夕暮れ時の六本木交差点。
夜の人混みも熱気もまだない歩道。
リーマンショック以降外国人が減って、
過剰なまでの尖った猥雑さ危うさも円くなったと聞くけれど、最近の夜の六本木はどんな空気なのだろう。
そんなことを考えながら、
交差点からミッドタウン方向へ。
すぐの路地を右に折れたところで立ち止まる。
そこに入口を持つビル七階の店が、
今夜の止まり木なのです。
エレベーターを降りて、
店の名「HYGGE」を示すブランドパネルを横目にフロアに廻り込む。
カウンターもよし、テーブル囲むソファー席で和むのもよしの使い勝手良さ気なレイアウト。
窓際のソファーでは、外国人のひと組がビールのグラスなぞを傾けています。
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座り心地のゆったりしたカウンターのソファーに腰掛けて、
眺めるFOODメニュー。
やっぱり、冒頭に書かれた「京都竹中 特選缶詰」が気になります。
缶詰「牡蠣の燻製」のお願いと合わせて、しゅわしゅわをオーダー。
王冠を外し、ガスをすっと抜く常磐色のボトルは、
"L-P"こと、「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」であります。
グラスの底から細やかに涼しげに立ち上る幾筋ものコルドン。
鼻先で弾ける泡が運ぶ香りを愉しんでから、すいっとグラスを傾けます。
酸のキレとそれを一瞬の間を置いて追い掛ける膨らみある円みとが描く輪郭。
エレガントにして、バランスのよい美味しさを素直に訴えると、
仰る通りとばかりに頷いてくれるバーテンダー氏。
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最近ラベルが変わったのですけど、これは変わる前のラベルのものですねと。
そこへ、その名の通りの缶詰がやってきました。
「京都竹中」の牡蠣燻製缶詰は、
久美浜(京丹後)で採った旬の牡蠣をボイルしスモークし、オイル漬けしたもの。
そこへ、たっぷりの葱をあしらう等して、オーブンで焼いている。
焦げ目のある葱と一緒に綺麗に凝縮した牡蠣の身をフォークの先で刺して、
どれどれといただきます。
おほほほ、いいなぁ、イケるなぁ。
柔らかなその身には、仄かな薫香とオリーブオイルのまろみが加減よく滲みて、
丁寧に手塩に掛けたような美味しさがある。
そこへ、L-Pの泡を注ぐと、これまたなんとも絶妙な組み合わせ。
白ワイン以上の相性の良さはどこからくるのでしょう。
異なる品種、畑、異なる収穫年のリザーブワインを巧みに調合(=アッサンブラージュ)することによるバランスとボトルの中で行う二次発酵が齎す繊細な泡が、
柔らかで奥行きのある味わいと料理との相性の良さを届けてくれるのだね。
メロンならぬ、トマトと生ハムとのメニューを見つけて、
「パルマ産の生ハムとフルーツトマト」。![]()
北海道産と訊くその名の通りフルーティなトマトに、
生ハム仄かな塩っ気と柔らかな脂の旨み。
その出逢いの妙に感心しつつ、
L-Pのグラスを傾けてまた、うんうんと頷いてしまうのです。
もう一品の缶詰がどうしても気になって(笑)、「オイルサーディン」も。
この酒肴は、ただ缶詰を開けて温めただけのものではなくて、
油を切ってから醤油日本酒で調味してある。
ころんとした山椒の佃煮や鷹の爪の辛さがぴりっと利いていて、
意外なほどあっさりと上品な仕立てなのだ。![]()
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こんな佳肴に寄り添うように華やかな膨らみを与えてくれるL-Pのバランスの良さを考えると、
いろいろな和食とのマリアージュもきっとイケるね。
鼻先を擽る香りに誘われてバーテンダー氏の手元をみると、ミント千切りの内職作業中。
モヒート用だよね、と声を掛けると、モヒート+シャンパンなんて手もありますよと仰る。
あ、それ、いただきます(笑)。
ひと掴みのミントとライムのスライスをガシガシして、そこへ特製のシロップとラムを注ぎ、
クーラーで冷えていた「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」を流し込む。
一瞬のシェイクののち、ロンググラスにミントの葉をあしらって。
添えられたストローで啜ってちょっと吃驚したのは、
ミントの鮮烈な香りにほぼ支配されちゃってるのじゃないかなぁと思ったカクテルは、
ミントや柑橘のフレッシュな香りとL-Pのフレッシュなアロマが上手いことバランスして、
シロップとラムのコクがそれを支えてる感じ。
フレッシュでエレガントなL-Pの魅力は、
そのまま磨かれたグラスで堪能するのが本懐なのだけど、
L-Pが持つ安定感のあるバランスの良さは、
こうして他の要素と出逢っても、品格を失わない頼もしいつくりなんだね。
ハーブつながりで思い付いたパスタが「HYGGE ジェノベーゼ」。
それは、バジルの香りが膨らませる鮮やかな旨み。
そこへさっきのモヒート+ローラン・ペリエを追い掛けると、
なはは、ハーブ&柑橘×LPの構図が立体的に浮かび上がってきて、
面白くも美味しく煌めくのでありますね。
ミッドタウンの開業と同じ年のオープンからこの6月に4周年を迎えたという、
六本木のBAR「HYGGE(ヒュッゲ)」。
オーナーが雑誌で見つけたフレーズ"HYGGE"とは、デンマーク語で、
"人と人のふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気"、
"一緒にいて和める人と暖かく居心地の良い場所にくつろぎ、
優しい気持ちで時間を過ごす空間"といった意味だそう。
なるほど、ゆったりとしたバーの設計もそんな想いの表現の一端なのですね。
今宵はサントリーの企画、
「ロイヤルウェディングのシャンパンを楽しめるレストラン」
でお邪魔しました。
「HYGGE」
港区六本木4-10-6 AX ROPPONGI 7F [Map] 03-5770-3310
http://www.hygge.biz/
"九州"と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、
かつて一度は訪れたいと思い続けて、願い叶って潜入した屋台連なる博多・長浜のあの光景。
そして、中州へと渡る春吉橋近くの豚骨の匂い。
博多のそれとは結構違うのだなぁと感慨深かった久留米のらーめん店。
熊本では、「桂花」の本店や「こむらさき」にわざわざ足を運んだっけ。
あれ?ラーメンに纏わる想い出しかないのかいなと苦笑いしながら向かったのは、ミッドタウンもほど近い六本木の裏通り。
ラーメンのみならず、九州の食材あれこれを取り寄せて、愉しませてくれるという「ちかっぱ」六本木にお邪魔しました。
8名収容のスペースを強引にふたつに区切った、
フロア最奥の個室が不思議なこじんまり。
口開きの麦酒は、一番搾りもあるけれど、
やっぱりこれでしょと「長崎ビール恋のオランダ坂」(笑)。
長崎の大島醸造という地場メーカーが醸す地ビールは、
デュンケルタイプでしょうか。
すっきりとした香ばしさには、地ビールらしからぬ奥行きがあります。
まずのお通し的器は、「炙り鶏皮のゆずマリネ」。
ベビーリーフなんぞに隠れているのが、鶏皮をカリっと素揚げ状にしたもの。
九州の居酒屋では定番だという「皮酢」から派生させた酒肴だ。
なるほど、柚子風味の酸味がよく似合う。
できれば、もっとたっぷし鶏皮が欲しいな(笑)。
おおっと目を惹いたのが、熊本産「赤牛のレバー刺し」の紅。
「草牛」とも呼ばれる「赤牛」は、阿蘇の大草原で牧草を食み、
悠々と育つ熊本の伝統和牛だそう。
みるからに鮮度の良さそうなのが、九州に特化したお取り寄せ手腕の見せ所。
ひたひたと張り付くように艶めかしく、それがすっきりと臭みない滋味に至る。
おろし生姜も大蒜も使わず、塩胡麻油だけでいくのがいいかもしれません。
九州お取り寄せ「ちかっぱ」の、
これもひとつのウリなのだろうなと思わせたのが、「旬野菜のまるかじり」。
九州直送だという野菜たちは、例えば、
大根的歯応えの福岡産赤瓜や熊本の赤茄子肥後むらさき、
赤オクラに島オクラ。
対馬の藻塩をちょんづけして、パキパキとシャクシャクと。
縦に裂いてひょろっと長い甘辛ピーマンは、
獅子唐よろしく"当たり"に当たるとなかなかに辛い。
でもその先にその名の通り、甘さを含んでいるのが面白い。
またまた艶々したテクスチャがやってきた。
あ、あの白いのはきっとタテガミに違いない。
ってことは、お馬さんの刺身ってことになるね。
訊けば、これまた阿蘇は産山(うぶやま)という村から、
チルド輸送で持ち込んだ「馬刺し」だそう。
紅白のツートンになっているのが「ふたごえ」と呼ぶ部位で、
馬のあばら肉あたりを指すらしい。
どれがといえば、「赤身」が旨い。
融点の低い脂がつるつるとした独特の口触り。
やや甘めの九州醤油でいただけば、
その脂の向こうにある赤身肉の澄んだ旨みが、
大脳皮質に真っ直ぐ伝わってくる感じ(笑)。
九州お取り寄せとあらば、
焼酎のラインナップも期待に違わぬものでしょうと訊ねると、
メニューのリストは意外や、その辺りはまだまだこれからという模様。
そんな中から面白そうと選んだのが、
シェリー樽フィニッシュだという「樽いきいき」。
球磨の米焼酎に仄かにシェリーの香りをつけた、
どちらかというと上品な仕立ての呑み口だ。
熊本に負けちゃぁおれんと(笑)、登場したのが大分名物の「とり天」。
どうも鶏の天ぷらというと、
うどんのトッピングのかしわ天、というイメージなンだけど、
大分ではこの「とり天」がめちゃめちゃスタンダードなお惣菜らしい。
カボス醤油でイクのが大分の本場スタイルなのです、
ということで揚げ立てをちょっと浸してハフハフすればもう、
不味かろうはずもないところ。
同じ大分特産のカボスを使った辛味調味料に「KABOSCOかぼすこ」なんてシャレたネーミングのものもあって、これがなかなかヒリヒリのチリ。
チリなカボス醤油でヤル「とり天」もまた乙なもの。
そういや戸越銀座で人気の唐揚げ屋さんは確か、「大分唐揚げ」。
さしずめ、大分の鶏の揚げモノ兄弟、といったところでしょうか。
恭しく運ばれてきたのが、アゴを浮かべた打ち出しの鍋。
いまかいまかとその湯殿への投入を待っているのが、
これまた熊本産のプレミアムポーク「肥皇(ひおう)豚」。
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ハナビラタケや空芯菜、ふりふりレタスなんかと一緒に、
出汁タレに浸していただくスタイル。
脂の甘さが呼ぶ旨みを素直に愉しめる、そんな鍋であります。
と、もういっちょとばかりに別の鍋がやってくる。
今度の鍋の中はすっかりと白濁して、如何にも"博多な"風情(笑)。
でもそこに浮かんでいるのは忽ちラーメンではなくて、餃子かワンタンか。
これがどうやら、このところ福岡の一部で人気沸騰中だという「炊き餃子」。
博多の屋台ではラーメンを焼いてしまったり、餃子を炊いてしまったりとイタズラ心が生みの親のような料理が輩出してきて面白い。
餃子を浮かべて炊いている白濁スープは、
豚骨一本やりかと思ったらそうではなくて、
はかた地鶏のガラをじっくり煮込んだスープがベースで、
豚骨は一割程度なのだという。
しっかりとボリューム感のある餃子をべったりした豚骨スープでやっつけるのは流石にちょっとというところかな。
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なるほど鶏出汁の、見た目の濃厚さをほどよく裏切る、
さらっとしたコク味スープだ。
タピオカ入りもっちり皮の餃子を平らげたら、
然るべくやってくるのが"博多な"細ストレート麺。
硬めに下茹でした麺を鍋のスープにささっと潜らすようにして、
スープと一緒に取り鉢によそり、浅葱をちらして啜る。
ズ、ズズズズ。
うむむ、キメキメだった塩っ気が煮詰まってきちゃったかもねと割スープ。
ふむふむ、あとはすぐ軟くなってしまう繊細な細麺を好みの硬さのまま上手にいただくため、一心に啜るだけです(笑)。
新宿・銀座に引き続き、六本木にも登場した"九州お取り寄せ"の店「ちかっぱ」。![]()
大宰府名物の梅ヶ枝餅の温かいところを頬張りながら、鶏皮の歯触りや赤牛レバーの艶めかしさ、野菜を齧る妙音、馬刺し赤身の旨み、とり天の素朴な滋味、肥皇豚の甘さなんかを振り返る。
さしずめ、うまかもんを辿る、九州喰い道楽ぷち旅行、だね。
「ちかっぱ」六本木
港区六本木4-6-7 六本木4丁目ビルB1[Map] 03-5775-6571
http://www.chikappa.co.jp/
ピアニスト山本美樹子さんのサロンコンサートを覗こうと、週末の六本木。
最近ますます縁遠くなってきた六本木に週末の昼間いることはそうそうない。
折角なので、どこでお昼を摂ろうか思案して、思いついたのが、「本むら庵」。
ただし、旧来の「本むら庵」は、怪人のレポート通り07年に閉店してしまっていて、ニューヨークにあった「HONMURA AN」が引き継ぐように開店していたのです。
ちょうど数組のお客さんと入れ替わりになって、静かな店内。
インテリアは、NYでの設えを受け継いでいるのでしょうか。
見開きのみのお品書きには、冷たいそば、汁ものそばに親子丼、穴子天重といった御飯もの。
寒空ゆえ温かいヤツにも惹かれつつ、あれば必ず注文みたくなる「鴨せいろそば」をお願いします。
伝票を持って厨房へと向かう背中を呼び止めて、「一枚の量、多くないですよね」と訊く。
ハイとも応え難いだろうからと、続けて「二枚にしてください」と二本指のサイン。
だって、お腹減ってたんですもん。
間もなく山葵とおろし金を持ってきてくれたけど、 そういえばお蕎麦に山葵をあまり入れなくなって久しい。
さらし葱があれば、薬味は充分なのです。
なるほど、届いたせいろに載る蕎麦は、右の本格派。
蕎麦の粉々しさが滑らかなテクスチャに包まれているような表情で誘います。
そのまま口に含んでみると、仄かに蕎麦の香りのする。
つけ汁はというと、やや乳化したかのように浮かぶ鴨の脂が唾液を呼ぶ(笑)。
しっかり煮出された出汁旨みは甘さを想わせて、さらっと蕎麦に纏ってはその魅力を何倍にもして、啜る毎に味蕾を擽ります。
いいねぇ。
蕎麦湯を猪口に注ぎ、両の手で支えて啜りながら眺める店内は、いつの間にか随分とお客さんが増えている。
卓上の徳利がちょっと羨ましい(笑)。
六本木「本むら庵」の跡地を受け継いで、NYから帰国した「HONMURA AN」。
訊けば、経営は別々であるも、「本むら庵」の親族が営んでいるンだそう。
ちょっぴり心配した、NYに迎合したような妙な残り香は窺えず、もうずっとここにあったようなそんな気配を感じました。
久々に、荻窪方面にも行かなくちゃ。
「HONMURA AN」
港区六本木7-14-18[Map] 03-5772-6657 http://www.honmuraantokyo.com/
青山霊園脇の「鹿角」を離れて、
霞町の交差点を渡り、アマンドを回り込んで、
西麻布の通りを進む。
カウンターでもうちょっと呑もうと訪れたのは、その通り沿いの1階にあるバー。
通りから店内の様子が見渡せるバーというのは、そう多くない。
扉の透明硝子に刻まれているのは、
「lii」という記号。
ゴジュウニバン、と読むようです。
あ、そうそうと思い付いて、モーツァルトリキュールはありますか、と訊く。
すると、ゴールドならばございます、とバーテンダー。
では、とおまかせで、チョコテルと洒落込みます。
バーテンダーが取り出したボトルは、
ヘーゼルナッツのリキュール「フランジェリコ frangelico」。
なるほど、チョコレートリキュール×ヘーゼルナッツリキュールだと考えると相性の良さがイメージされてくる。
そこへ、定番ラムの「マイヤーズラムMYER'S RUM」、
サトウキビのシロップ「Carib CANADOU」と業務用のミルクとで、
シャカシャカとシェイク。
おー、うまーい。
ふたつのリキュールの相乗の背後でラムの風味が多層な奥行きを齎してくれている。
チョコとナッツの名コンビが、甘ったるいノリでなく、洒脱なデザートとして愉しめるグラスがあるなんて、ね。
もう一杯だけ、とお願いしたのがグラッパ「カポヴィッラCapovilla」。
ちょうどボトルの最後のところというのもあったのか、たっぷりと注いでくれた透明な滴。
濃縮した果実香が柔らかにそして圧倒するように揮発する。
忽ち葡萄の残り香アロマに脳幹が巻かれはじめて、酩酊の淵が近くなる。
ああ、このまま倒れるように眠りたい(笑)。
Bar「lii(Gojyuni-Ban)」の店の名は、カクテルの通し番号52番に因んでる。
西麻布の老舗バー「ウォッカトニック」が生んだといわれるカクテルの符号を店に名に使うアイデアとそれをローマ数字に置き換えるセンスにもニンマリです。
□関連記事:
BAR「WODKA TONIC」で 暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)
秋田の味「鹿角」で 子持ちずし鰰とんぶり長芋きりたんぽ鍋(10年01月)
「lii」 港区西麻布4丁目10-3 ヴィラ麻布1F[Map] 03-6861-0052
久方振りの六本木。
そういや、いまだにミッドタウンで食事したことがないのが、可笑し恥ずかし(笑)。
そんなことを思いながら下るは、ご存じ芋洗い坂。
そうか、ライブスポットの「スイートベイジル139」はここにあったのか、などと呟きつつ、その前を通り過ぎる。
頃合いをみて右手の脇道を覗くと見つかるのが、てんぷら「味覚」の看板だ。
カウンターの真ん中に腰掛けると、
そのおっかなさそうな主人と対峙する気分になる。
卓上に置かれた品書きから「塩天丼」をお願いしようとして、ご主人の背後に貼られた貼り紙に目がいった。
「三陸生かき かき天丼 1,200圓」とある。
おお、そっちだと急に路線変更して、「かき天丼」をとホールの兄さんに伝えます。
すっすと流れるような所作でいつの間にか出来上がったどんぶりには、柚子の欠片。
野菜の天ぷらを脇に従えて、牡蠣の天ぷらが真ん中に鎮座。
そーっと咥え、はむっと歯を立てると、じゅわんと活性した牡蠣のエキスが零れて、薄手の衣と一体となる。
んー、旨い。
フライもいいけど、天ぷらもいい。
下町ックでない、あっさりめのタレであるのもポイントであります。
獅子唐もあるねと齧ったら、なんとその中にも牡蠣の身が!
牡蠣に獅子唐を取り合わせるというアイデアは、なかなかニクイ。
獅子唐のしゃくっとした青みが牡蠣の魅力を鮮やかに引き立てるンだ。
日を変えて、再びの芋洗い坂。
当初の目的だった「塩天丼」をいただきに参りました。
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笊に盛られた野菜たちや硝子ケースの緑のトマトを眺めながら、
ぼんやりと待つ。
奥へ向けて「どんぶりご飯!」と声を掛けるのが、揚げ上がる合図。
味噌汁椀やおしんこが脇から整えられ、正面からすっとどんぶりが渡されました。
軽快にさくさくとした衣は、塩であればこそ。
天ぷらのタネそのものを甘く愉しませてくれるのも、加減の利いた揚げ具合と塩なればこそ。
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海老に玉葱に茄子、春菊、獅子唐、掻き揚げがそれぞれの香気で甘さを伝えてくれる。
やや塩っ辛く感じるところもあったけど、それでもやっぱり塩でいく天ぷらの良さを確認してしまったのでありました。
芋洗い坂のてんぷら「味覚(みかく)」。
店主みずから汗掻き汗掻き、自家農園で育てた野菜を天ぷらで供するという。
べらんめぇな主人と与太話をしながら、それ揚げてこれ揚げてと云いつつ、トマトの天ぷらなんかで一杯呑るのもきっといい感じなンだろな。
口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」
「味覚」 港区六本木6-7-17 [Map] 03-3404-1800
http://www.tenpura-mikaku.com/
最初に西麻布へと下る坂道のこの店を訪れたのは、
いつのことだったろう。
博多ラーメンというジャンルに初めて出会い、すっかり嵌まったのは、なんだかんだ云ってもこの店の到来に起因している気がする。
その流れで、「じゃんがら」に通うことになったんじゃなかったかな。
その博多ラーメン「赤のれん」へ、
久し振りに寄ってみました。
「チャーシュゥめん」に「のり」「味つけ玉子」を添えてもらいます。
ラーメンに「のり」トッピングをセットしちゃう習慣も、「赤のれん」「じゃんがら」での繰り返しが習慣化したものだと今気づいたりして、ね。
褐色に白濁したスープにチャーシューの焼き目が絵を描くドンブリ。
少々慌て気味に(笑)、レンゲを手にスープを啜る。
ザ・乳化とでも詠んでしまいそうなマイルドスープに意外とあっさりしたコク味。
あの頃はもっと、屋台の醍醐味の片鱗をみるようなトンコツの野生が毅然とあったような気がするのだけれど、時代の趨勢か、世のニーズにアジャストさせるような調整がよりなされているのかもしれません。
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振り返れば、女性おひとりの客が三人に子供連れのお母さん。
なるほどなぁ、でもこれはこれで悪くないなぁと思いながら、啜る極細麺。
このちょっと平たい細麺も初めて食べた時は、おおおと刮目したことを思い出す。
「麺カタで!」と叫ぶのが常であったなぁと。
うーん、久し振りに替え玉しちゃいましょう(笑)。
きっとあの頃はなかったのじゃないかなぁと思うのが、「赤のれん」の「味噌らぁめん」
。
再訪しての「野菜盛トンコツ味噌らぁめん」をやっぱり「のり」トッピングでお願いします。
わざわざ"トンコツ"と断らなくてもいいのになぁと考えつつ、でもそうしないとキャラクターが不明で「どんなの?」と訊くひとが増えるかもなと考え直す。
一見するスープの表情は、やや白っぽいものの、「らぁめん」と極端な差異はない。
白味噌の甘さが優しくて、品よく纏めた今のスープにはこういう仕立てでバランスをとることになるのだねとひとりごち。
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例えば、「ど・みそ」の味噌ダレを導入しようとしても、そうするとスープが弱いってことになっちゃうのかな。
でもでも、すんなりと舌に馴染んでするりと胃の腑に収まって、気持ちも満足なんだけどね。
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西麻布「赤のれん」が、博多「赤のれん」から暖簾分けするかたちで東京に誕生したのが1978年のこと。もう30年にもなるのだね。
新店と閉店が交差するラーメン界にあって、この店もずっと此処にあって欲しい店の一軒です。
口関連記事:博多らーめん「赤のれん」で 濃くクセないスープと極細麺の健在(03年05月)
「赤のれん」 港区西麻布3-21-24 第五中岡ビル1F [Map] 03-3408-4775
西麻布の交差点から表参道の方角に折れ入る、
裏手の道。
そうそう、ちょうど「ウォッカ・トニック」の少し手前辺り。
右手のやや奥まったところに緑赤二色の旗を掲げたお店があります。
そちらが今宵のお食事処、「ヴィラ マダレナ」。
ポルトガル料理のレストランだ。
テーブルに敷いたマップ
でワインの産地を案内してくれていて、その右側には、「日本語になったポルトガル語」が紹介されている。
カステラや金平糖、天麩羅がそうだとうは知ってたけど、バッテラや飛竜頭(がんもどき)の語源だったとは知らなかったな。
あと、たーんとお食べ!のたんと(tanto)もね。
まずは、メニュー筆頭の「ポルトガル産オイルサーディン ベーコンオイル煮」。
自身の脂もたっぷりな鰯の風味とベーコンの燻製風味がよく合うのだね。
こうやって熟れ熟れトマトと煮ても、一緒に炒めてもイケテるコンビになりそうだ。
メニューの左ページには、前菜、サラダに続いて、「Bacalhau(バカリャウ)」という章がある。
バカリャウとは塩鱈の干物のことで、ポルトガルを代表する料理のひとつがそのバカリャウを使った料理なんだという。
4種類が並ぶバカリャウ料理から選んだのが、
「バカリャウとジャガイモのクリーム煮 グラタン仕立て」。
凝縮した鱈の旨味と塩加減をクリームソースが包み込むようにして、いい。
木挽町ビストロ「Vivienne」の「塩ダラのグラタン」に添えてあった"ポルトガル風"は、このことを意味していたンだね。
そして、ポルトガル料理のもうひとつの名物というのが、「Cataplana(カタプラーナ)」。
ポルトガル南部、アルガルヴェ地方の名物料理なんだという。
メニューには、「魚介のカタプラーナ」と「色々お肉のカタプラーナ」とがあって、
どうやら鍋料理のよう。
ボリュームどうかなと訊ねたら、厨房の壁を指差して云うは、「あの鍋です」。
カタプラーナ鍋と呼ぶ銅製の打ち出し鍋は、口径も大きく、
ふっくらしたフォルムは余裕のボリューム感。
ふたりで食べ切れるか心配が過ぎりながらも、折角なのでと(笑)、魚介の鍋をお願いします。
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どーんと登場の銅の鍋。
ぱかりと開けば、溢れ出る湯気とローリエの香気を含む堪らん匂い香り。
そして、豪勢な魚介たちが全貌をみせました。

出汁たっぷりの浅蜊を次々しゃぶり、大胆なカットの蛸足の意外な柔らかさに愕き、ぶつ切りの烏賊をわしわし、そして渡り蟹を千切るように割ってはエキスをちゅーちゅー、伊勢海老の白身をペロンと味噌を再びちゅーちゅーと(笑)。
魚介エキスをすっかり吸い込んだパンが玉子の黄身を囲んでる。

またまたちゅーっと啜れば、濃厚な旨味風味。
ああ、完全に満腹なのがどれほど口惜しいことか。
パン粥にする方がやや重くなるようにも思えて、この場合、リゾットにしてもらうのが正解だったかもしれません。
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ただもうこのまま倒れるように眠りたい充足感にはやっぱり、バーブティー。
野生ラベンダーのはちみつ、クマちゃんはちみつを添えてくれました。
西麻布に潜むポルトガル料理の店「ヴィラ マダレナ」は、空席なしの大人気。
マダレナって何処のことだろと調べてみると、大西洋に浮かぶマデイラ諸島の中のPICOという島の町の名がMadalena。
そんな由来で正解か確かめに、またお邪魔しなくっちゃ。
今度は1テーブル4名さま、でね(笑)。
口関連記事:
BAR「WODKA TONIC」で暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)
bistrot「Viviene」で 塩ダラグラタン仔羊ひき肉ひよこ豆カレー(09年03月)
「Vila Madalena」 港区西麻布2-24-17 ポケットパークビル1F [Map] 03-3499-1777
http://madalena.web.infoseek.co.jp/
散歩通りと呼ぶ広尾商店街は、
その先で90度左へ折れる。
曲がる手前で左に外れてそのまま突き当たった辺りにあるのが、今夜のめし処、キッチン「ふるはし」だ。
ドアの開いた瞬間にフライパンからのリズミカルな炒め音に包まれる。
いらっしゃいませ~と迎えてくれるコック帽。
その厨房を囲むL字のカウンターを左に、右手にはテーブルが4卓ほど。奥にもテーブル席が覗けるね。
「オムライス」や「ナポリタン」「ロース生姜焼き」あたりをいっとくのが素直な流れかもしれないけど、そのあたりはeatnapo & Ginger コンビが既に紐解いてるしね。
何故だか目線を外せなくなった「マグロバター焼き」をお願いしました。
芳しい香りとともにやってきたお皿。
やや慌て気味に割り箸の先でマグロの身を割いて、周囲のソースをたっぷり擦りつけて口へ運ぶ。
薄っすら包んだ小麦粉の衣に纏うソースが素朴なる憎らしさ。
醤油系ソースがぐいぐいっとシズルを発揮して、もうご飯に合うの合わないの考えるまでもない感じ。
「サーモンバター焼き」や「イカバター焼き」も同じ仕立てなンだろね。
「ふるはし」のメニューの筆頭に並ぶのは、A、B、Cのセットとお「弁当」。
Bセットと「弁当」は夜からメニュー。
カニコロとメンチにアジフライの三本立て、「Cセット」をお願いしたこともありました。
たっぷりの野菜に寄り添うメンチカツはジューシーで、カニコロッケはベシャメルとろんとクリーミー。
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何気ないけど、これも昼に夜に近所にあって欲しいと思わせる日常使いのお店の顔のひとつ、だね。
広尾の庶民派、開いてて嬉しい洋食「ふるはし」。
古橋さんちで今度は、「エビフライ」で麦酒呑んじゃおーっと♪
「ふるはし」 渋谷区広尾5-18-2 [Map] 03-3444-3733
広尾から天現寺交叉点を目指す。
真っ直ぐ渡れば、「LA BISBOCCIA」が懐かしい慶応幼稚舎の辺り。
恵比寿寄りの一角には、
「ACCA」や山田シェフの「MARCHE AUX VINS」。
でも明治通りを古川橋の方向へ折れて、レストランへと向かうのは初めてだ。
すっかり通り過ぎてから気がついた、お店の所在は「天現寺カフェ」の階上。
硝子に浮かべた「incanto」の文字が見つかりました。
軽めのスプマンテを舐めながら、赤い表紙の片観音折りメニューを開いてちょとびっくり。
前菜にしても、パスタにしても、そしてメインもそのラインナップがたっぷり。
そしてさらに手書きメニューが挿んである。
ううむ、さては客をあれこれ迷い悩ます作法だなと笑いながら、その術にずぼっと嵌るかのように目線を上へ下へ右往左往させる。
コースでいくか、アラカルトにするか。
前菜とパスタとメインとデザートと、に相当するコース「incanto」をお願いすることにして、再びメニューと睨めっこ。
悩んだ挙句に前菜にと、なんだか分からないのに決め打ちしていた(笑)、その一節について一応訊いてみる。「ルカーニカ、ってなんです?」「ソーセージですね」。
ひと品めは、「唐辛子風味とフェンネル風味 2つの味のルカーニカ サルシッチャの発祥地から」。
イタリアンのソーセージかぁと考えながら、何故かサラダ&ソーセージ的お皿を思い浮かべていたら然にあらず。
ありゃ~。
思わず口をついてでた言葉に自分でも愕いた(笑)。
ズ太いソーセージが、ドンドンと二本。
前菜ですよね、一人前ですよねと苦笑いしつつ、手前の太いのから紐の部分を削ぐようにし、その胴にズリッとナイフを入れ、口へ運ぶ。
うん、こっちは、所謂ウイキョウの香りがする。
もう一方の少し長いヤツは、つまりはジューシーなチョリソー。
気分は、ドイツビール持ってきて、な感じでもある(笑)。
パスタのサンプルをあれこれ眺めながら、意外なヤツでいってみちゃおうとprimiから選んだのが「東リヴィエラのスタンプ型コルツェッティ バッカラとオリーブ、ケッパー、プチトマト」。
おひょ~。
ホタテよりひと回り大きいくらいの円形で厚さ2ミリほどのパスタの上に、鱈の塩漬け(らしい)やトマトをカルパッチョ風に盛り付けてある。
確かにサンプルで見ていたものではあるけれど、なんだか大根スライスのサラダを眺めるようでもあるその不思議。
落とさぬようにフォークの上に載せて、大口開けて咥えた食感は、妙にあっさりしていて愛想のない感じ。
ワインはグラスで、「Renosu」あたりをいただく。
Secondには、やっぱビジエかなぁなんてことで、ウサギ、鴨、蝦夷鹿などある中から選んだ「仔鳩(エトフェ)のロースト 葡萄と赤ワインのソース ウンブリア風」。
久々の鳩だなぁなんて思いながら、お皿を受け取った。
うむむ~。
お皿に薄く敷かれた紅いソースの上に見るからにレアレアな鳩さんの身が横たわる。
ナイフを入れるとやっぱりレアレア。
臭みがある訳ではないけれど、身肉の生っぽさと妙に酸味の強い真っ赤なソースに少々オドロオドロシイ表情を覚えて、今宵ご同席多謝さんの様子をみるとカトラリーを持つ両の手が止まってる(笑)。
どうしてこうスプラッタにも映る仕立てなのだろね。そして、折角の葡萄の甘さはいずこに。
久々にドルチェを食べきれない満腹状態。
メニューの選択ミスかも~の反省とともに「でもなんだかtoo much」との感想に激しく同意して天現寺を後にする。心地よく食べ進められる、味わいと量感とのバランスに欠けているよな、そんな印象なンだ。
あ、いや、4時間半も居座っていて呟く台詞じゃないか(笑)。
オーナーソムリエがイタリアの伝統的な郷土料理とイタリア周辺のワインを供するお店として開いたという「incanto」の、その店名の意味は“魅力”。
ハーフポーションのお皿を手元にカウンターでグラスを傾ける、そんな使い方の方がその魅力が判るのかもしれません。
なお、「incanto」では写真撮影NGとなっています。
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「incanto」 港区南麻布4-12-2 ピュアーレ広尾2F [Map] 03-3473-0567
http://www.incanto.jp/
日赤病院下の信号から「ダノイ」の方へと折れたあたり。
ずーっと昔に一度お邪魔したバー「Le Club」があったと同じビルの1階にあるのが、「和楽惣」。
わらそう、と読むようです。
しっとり落ち着いた中に設えたカウンターの上には、活き活きとした魚介がぎっしりと並べられた硝子ケース
。
右手の蛤から左手に視線を移せば、金目やキンキがこんにちは(笑)。
なんだか期待できそうです。

焼物から「地蛤」。
大振りな蛤をカプと噛めば、しみじみ伝わる磯の滋味。
こいつぁいけねぇと、青森の吟醸「豊盃」。
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「馬たてがみ」の独特の食感を楽しんで、またクピクピ。
そこへ届いたのが、カキタベニストの一員としてチョー気になるお品、「岩カキフライ」だ。
殻にのったフライを拝むのは、移転する前の「銀圓亭」以来か。
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でも、こちらは冬場を時季とする真牡蠣のフライじゃなくって、今も旬といえる岩牡蠣のフライなんだ。
カリっとしたテクスチャーが見た目にも伝わるフライ。
やっぱりそのまんまサイズでカジリつくってのは適切でないようで、既に三分割に包丁されています。
その断面を覗き込む。
ううーん、いい表情であります。
もうそのまま何もつけずに、ぱくっと口に放り込む。
澄んだ澄んだ海の香りを円く描いたあと、ジュンと旨味とコクが伝わり、清々しい余韻がすっとキレよく消えていく。
うん、うまーい。
冬の牡蠣の繊細で幾重にも滴る魅力とはちょっと違う大らかさは、大味ということでは決して、ない。
こうして冬場以外の時季でも「牡蠣フライ」が楽しめるというのに、どうして余所では見かけないのだろうね。なーんか不思議。
グリルから「黒豚ロース」、箸休めに「水菜のお浸し」をいただいて、
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再び視線を硝子ケース
に移し見る。
赤橙に活きの良さをみせるお魚を、焼いてもらおうか、はたまた煮るか蒸すか。
上品な脂がのりのりで、ふるふるとはらはらとしっとりと。
お魚そのものが甘いねんな、と腕組感心であります。
フルーティで柔らかなコクが呑み口のいい「豊盃」の盃を重ねて、〆にと「肉じゃがカレー」を茶碗で。
なはは、白金のあのお店の「肉じゃがカレー」とイメージが重なって、なんだか嬉し楽し大好き。
ふう、満足満腹だ。
そうそう「和楽惣」は、そんな〆メシのバラエティも嬉しいところ。
「うにとろろ」「じゃことろろ」などの「とろろめし」にはじまり、「牛すじ丼」に「ひな鶏親子丼」に「納豆おまぜ丼」。そして、「お茶漬け」に「せいろめし」。
野田麦、岡崎赤だし、信州、秋田こけしと味噌と具を選べる「味噌汁」も添えられちゃう。
日赤病院下の和食「和楽惣」。
魚介を活かした佳い料理を食べたくなったとき、候補のひとつとしてきっとまた思い浮かべるンだな。
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BAR「Le Club」で ボトル煌くバックバー階下のモノトーン(01年06月)
「カキタベ!」はコチラ(近日更新)
「和楽惣」 港区南麻布5-1-1PLAZA KAYビル1F 03-3445-0550
明治通り沿いのレストランの一軒、「ルッカ」でお食事。ムーミンのニョロニョロも連想する、印象的な対の偶像
が迎えてくれます。コンパクトで気取りのない、居心地のいい店内。ドライシェリー「ティオ・ぺぺ」からはじめてみます。底部がぷっくりとしたシェリーグラス
がまた、印象的だ。
先日のお皿からの連想含みでお願いした「群馬県増田和牛のカルパッチョ バルサミコ風味」
は、ほどよい厚さにスライスされた牛肉の魅力をあっさりとしたバルサミコの風味がグイと引き出していて、美味い。添えられたルッコラは、セルバチコという野生のルッコラだそうだ。ふむふむ。お供のワインは、ピエモンテの「BARBERA D’ASTI」
。抱いたイメージに近い、深みがありながらあと味がすっと華やぐ感じのバランスいい、赤であります。入荷がなく涙を呑んだホワイトアスパラガスに替えてアンティパストからもうひと皿と、定番「帆立貝の香草パン粉焼き」
。しっとりと焼いた帆立と香ばしくしたパン粉の相性って、やっぱりいいのんね。中はもちふわ、岩塩の塩っけが美味しいパーネ
。お代わりを届けてくれた初老の紳士は、シェフのオヤジさんなのだという。時たま手伝うのだそうだけど、還暦を過ぎて息子のレストランを(気ままに?)手伝うなんて、なんだか幸せなことのように思っちゃうな。プリモから「ルッカ名物 フレッシュトマトとゴルゴンゾーラ タリオリーニ」
と「ポルチーニのリゾット」。お皿の縁に振られた粉末
が香りを誘っている。茶濁のソースにふつふつと潜むライスの粒が程よくしっかりしていて、ポルチーニ風味のコクを纏って
、いくらでも食べれてしまいそうな、イケナイお皿だ。
セコンドにと選んだ「岩手県 岩中豚のグリル マスタード添え」は、思い出せば涎がすぐ出る、肉の魅力を直球で表現したお品。そのまんま齧々するのが一番イケル。ぎゅぎゅっと詰まったお肉エキスがじゅじゅん素敵に滴って、うま~い。ここでいう“岩中(いわちゅう)”とは、岩手中央畜産を縮めたモノだそうで、つまりは岩手県産の銘柄豚なんだという。へ~。ドルチェには、「ラッテパンナ」。そのまま読むとミルク&生クリームだけど、お皿には苦味が粋なカラメルを頂く固め濃いめのプリン、そしてバニラ系ジェラート
。生チョコの濃いぃ風味が罪な「生チョコのブリュレ」
もまたいい。気の置けないお店の佇まいと同様に、シンプルにイタ飯を愉しませてくれる「ルッカ」。ふらっとランチもいいかもしれないね。
「Lucca」 渋谷区広尾1-6-8第2三輪ビル1F 03-5789-3631
http://www.osteria-lucca.com/
平日昼のみの営業ということで、なかなか出会えなかった「三河屋」に初めてのお邪魔です。
霞町の交叉点から青山方向に進むと、5人ほどの人影と一緒に縦書きされたお店のフラッグ
が見つかりました。
列の最後尾に並ぶと丁度、おばちゃんがラードの沸いたフライヤーに揚げ物を次々と投入し、引き揚げていく様子
が眼前に覗けます。
真夏の陽射しに汗を拭いていると、背後から声が。
さっきの開口部からおばちゃんが顔を出して注文を訊いてくれているのです。
お肉屋さんのメンチカツというと小判型が一般にイメージされるけど、「三河屋」のメンチは、俵型を越えるコロンとした玉子型。
ふと、大阪USJの「DISCOVERY RESTAURANT」で食べた恐竜卵に見立てたメンチを思い出したりして。
外殻が薄くカリンとして、中にはたっぷりとしたミンチが詰まっている。
中外双方で香ばしいのが「三河屋」ミンチの魅力のひとつか。
「嫌いなものない?コロッケ食べられます~?」と喋り終えるが先かサービスしてくれたコロッケは、
じゃが芋のほくほくしっとりが素朴に楽しめて、いい。
うーん、満腹だー。
会計を済ますと、おばちゃんが再び声を掛けてくれた。
「ごはん足りましたかぁー?」「はい!」「ホントに足りたぁ?」。いやホント満腹(笑)。
おばちゃん、ありがとね。
今度は「ハムかつ」か「海老フライ」をいただきに来るね。
「バンド・オブ・トーキョー☆」のロレンスさんは、コロッケばっかりを食べてます(笑)。
「三河屋」 港区西麻布1-13-15 03-3408-1304
再びお邪魔しました「門次郎」。大将がいつもの、また来ちゃったの的歓迎の笑顔(?)で迎えてくれました。不要なお愛想は一切口にしませんが、なんだか信頼篤い、安心させてくれちゃう雰囲気を持っているのです。この夜は総勢8名様ご一行。定番の「冷やし豆腐」や脂の蕩けがタダモノでない鯖を含んだ刺し盛り、いぶりがっこ、米沢牛のステーキにニコニコ舌鼓。そしてこの夜のトッピックスは、素人でも仕入れルートを知りたくなるような上モノな貝の仲間たち。旨味がギュギュッと詰まったトコブシ、姫さざえ。それはもう濃厚×濃密な海のミルクな岩牡蠣。香ばしくした仕立てがニクイさざえ
壺焼き。さらなる白眉が、大将がみせびらかすように手にしていた立派なる黒鮑
。柔らかなクキュッという歯応えに艶かしい磯の風味がそそるその身
も旨いけど、ひっくり返りそうになったのは肝のぽん酢漬け
。一点の濁りも臭みもないまま、炸裂する旨味。だはは、こりゃ堪らんて、もう。おねーちゃん、お酒、追加追加(笑)。こうして、そのスジのお歴々と交わす会話も愉しく、あっという間に夜は深まっていくのでした。
「日本フードジャーナリスト会議」から流れた今夜のご同席は、いつもお世話になっている食ブログ界のおやびんヒロキエさん、かの「ラーメンデータバンク」主宰で「自称「日本一ラーメンを食べた男」の日記」の大崎裕史さん、全国ワイドな食べ歩きネタ満載の日本食べある記@Blogさん、「カレーですけど ごめんあそばせ♪」ヘアーの紅一点華麗叫子さん、そして同じくTBMの認定特派員で軽妙な語り口な「バンド・オブ・トーキョー☆」のロレンスさん、「ジャポ二郎」で「くにろく」なくにさん、そして岩牡蠣をお持ち帰りしそうになった「じょんがら御膳検討委員長」のtakapuさん、のみなさんでした。
「門次郎」 港区六本木4-11-9ミカドビル2F 03-3475-1555
「賛否両論」「なすび亭」「Tatsuya kawagoe」「Osteria Lucca」のオーナーシェフ達が、共に設え営むと聞く「こんや」に行ってみました。嘗ての「アロマ・フレスカ」~「ラ・ピッチョリー・ド・ルル」の並び。ドアに貼られた小さなプレートが目印です。入って左手、壁に向かうカウンター形式の席奥へと案内されました。20席に満たない小体なお店のようです。酒肴の選択あれこれは頭上に掲げられた黒板から。まずは、サラダ「水茄子かぶとフルーツトマト」
にALL500円と記された小鉢系から「大山地鶏レバ刺ぶつ切り」を。フルーツトマトは、静岡の「アメーラ」という銘柄だそうで、いよいよこうした香り深くて甘旨いトマトに出会う機会が増えてきたね。レバ刺しはというと、ホントに今さっきつぶしたばかりのレバーでないのン?という程の鮮やかさ
。胡麻油でなく、おろしたての大蒜をちょんでいただきます。炭火焼やきいも焼酎「種子島ろまん」を舐めつつ、さくさくとした歯触りと香草の薫りが鰯の脂を昇華させる「いわしの香草パン粉やき」
やそのふわふわ加減に吃驚の「つくねのタレ焼」
、「賛否両論」で口にした「いぶりがっことマスカポーネ」
。「いにしへのいろは歌」という変わった名前の芋では、天かすののった「たぬき豆腐」
、発酵系の合わせ技「カマンベール西京焼」
あたりを。最後にちょっとお食事をとお願いした「酒盗チャーハン」
が、何気に、うまーい。そもそも此方のお店は、それぞれの店で活躍を終えた店主たちが気軽に“まかない”っぽくメシ喰って呑める場所がほしいというところから生まれたという。そうか、そうだね。例えば「賛否両論」で味わえた強いサプライズをここでも期待してしまったりもするけれど、そんな立ち位置の違いを踏まえて楽しむのが得策だってことですな。
「こんや」 渋谷区恵比寿2-22-10広尾リバーサイドGアネックス 03-5423-5820
久し振りの六本木は、第8回の日本フードジャーナリスト会議からの足で。後藤晴彦さんというアートディレクター&出版プロデューサーがパネリストで、日本のレストラン評論の黎明期から「お手伝いハルコ」さんでの活躍までを興味深く聴いた。さて、ところはアイビス向かいのビル2階にあるいろり焼「門次郎」さん。7名様ご一行は、囲炉裏を切ったテーブルをぐるっと囲むかたちで上がり込みました。ビールを干しつついただいたのは、大豆の香りにおう濃い味「冷し豆腐」
に薫香そそる定番「いぶりがっこ」、そして清冽な甘さ豊かな小宇宙「冷しトマト」
。店名に同じ岩手の麦「門次郎」に切り替えて、肝の苦味と磯の風味が身上の「姫さざえ」、上品に脂がのってコリャタマランの〆鯖に北海水蛸、かんぱち刺しの盛り合わせ
。「自家製明太子」がまた出色で、透明感があり綺麗に揃ったツブに柚胡椒が案配よく利いている
。「太古屋久の島」
から「かっぽ酒」に切り替えて、骨まで食べれる「岩魚塩焼」
に「ハマグリ」「アオヤギぬた」。全品食べ尽くす勢いかぁ?と思ったところで米沢牛に舌鼓
。さらには、贅沢な肉使いの裏メニュー「豚のしょうが焼き」
に「野菜鍋」
で大団円。オイラは阿たりしないゼぃという仏頂面が、反面に自信に裏づいた人懐っこい愛想を現す大将のキャラも信頼に篤い。ご馳走さまです。そうそう、「角煮コロッケ」「名物 鰯西京漬」も食べたかったな(ってもう食べれなかったけど、笑)。
ご同席は、食ブログ界のおやびんヒロキエさん、ジャポ二郎で食べある記なくにさん、胃袋偉大コスモな華麗叫子さん、姫オーラ研究委員会のよーこりん会長さん、じぶん日記な55aiaiさん、ビール浴びちゃったB級グルメ王柳生九兵衛さん、のみなさんでした。お疲れさまデシタ~。
港区六本木4-11-9ミカドビル2F 03-3475-1555
'11/08/19(金)by:まさぴ。さん
Re:桃猫さま
口 喫茶室「ポワ」で 思い出して食べたくなるナポリタン店の名は豆すっとあがれる二階なのに割とひと影が少ない気がするのは、フロアの妖しさが影響してないとは云えないでしょね。
そうですか、まだ大森ダイシンのナポは試してないので、機会を窺っちゃおうと思いますー!
'11/08/18(木)by:桃猫さん
こんにちは。お暑うございます。あの界隈では、出色のデキバエ。ひそかに、東京でも、大森ダイシンと共に、ツートップとあがめるナポリタンです。しかし、ビルのテナントが妖しい感じ?になってるのは、気のせいでしょうか。
口 Italian wine Bar「metameta」で イタリアワイン拘って呑める場所'11/08/10(水)by:まさぴ。さん
Re:hjmさま
口 Italian wine Bar「metameta」で イタリアワイン拘って呑める場所コメントありがとうございます。
黒板にあるように、わいわい呑むことを目的に訪れるお客さんはNGで、明確にイタリアワインを愉しむ目的の客のみを迎えてくれるお店です。
シェフの承諾なしに書いてます(汗)ので、その辺りはどうかひとつ穏便に願います(ぺこり)。
ぜひ、おひとりかおふたりで、「イタリアワイン呑みに来ました!」と訪れてください。
'11/08/09(火)by:hjmさん
はじめまして。
いつもブログ楽しく読ませていただいております。
ここのお店、ずっとずっと気になっていたのですが
ネット上に全然情報がなく事前に調べることもできず
行けないでいました。
グラスの値段もわかりましたし、安心して行けそうです!笑
近々行ってみようと思います。
口 HAND MADE BREAD「ベニヤ」でぐっちょりして旨い惣菜パンの道ありがとうございます!
'11/07/31(日)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口 Weißbierbrauerei「DIE WEISSE」で 赤外線パラソルの白ビールうん、そうなんだ。あのカウンターがなかったらまだ突撃してないかも~。
一瞬、全部制覇したいなぁと思ったものの、一年を通じて一体どんだけの種類があるのだろうと考えるときっと無理だね。
'11/07/31(日)by:まさぴ。さん
Re:laraさま
口 HAND MADE BREAD「ベニヤ」でぐっちょりして旨い惣菜パンの道そう、ビールを呑めば行きたくなるところの、トイレ。
当然男性用だけの仕様だよね(笑)。
プレッツェルを眺めていたら、ふとヤシガニそばが浮かんだのですー♪
'11/07/31(日)by:laraさん
まさぴ。さま。
あっ「カウンター」だった。やはりきちんとお座りになっていたのですね。
口 HAND MADE BREAD「ベニヤ」でぐっちょりして旨い惣菜パンの道壁のカンジが外だと思い込みました><
それにしてもおいしそう〜〜!
'11/07/31(日)by:laraさん
まさぴ。さま。
きゃ〜〜〜美味しそう〜〜〜></
ぐっちゃり。
焼きそばパンはたこ焼きパンだと思ってしまいました。
しかし私たち熱心な読者、まさぴ。さまのランチは必ずレストランに行って、座って、供されてお召し上がりになるものだと思っていましたのでソコが大きな衝撃です!!
口 Weißbierbrauerei「DIE WEISSE」で 赤外線パラソルの白ビール'11/07/31(日)by:laraさん
まさぴ。さま。
なんですかなんですか、トイレ?!
ザルツブルクを代表する日本人としては(?)見ておかなければ。
紅く照らされたプレッツェルをヤシガニの爪とは、まさぴ。さま流石です。
口 Weißbierbrauerei「DIE WEISSE」で 赤外線パラソルの白ビール'11/07/28(木)by:まさぴ。さん
Re:seppさま
その節はありがとうございましたー♪
いろんなシチュエーションが愉しめるビール蔵っつーことですね。
実は、一番印象的なのは、三方の壁全体が小便器という、あのトイレだったりもします(笑)。