。
「マイモン」「春香」と白のグラスをひと廻り味わったところで、
ミーティングにするんと移行します。
復興取り組みの状況や実施イベントの報告、主だった企画提案の内容・進捗を共有し、会議第1回以降に集まった義援金の使い方を決めたり、これからの会議あり方をあれこれ意見交換したり。
結局、予定時刻を大きく上回る、会議&チャリティオイスターとなりました。
三陸を代表する名産品の牡蠣で、三陸の自活への路を少しでも手助けしたい。
会議の様子や取り組み内容は、随時、日本オイスター協会特設サイトに掲載されます。
復興牡蠣オーナーも着実に増えています。
恵比寿、銀座、そして大阪・梅田に展開する、
スタイリッシュOyster Bar&Charcoal Grill「MAIMON」。
夕闇とともにそのラグジュアリーな雰囲気がきっと華開く。
正規の営業時間にもお邪魔しなくっちゃ。
「MAIMON」恵比寿
渋谷区恵比寿南2-3-14 CONZE恵比寿7F [Map] 03-3715-0303
http://www.secret-table.com/brand/maimon/
茅場町で唐揚げの店と云えば、
まず真っ先に名前の挙がるのが「宮川」でしょう。
いつも当たり前のようにできる、空席待ちの行列。
それなりに離れた場所からランチにとわざわざ足を運ぶひとも少なからずいるのじゃないかな。
桜の彩りが通りを満たす頃、たまには暖簾を払おうと、行列ができるちょっと前にお邪魔しました。
そうはいっても、既にほぼ満席の店内。
空いていたのは、カウンターの一席のみでした。
椅子に腰掛けながら、唐揚げ!っと注文を伝えます。
大きなステンレスのトレーにこんもりと盛られているのが、丹念に粉を纏った鶏の身。
大きな鉄鍋ふたつが並ぶコンロの上で、じゅわじゅわとどんどんと揚げられてゆきます。
それを鶏ガラ出汁を湛えるスープを啜りながら眺めるひと時は、悪くないもんですね。
さぁ、いつもと同じ表情で、「から揚げ」がやってきました。
やや粉を噴くようにした衣は、さくっとかりっと。
齧ればみるみる鶏の身の脂が滲んで、旨みが炸裂します。
おそらく、八割方のお客さんが「から揚げ」オーダーなのじゃないかなぁ。
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薬味の葱を浮かべたタレは、一種の三杯酢のような例のヤツ。
この、ほの酸味が油&脂な唐揚げのオイリーさを軽くし、魅力を高めてくれているのです。
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たまには別のお品書きにも、と久々に食指の伸ばしたのが、「もつ丼」。
レバと砂肝だけのドンブリですけどよいですか?と確認される。
も、勿論、よろしいです(笑)。
ここでは、レバーではなくて、"レバ"であります。
云われたまんま、レバと砂肝だけの直球鶏もつ焼き丼。![]()
酒呑みは、すぐ燗酒でも冷やでもいいなぁなどと一瞬考えてしまうけど、
いやいや、ドンブリものとしても以前から秘かなファンなのです。
苦手なひともいるかもしれなけどね。
桜咲く季節にも酷暑の夏にも行列をつくる唐揚げ名物の茅場町・鳥「宮川」。
夜の部の「しゅうまい」はじめ、「から揚げ」だけのお店じゃないことはきっと、周知のことだと思います。
口 関連記事:
鳥「宮川」で酸っぱいタレでいただくサクカリの衣と鶏の旨みと脂(05年10月)
「宮川」
中央区日本橋茅場町3-5-1 [Map] 03-3668-7080
ドゴーン!ゴゴーン!
耳を劈くような轟音が街中に響きはじめたのは、
日本で云うところの大晦日。
ザルツァッハ川の川辺から対岸を望むと、
丘の頂付近やその対面に立った兵士たちが構える大砲の如き銃が繰り返し火を噴いて、その衝撃が直接伝わってくる。
遠くホーエンザルツブルク城からも競うように砲撃が繰り出されています。
耳栓状態で(笑)、どこからともなく集まってくる人並みに紛れ、サンクトペーター教会にやってきました。
しんしんと冷える中、厳かなる教会のミサに潜り込むように。
カタチは様々なれど、神様はひとつ、となんとなく思い付く。
洗礼や特段の信仰がなくとも、いまあることを感謝しなくっちゃ、ってな気分になってきます。
教会を離れて、早足で向かったのは、祝祭劇場の裏手辺り。
聳え見上げる岩盤の上に見える建物は、校舎の類らしい。
祝祭劇場が刳り抜いているのと同じ、メンヒスべルクの丘を擁する岩盤の高い壁を刳り抜いた穴蔵居酒屋なのです。
満席なのだろうなぁと席の様子を窺うようにすると、ちょうど入れ替わりのお客さんがある。
幸運にも、数段の階段を降りたフロアの隅っこに席を得ることができました。
見上げる天井は、如何にも岩盤を刳り抜いたことを示す岩肌。
それがカラフルな紙飾りに飾られています。
思いがけない方向にいるひとの話し声が反響して、妙にはっきり大きく聞こえ、そのざわざわが次第に増幅するようにも思えます。
やっぱり麦酒をいただかなくちゃと、早速。
グラスには、呑み過ぎて膨れたお腹を擦りながらジョッキ片手にするオジサマのエンブレム。
そのオジサンは、フランシスコ派の修道士、とのこと。
Franziskaner Weissbier(フランツィスカナー)のヴァイス・ビアだ。
どこか、バナナに似た甘い香りを想いつつ、くくーっとグラスを傾けます。
ぷはー(笑)。
もうすっかり夜だから白ソーセージはないのだよね、と洒落のつもりで訊いたらば、
なんとあるらしい。
そ、それって掟破りなことなんじゃないのん?とか思いながらやっぱり注文んでしまいます。
耐熱カップにちょっと窮屈そうに泳ぐ二本の白ソーセージ。
ずるつると皮を剥がしてから、たっぷり添えてくれている甘いマスタードをちょこんと載せて。
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んん、いつぞやミュンヘンでいただいたヴァイスヴルストとは、明らかに何かが違う気がする。
やっぱり、正午以降、それも暗くなってから鮮度命の白ソーセージをいただくというのはイケナイことなのかもね(笑)。
それじゃぁってことで今度は、グーラッシュで煮込んだヴルストを所望します。
ああ、パプリカの風味にトマトの酸味、そしてグリーンペパーのピリ辛。
ちょっとまったりし過ぎちゃった気がしないでもないけど、ソーセージとの相性ばっちり。
パンをもらって、ソースをこそげなくっちゃ(笑)。
ほら穴居酒屋とひとは呼ぶ、刳り抜いた岩盤にあるausschank「Resch & Lieblich」。
今宵もきっと、ざわめきの響く穴蔵で愉しい語らいの宴が開かれているのでしょう。
「Resch & Lieblich」
Toscaninihof 1a Salzburg [Map] 0043662 843675
三月から暦が替わって卯月となると、街中のお食事処のお品書きから牡蠣の文字が消えてしまう。
それは、なにかの約束事かのように途端に。
真牡蠣の旬は冬だというのが通り相場になっているし、市場での扱いとの兼ね合いもあるのでしょうね。
確かに旬の時季にいただくのが、旨くて鮮度も高くて安いに違いない。
それでも、4月になっても牡蠣料理を出してくれているお店を見つけると嬉しくなるのです。
場内はもとより、場外でも牡蠣料理が引けてしまった築地界隈。
4月早々、そんな中で、まだ可能性がありそうなお店にアプローチしてみました。
海幸橋に通じる筋にあるお食事処「東都グリル」。
久し振りに地下への階段をくだります。
市場関係者とお見受けする方々で賑わう店内の隅っこに空いたテーブル。
オカアさんに、まだ牡蠣料理ある?と訊ねると、あるわよ!とのお応え。
我が意を得たりっ、とばかりに「カキバター焼き定食」をお願いしました。
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幾つ載っているのでしょう。
焼き目もふっくらとした牡蠣がたっぷりと盛られたお皿がやってきました。![]()
檸檬をちょっぴりだけ搾って、そのまま口へ。
気取りのない滋味が醤油バターの風味に包まれて真っ直ぐに届きます。
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途端にお隣のテーブルで麦酒をやっつけてるオヤジさんたちが羨ましく見えてくる。
ご飯もいいけどビールにもねと思わせるのは、牡蠣バターの真骨頂なのでしょう。
タルタルをちゃんと添えてくれていることにも歓心。
タルタルはカキフライばかりでなく、焼いた牡蠣にもマッチするのですね。
観光客の気配なき、築地場外のお食事処「東都グリル」。
「カキ鉄板焼き定食」もいただきたかったのだけど、
それはもしかして、次の時季までオアズケかな。
日本オイスター協会では、
カキ産地に光を!募金や復興牡蠣オーナー制度でカキ産地支援を進めています。
口 関連記事:
お食事「東都グリル」 でバター醤油と牡蠣エキス合わせ技で迸る(08年02月)
「東都グリル」
中央区築地6-22-4 東水ビルB1F [Map] 03-3542-2088
戦災の炎火から逃れた一角、神田須田町。
そう聞けばすぐさま、蕎麦の「まつや」、とんかつやカキフライの「万平」、その先の「神田やぶそば」なんかの佇まいを思い浮かべる。
そんな界隈でずっと気になりつつも訪れたことのない老舗がありました。
鳥すきやき「ぼたん」と並んで気掛かりだったのは、あんこう鍋の店「いせ源」です。
如月の末の頃。
秋葉原からアプローチして、いそいそと足を運んだ神田須田町。![]()
「まるごと青森」のKuuさんにお招きいただいての、お初「いせ源」。
それは、名付けて「青森・風間浦(かざまうら)の活あんこうを"いせ源"で食す」会。
愉しみです。
ちょっぴり軋む、ちょっぴり迷路のような廊下を案内されて辿り着いた座敷。
ふと、桜なべ「中江」を訪れた時の映像がデジャヴのように脳裡を過ります。
老舗なお店の座敷には、同じ風情があるもンね。
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乾杯を"泡"でと洒落込んで、「華雪LOWER SNOW」と謳うラベル。
特別純米生にごり酒「外ヶ濱」は、「田酒」の西田酒造の発泡清酒。
「酒徒庵」で発泡清酒をいただいた時は、慣れたお店のスタッフがちょっとづつガスを抜きつつ上手に抜栓してくれたけど、慣れないと難しいかもなぁと見守るボトル。
あわわ、案の定噴き零れる事態になっちゃいました(笑)。
長皿に盛られた前菜三品は、「とも和え」に「煮こごり」「肝卵巣巻き」。
まずは、「とも和え」が旨い。
「とも和え」というのは、ぶつ切りにして湯掻いたあんこうの身を肝と味噌とで和えたもの。
田舎のつくりと違って、上品な仕立てになっているそう。
そう聞くと、それじゃご当地青森では、どんな仕立てなんだろうと比べてみたくなっちゃうね。
アラから剥がれた身なのでしょうか、ぎっしりと詰まった「煮こごり」。
これまた酒肴にぴったりなのは、言わずもがなでありますね。
そして、恭しく受け取った刺身用の丸皿。
紅葉おろしや食用菊、橙なんかが鮮やかに飾っています。
でも、お皿の主役は、しっとり密やかに控えた透明感のある白い身。
「あんさし」、つまりはあんこうのお刺身だ。
添えられた肝を崩し溶いて、何故かゆっくりとした所作で箸を動かします。
お皿の真ん中にある、帆立の貝柱のような身が、ホホの肉という。
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うー、河豚とは違う品のいいほの甘さ。
うー、美味しいぃ。
風間浦というのは、曲げたひと指し指みたいなカタチの下北半島のずっと北側にある村。
大間と並んで津軽海峡に面し恐山を背負う、つまりは本州最北端の村だ。
その風間浦では、深海魚ゆえなかなか生きたまま水揚げされることのない鮟鱇を、泳ぎ回るほどの状態で水揚げしているそう。
あんこうの刺身は珍しいのです、と「いせ源」七代目の若主人。
風間浦から一日で届くので、刺しで出せるのです、と。
すると、青森のあんこうは、マアンコウでなくキアンコウですよね、と釣りキチ四平さん。
その通りです、と七代目。
冬の下風呂漁港では、雪上であんこうを捌く"雪中切り"による解体実演をはじめ、あんこうを堪能させてくれるおまつりが催されるそうだ。
「あんさし」の余韻褪めやらぬところへ届いた「肝刺し」。
すっきりとしたコクは、塩でいただくのもまたよく似合います。
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傾ける猪口の純米吟醸は、黒石の中村亀吉の「亀吉」。
「いせ源」では、あんこうの卵巣を干してヒレ酒にしてみたら、なんてことも準備中らしい。
そして、「いせ源」のご本尊が運ばれてきました。
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これぞ、「名代 あんこう鍋」。
月島「ほていさん」のように、アンキモのコクでこれでもかとばかりに迫る土鍋とは明らかに違う仕立て。
しみじみとそして骨太に伝えてくる旨みの本懐とぷりぷるとしたコラーゲン的食感。
ああ、いいね。
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やっぱり外せないのが、「豊盃」の特別純米。
青森のお酒の定番であります。
そんな「豊盃」を舐めながら、今度はこうくるですかぁーとあんこうの「照り焼き」に感心していたら、さらに白眉な酒肴がやってきた。
それは、桜チップで燻したという、あんこうの「肝くんせい」。
生であることからくるやや重さが昇華して、凝縮した旨みと一緒に薫香に包まれている感じ。
ああ、ああ、ああ(笑)。
このトキメキをどうお伝えすればよいのでしょう。
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あれ、その、仄かに翡翠色した玉子は、小舟町の「La Fenice」でも拝んだことがある「緑の一番星」じゃないの?と眺めていると、割られ、溶かれ、名代「あんこう鍋」に注がれて、「おじや」へと。
宴の大団円に相応しく、ベジアナあゆこと、小谷さんも満面の笑顔です(笑)。
夙に知られた名代・あんこう鍋の老舗「いせ源」。
江戸末期の天保元年にどじょう屋「いせ庄」として京橋に創業。
二代目の源四郎が神田に移すとともに「いせ庄」の"いせ"と自らの"源"とを組み合わせて「いせ源」と改称し、大正時代の四代目の時にあんこう料理の専門店となり、今に至るという。
関東大震災による全焼後、昭和5年に建て直したままの姿で往時の風情を伝える「いせ源」の建物は、東京都歴史的建造物に選定されている。
近く、風間浦あんこうの「あんさし」がいただける店としても、知られるようになるのかな。
口 関連記事:
Cucina Italiana「La Fenice」で南部せんべいで青森イタリアン(10年03月)
日本酒と干物と牡蠣「酒徒庵」で 日本酒でやる怒涛の牡蠣づくし(11年01月)
「いせ源」
千代田区神田須田町1-11-1[Map] 03-3251-1229
http://www.isegen.com/
博物館になっているモーツァルトの家は、モーツァルトの生家のある旧市街とはザルツァッハ川を隔てた対岸の新市街と云われるエリアにある。
その、マカルト広場に面したモーツァルトの家の脇にあるデリカテッセンFeinkost Kölblにちょっと寄り道。
「IRISH MALT」なんてフレーバーの紅茶や惣菜を買い込んで、旧市街へと渡るシュターツ橋方向へ向かいました。
旧市街、そしてホーエンザルツブルク城を臨むザルツァッハの川面には、
鴎が飛び交う。
その川沿いに建つCafé「BAZAR」で、さらなる寄り道です。![]()
暖かい頃にはひとの溢れるテラス席はひと影がなく、その分もあってか店内は活況の満席。
なんとかサービスカウンター前の丸テーブルに攀じ登りました。
やっぱりちょっと呑んじゃいたいなとオーダーしたのが、
オーストリアの、というかザルツブルクのビール「Trumer Pils(トゥルマー)」。![]()
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スタイリッシュに細長い円筒形のグラスは仄かなフロスト仕上げで美しい。
そのグラスをやや大きく傾けていただくと、すっきりとしたバランスの良さと按配のいい苦味。
そうそう、醸造所見学の様子をseppさんが記事にしていたね。
ビールにはどうしてもソーセージを連想しちゃうのです(笑)と、「Paar Frankfurter」。
湯掻き立てのフランクフルト2本の上にパンを載せて、たっぷりと添えてくれているマスタードにピーラーでおろした的ホースラディッシュ。
パキンと齧ったフランクフルトの齧り口にマスタードちょっととホースラディッシュをしっかりと。
ああ、この取り合わせっていいかも。
いい感じの焼き目で届いたのが、ハムとパスタのグラタン「Schinken fleckerl」。![]()
ふーふーしてから、はふほふといただけば、さらっとしたベシャメルに包まれたホクっとしたパスタとハムの仄かな薫香と塩っけが優しく迫る。
はふー、温まるね。
疾くに呑み干していたビールに代えて、小さなカップのマキアート「macchiato klein」。
ざわざわとしたカフェの喧騒に包まれて、ゆったりした時間を想うのです。
旧市街からシュターツ橋を渡れば見えてくる、シェル・ピンクの建物がCafé「BAZAR」。
今度は、暖かな陽光の中でテラス席で川面を眺めながらふたたび、Trumerを(笑)。
「BAZAR」
Schwarzstrasse 3 Salzburg[Map] 43(662)874278
http://www.cafe-bazar.at/
茅場町の裏通り。
坂本町公園近くの角地に、そこにずっとずっとあるような風情で佇む割烹があります。
割烹「辰巳」。
嘗ては、証券会社や取引所のお偉いさん達が贔屓にしていたのかな、なんてふと想う。
夜訪れるのは、ちょっぴり敷居が高そうにもみえるけど、おひる時なら怖くない(笑)。
白い暖簾が揺れる店先に佇んで黒板メニューを窺うと、
嬉しいことに「カキフライ」がある。
広島、と産地を明示してくれています。
如何にもな落ち着いた様子の店内。
カウンターの真ん中あたりに腰掛けると、
正面の硝子ケースにパットに収まって出番を待つ牡蠣の剥き身がみえる。
これで三人前くらいかな、なんて考えるところへ、さーっと軽やかな揚げ音が聞こえてきました。
しっかりとついた揚げ色は洋食屋さんのそれのよう。
揚げ立てにふーとひと息呼吸を入れてから徐に齧りつく。
サクとカリの中間くらいの歯触りが崩れて、湯気をあげる牡蠣の身の旨みと交差する。
あまり縮まらず、ぷりんとしたその身の気配を残しながら、
凝集した海の恵みを愉しませてくれる感じ。
いいね、うん。
そのカウンターでお隣さんがいただいていた献立も気になりました。
ところが、何日か通うものの、黒板にその文字がない。
訊けば、「木曜日にでてますよ」。
改めて、木曜日にお邪魔しました。
それは、如何にも潔く実直な風情の「ぶり大根」。
鰤大根は、鰤が主役かはたまた大根が主役か、なんてテーマがどこかにあったなぁなどと思いながら、まずは大胆に厚切りな大根に箸を伸ばします。
むほほほほほ。
むほっと齧った大根から鰤の旨みと香りがたっぷりと零れて、滲みた煮汁の調味が味わいの輪郭を囲む。
うまーい!
ニッカニカしながら鰤の身に箸の先を寄せると、ほろほろとまとまりながら解ける。
ちょんと煮汁に浸していただけば、こちらもこちらで当然のように美味しいことに思わず頷く。
ああ、共に主演であり、互いに助演であるのが鰤大根なのですね。
昭和26年創業の割烹、茅場町「辰巳」。![]()
壁に掛かった小さな額には、
創業当時の佇まいを伝えるモノクロ写真が収まっている。
いまよりも狭いであろう、二間の間口の建物の外壁には、
天麩羅、季節料理と筆文字で謳ってる。
「辰巳」というのは、辰と巳の間、つまりは南東の方角を指す言葉。
店の名「辰巳」には、江戸の城からおよそ南東の方角に位置した深川の遊郭を俗に"辰巳"と呼んだのと同じ粋が籠められているかもしれないね。
「辰巳」
中央区日本橋茅場町2-1-9[Map] 03-3666-0996
とっても久し振りに訪れた成城学園前。
北口を出て、ふらふらと街並みを眺めながらのんびりと歩みを進めます。
嘗て新店舗の開店に関わった証券会社はもうなくなっていて、ちょっと寂しく思いつ歩いていくと、あっという間に閑静な住宅街に景色が変わり、生垣の上からは暖かな日和に誘われるように気の早い桜が咲いています。
麗らかな日曜日だなぁ。
そう感じながら空へと見上げた視線を戻すと、
住宅地の間を真っ直ぐ伸びる道路の右手に目的地を見つけました。
看板が「とんかつ椿」と標しています。
老舗の風格すら漂う佇まいを拝んでから入口の前に立つ。
春色で誘う暖簾には、刺繍にも思える鮮やかに染め抜いた「椿」の文字。
おひとりさまは、厨房前のカウンターに陣取りました。
暖かで気持ちのいい日和にノッて、麦酒を所望しちゃいます。
おひたしを添えてもらいましょう。
お願いしたのは、「椿 ロースカツ」。
ご飯セットを含んだお昼の定食は、土曜日を含んだ平日のみなので、単品のロースカツを定食に仕立ててもらうことになります。
丁寧に細めに刻んだキャベツをこんもりと盛り、その手前に堂々と鎮座するカツ。
なにがそう思わせるのか、熟練の威風を想う表情のする。
野生的かつ豪胆に攻めるタイプのトンカツには醸し出せない、一種の品格を思います。
断面を覗き込むと、桜色のロースから肉汁がじわっと滲んで、垂涎を誘う。
均一な衣が肉と分離することなく、ぴたりと包んでいるところにも感心しながら、まずはそのままいただきます。
硬さを帯びない、さっくりと軽妙な歯触りの衣は、肉の旨みを逃がさず包み込む役目も担っていて、余分な水分を逃がしながら肉の旨みを凝縮させているのだなぁと膝を打つ(ぽん、笑)。
これまた歴史と熟練を思わす甘め自家製ソースもいいけれど、今や定番のアンデス岩塩でいただくのがやっぱり一番。
ご馳走さま。
そうそう、久し振りに成城学園前を訪れたその訳は、
以前から聴いていたアーティスト荒木真樹彦のライブに初めて臨むためでした。
会場となったのは駅からみて成城学園の裏手の住宅街の一角。
まさにどなたかの邸宅の玄関から案内されると、そこはまるでヨーロッパの小さな教会よう。
高いアーチ状の天井が守る空間は、どこか厳かに生音が響く設え。
サローネ・フォンタナという、クラッシックも似合うホールだ。
風格と熟練と品格を想う「椿」はきっと、成城界隈で一番に知られたとんかつのお店。![]()
箸袋には、登録商標の文字。
「とんかつ椿」での登録なのでしょうね。
「椿」
世田谷区成城5-15-3[Map] 03-3483-0450
http://tsubaki.web.infoseek.co.jp/
改修工事の進む五反田駅。
階段しかない池上線との接続通路にも、エスカレーターやエレベーターが設置されるらしい。
ダイビングギアを詰めた岩石のように重いスーツケースを脂汗を滲ませながら昇り降りしちゃったことをふと想い出します。
そんなリフレッシュの施されつつある駅舎に対して、東口のロータリーの向こうは旧態然としたまま。
近寄り難かった歓楽街も随分とその毒気が抜けて、鄙びてきたようにも映ります。
近寄り難いと云っても、大崎~五反田エリアの元住民としては、
ロータリーに面した店はひと通り知っているつもりでいたのに灯台下暗し。
歓楽街を背にした、まさに五反田駅の駅前真正面に一軒の中華料理店。
黒地にあしらった金文字の掠れ具合がシブい彫刻看板が示すは、「亜細亜」という店名です。
ここに惹かれたのにはひとつ理由があって、それは店頭のオススメメニューに「干炸生蠣(かきのてんぷら)」なんてフレーズがあったから。
縒れたクリアファイルには、「生蠣料理」の章がある。
「かきボイル 葱生姜和え」「かきと玉子炒め」「あま酢蠣」「かきチリソース煮」「かきの黒豆炒め」「かき醤油煮」「かきと豆腐うま煮」と8種類もの牡蠣料理が並んでいるではありませんか。
ああ、何故もっと早く気がつかなかったのでしょう。
麺類の中には、「カキそば」もあるじゃないのン。
そうかそうだったかと想いながら、牡蠣の天ぷらを所望します。
それは、サクっと香ばしそうな衣の表情で届きました。
その向こうには、扉の硝子越しに駅前のロータリーを行き交うひとの姿と駅舎を望みます。
うん、こふいふ仕立てで牡蠣をいただくもの一手だよねと合点する。
脱水ゆえか、フライとはどこか違った牡蠣の身の凝縮したあたりも愉しめるのだね。
他の牡蠣メニューもいただかなければと馳せ参じると、
牡蠣料理あれこれは、3月の頭あたりで仕舞いにしてしまったという。
ああ、まだまだ旨い牡蠣が流通しているはずなのに、何故なのでしょう。
そーお店のオカアさんに訴えてみてもはじまらないので仕方なく(笑)、
こちらの人気メニューのひとつと聞く「焼賣定食」をお願いしました。
二個足してもらって、六個の焼売定食にボリュームアップしたりして。![]()
二階の窓からは、五反田駅のコンコースが正面にみえる。
こじゃれた駅の駅前だったらちょっとお洒落なスポットになっただろうけど、五反田駅前だもんなと独り言つ。
ちょっと不揃いな感じが如何にも手づくりしてくれているようで、悪くない。
どれどれと酢醤油で試してみるけど、酢の酸味が邪魔に思えて、醤油ちょっとと練り芥子ちょっとでいただくことに。
![]()
![]()
肉のアンの練り方が柔いのが難ではある。
妙な風味づけや化調な味足しのなさそうな、
素直かつ素朴なしゅうまい、といったところでしょうか。
別の夜には、「廣東葱油撈麺(廣東ローメン)」。![]()
大井町「芳園」のローメンを頭の片隅に置きながらお皿を迎えると、
案の定随分と違う風情。
和えソバには違いないけど、こちらはその字の通り、
あっさりした葱油の和えソバだ。
色々あるのね。
五反田駅前の老舗的廣東料理の店「亜細亜」。![]()
![]()
(10年03月月初撮影)
店頭のサインにはsince 1947とある。
ほー、60年を越える歴史を此処に刻んでいるのだね。
日本オイスター協会では、
「カキ産地に光を!募金」や「復興牡蠣オーナー制度でカキ産地支援」も進めています。
牡蠣を食べよう!
「亜細亜」
品川区東五反田1-13-9[Map] 03-3441-7824
'12/01/13(金)by:まさぴ。さん
Re:ぷんきちさま
口 洋食・居酒屋「とおさんぼ」で 町角のカキフライとナポと生姜焼き大井町のローメンは、最初食べた時には、おおお!と思ったのですが、も一度訪ねた時にうむむ?と思ってもう一度赴こうと考えているところです(笑)。
今年もよろしくお願いします。
'12/01/13(金)by:Gingerさん
あのだらけた飲み会がこんな憂いある文章になっちゃうなんて。
口 中国風菜館「萬里」で 伊那地方特有の麺料理ローメン発祥の店さすが叙情派のまさぴさん。
実はパンイチなんて想像できません(笑)
また誘ってねー(^o^)/
'12/01/09(月)by:ぷんきちさん
亀レスですいません。
口 Italian wine Bar「metameta」で イタリアワイン拘って呑める場所ちょっと遅いですが明けましておめでとうございます。
大井町のローメンはアメリカの中華料理店などにある、汁無しの和え麺タイプですよね。
番外編としてそのうち行って見たいところではあります。
情報提供ありがとうございます。
'12/01/07(土)by:まさぴ。さん
Re:keiさま
口 Italian wine Bar「metameta」で イタリアワイン拘って呑める場所やっぱり、飯田橋時代のファンも多かったのですね。
メールいたします〜。
'12/01/06(金)by:keiさん
はじめまして。
metametaを探していてこのブログに出遭いました。
飯田橋のmetametaにたまに通っていたのですが、いつのまにか移転していました(泣)ふらっとひとりでもイタリアワインを楽しめるので大好きなお店だったのですが。。。
ふと思い立って検索してみたらこちらを見つけてビックリしました。
久しぶりにおいしいイタリアワインを飲みに行きたくなりました♪
できたら八丁堀のどのあたりかメールでも良いので教えていただきたいです。
口 FISH and CHIPS 「DELIGHT」で 三が日の神社のチーズバーガーよろしくお願いします!
'12/01/06(金)by:まさぴ。さん
Re:グヤ兄さま
この一年が倖せな一年でありますように。パン一で神主さんに怒られました~(笑)。
今年もよろしくお願いします♪
'12/01/06(金)by:まさぴ。さん
Re:seppさま
口 FISH and CHIPS 「DELIGHT」で 三が日の神社のチーズバーガーおめでとうございます♪
ザルツ村、暖かくていつも以上に雪も少ないみたいですね。
不定期に、あっちゃこっちゃな日記ですが(笑)、お付き合いくださいませませ。
よろしくお願いします。
'12/01/05(木)by:グヤさん
パン一でニ礼二拍手一拝?
この一年が倖せな一年でありますように。今年もよろしく~
'12/01/05(木)by:seppさん
あけましておめでとうございます! 今年もジャンル・場所共に多様な内容で楽しませてください。
暖かいザルツ村より。
この一年が倖せな一年でありますように。'12/01/02(月)by:まさぴ。さん
Re;桃猫さま
おめでとうございますー。いや〜、そんな過分なー。ありがとうございます。
今年もたまには覗いてくださいね (^-^)/ 。