すっかり夜の帳の降りた京都・東山。
白川沿いの暗い夜道を抜けていくと、
急に開けた感じの界隈に出る。
右に視線を振ると、朱塗りの橋の欄干が見えてくる。
その先を見上げれば、
そこには大きな鳥居の偉容に臨みます。
夜の曇天を薄っすらと照らすのは、どこの灯りでしょう。
平安神宮の大鳥居の右手には、京都市美術館が佇んでいます。
そのまま鳥居を潜って、岡崎通りの方へと抜けてゆく。
左手に平安神宮の杜を見ながら往けば、今宵の寄り道の目的地が見えてきます。
ひっそりとした界隈とは対象的に、「グリル小宝」の店内はなかなかの賑わい。
観光ちっくなテーブルに地元の方々らしきテーブルも混じります。
隅のテーブルに腰掛ければ、目に飛び込む「カキフライ、やってます。」の文字。
そうとなれば、お願いしない訳にはいかないでしょう(笑)。
メニューには、「カキフライ(冬季限定)Oyster katu」とある。
そうかそういや"katu"なのかもね、と微笑ましく思いつつ、
でも"fried"でいいんじゃないかなぁとも素朴に思う。
ビールの小瓶をやっつけていると、お待たせしましたと御兄さん。
単品1,600円のお値段に恥じないお皿のボリューム感。
たっぷりたっぷり添えたタルタルソースが嬉しいな。
しっかり色付いた衣の表情をまず愛でる。![]()
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タルタルの方へ視線を回り込ませれば、溢れ出す溶岩流のよう。
左手には付け合わせナポリタンが潜んでいます。
檸檬をさっと絞り、かぷっとかじって、ああ、旨い。
衣の香ばしさと牡蠣のミルクの滋味が一瞬間の裡に渾然と昇華する。
その美味しさを十分確認し愉しんだら、
件のタルタルソースをたっぷり載せていただきましょう。
京都で夙に知られた洋食の一軒、「グリル小宝(こだから)」。![]()
お隣のテーブルに見た量感たっぷりの「オムライス」や「ヤキメシ」。
「カレーライス」「マカロニグラタン」に「カツサンド」「ビーフシチュー」などなど定番の逸品も試してみたい。
1,400円の「ハムエッグ」って一体どんな?と思いつつ、一番気なるのは「エビジクセル」。
"ジクセル"ってなんだろう?
そんなことを考えながら、平安神宮を背にするのでありました。
「グリル小宝」
京都市左京区岡崎北御所町46 [Map] 075-771-5893
四条通りから臨む先斗町。
赴く度に、古くからの店に代わって妙にコンセプトチックな看板を掲げる店が増殖していることに気づかされてちょっぴり気分が萎える。
どきどきするような、しっとりオトナ情緒の先斗町ではなくなっていくのを寂しく思っているヒトも少なくないだろな。
そうは云っても、情緒だけじゃ店の経営を維持できないのというのもまた本当だろうと複雑な気分になったりもします。
そんな先斗町をずっとずっと進んで、もう三条に近いと思う頃。
右手に歌舞練場の建物が見えてきます。
歌舞練場は、先斗町の芸妓・舞妓さんが踊りや鳴物・唄などを練習する場所で、
「鴨川をどり」の会場としても知られているところ。
そして、その歌舞練場を背にして見上げる雑居ビルの二階が今宵の目的地です。
何度か訪ねるその度に、どうも間が悪くてお休みのことが多かったのだけど、
今夜は店の灯りが点っています。
こんばんはと訪ねると、にっこり迎えてくれる女将さん。
小さな三和土に靴を脱いで、10席ほどの小さなカウンターの隅に腰を降ろします。
酌してくれた壜の麦酒のグラスを傾けながら、
カウンターにずらっと並ぶおばんざいの説明を聞くひと時。
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目の前にあったお皿から、
炊いた季節の竹の子と蕨の玉子とじ。
女将さんに、随分と黒っぽいワラビですねー、と訊くと、灰で灰汁とりすると普通に黒くなるンです、妙に鮮やかな色味の蕨は反って怪しいのじゃないかな、と。
へー、そうなんだと頷きつつ、お酒の品書きを眺めます。
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背の低い片口からいただくは、京都の地酒、純米「月の桂」。
「小アジの蒲焼き」の二度揚げしました的な鯵は、
蒲焼きといよりは南蛮漬けのようにも見えるけど、
齧ってみると味醂の照りの感じは確かに蒲焼きの風情もして面白い。
そのお皿の鶏は?と女将さんに訊くと、応えは「酢鶏(すどり)」。
なるほど仄かな丸い酸味が脂たっぷりの鶏をさらっとした軽さにしてくれている。
酢で煮込むと柔らかくなるってヤツですね。
そして、「ほっこりや」の店の真ん中にでんと構えるのが、おでんの鍋。
そうですね、「大根」に「ひろうす」に「平天」をいただきましょう。
出汁のしっかり沁みた大根をほふほふとしては、地のお酒をキュイと呑る。
あぁ、いい(笑)。
がんもどきに滲みた出汁も薩摩揚げに温める出汁も乙なもんだとひとりごちては、
またまたお猪口を空にするのであります。
先斗町の外れで待ってくれている女将さんのお店「ほっこりや」。
ほかほかと暖かくふくよかで、つやよく、ほっとさせてくれる。
初めて訪れても、なんだか常連の店のような気分にもさせてくれるのは、
まさに女将さんの心意気と気遣いの賜物。
普段着のおばんざいがいただけるお店として、変わらずにいてほしいな。
「ほっこりや」
京都市中京区先斗町通三条下ル2材木町179 ニュートーヨー会館2F [Map]
075-213-2250
四条通りから綾小路通りへ向かって高倉通りを下ると、通りの右手に暖簾に大きく「匙」と記したお店が見つかります。
「匙」と書いて「SPOON」と読ませる、和風創作料理店のようなのだけど、折角なら「匙(さじ)」のままでいいのになぁ、などとその前に佇んで想います。
そして、その脇にひとつの行燈が辺りを照らしている。
近づくとそこには、篆書体の印影が浮かんでいて、その下に小さく、"BAR"と書いてある。
はて、なんと読むのでしょう。
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壁に立て掛けた黒板の示しに従って、
暗がりの中へと進みます。![]()
高い天井を球体の和風照明が照らす不思議な単廊から更にその奥へと足を進めると、
「お数屋 いしかわ」というおばんざいのお店があり、そのさらに奥にも暖簾が提がっている。
袋小路の一番奥にある古の京町屋。
其処が通りの行燈が示すBAR、その名も「OKU」だ。
一瞬どうしたものか躊躇うも、そのままその群青の暖簾を分ける。
すると、待ち構えていたかのような、ソファへと促がす所作にスムーズにカウンターの隅のひととなれました。
見上げる梁や柱の表情に、なるほど京町屋の風情に包まれた気分を想う。
さてなにをいただこうかな。
バックバーは、カウンターの中央から右側寄りにあって、
左端からは距離がある。
と、目の前に既に「GLENLIVET」のボトルがあるじゃぁないですか。
手に取った一本は、15年モノの"FRENCH OAK RESERVE"。
フランス産のオーク新樽で仕上げたグレンリヴェットだ。
柑橘系の香りとフルーティな甘さとの円さにぴりっとしたアクセントを含む呑み口が愉しいぞ。
もう一杯だけとお願いしたのが、「MURRAY McDAVID LAPHROAIG 1998」。
ボトラーズのマーレイ・マクダヴィッド社によるラフロイグ11年モノ。
ラベルのテイスティング・ノートには、冷却濾過、カラーリングを行わずっていないと記してあって、カシスや柘榴、桑の実、サクランボ、甘草そしてtoast、peat smoke。
カラメル色の琥珀とはちょと違うオレンジ色の滴からは、柔らかにも思う甘いフレーバーのあとからスモークな匂いがぶいんっと襲う。
高級ワインのch.ペトリュスのカスクで後熟している、のだそうです。
なるほど、ね。
四条・高倉通りから覗く暗がりの奥にある京町屋のバー、「OKU」。![]()
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ちょっと妖しい袋小路へのアプローチも、居心地のいいカウンターがその奥で待っていると知れば、また一興の愉しさ。
今度は、"京都素材のカクテル"あたりで、京都の隠れ家っぽさを満喫しようかな。
二階ソファ席もあるようです。
口関連記事:
gallery & cafe「OKU」で 木の実がいっぱい秋のパフェの造形美(08年10月)
「OKU」
京都市下京区高倉通四条下ル高材木町221-1[Map] 075-344-6040
http://www.beppinya.com/bar_oku/
四条通りが高瀬川を渡る小橋のところから河原町通り側の小路を往くと、京つけものの「村上重本店」の暖簾が近づいてきます。
その建物に沿うように、そのまま左手の路地に進むと、そんな狭い路地に空席待ちらしき行列がある。
老舗洋食「コロナ」に並ぶ皆さんの目的はやはり、有名な玉子サンドでしょうか。
オジイちゃん店主に逢うことも含んでいるのかもしれませんね。
この晩お邪魔したのはその「コロナ」ではなくて、
「コロナ」のお向かいにある釜めし「月村」。
柳色の暖簾を払うと、こちらも「コロナ」に劣らず盛況で、空席を待つひとが若干名。
静かな熱気に包まれていました。
カウンターは空かず、やや待って案内いただいたテーブルに落ち着けば、
やっぱりなんだかお銚子な気分。![]()
燗酒を所望して、さてどの辺りをお願いすればいいのかと品札の掛かる右手の壁を向きっ放しになる(笑)。
「昔ながらのしゅうまい」なんてのも気になりつつ、まずは「聖護院大根煮」。
素朴な見映えの器に鼻を寄せれば、出汁の匂いに聖護院の香りがほのかにして、いい感じ。
聖護院に柔らかに箸を通していただきます。
ああ、過ぎずかつしっかりした味付けのお出汁がたっぷりと沁みて、山椒の風味が利いています。
おあげさんはどちらのおあげさんなのでしょう。
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お銚子をお代わりして待つは、「ぐじ えび芋蒸し」。
若苗色の碗の蓋を外して覗く、葛あんに浮かぶえび芋の、つまりはマッシュ。
山葵を解しつ、すすっと箸を割り入れて、あんを絡めていただけば、ほふはふ。
えび芋のふっくらした滋味に葛に含む旨みがたっぷりと相乗してくれる。
妙な品の良さとは別の魅力があるのです。
底の方で待ち構えていたのが、ぐじ(赤甘鯛)の身。
その身のほの甘さもまた、意外と強めに味付けた葛あんと互いを引き立て合っています。
はんなりと丁寧に応対してくれる女将さんに〆にとお願いしていたのが、「かき釜めし」。
陶磁器の釜の蓋をぱかっと開ければ、立ち昇る湯気。
そこにはぷっくりした牡蠣たちがごろごろっと待ち受けていました。![]()
その釜から直接小振りな杓文字でどうぞ、と女将さん。
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出汁で炊いたご飯に蒸し湯掻いた牡蠣の合歓。
うん、悪くない。
ただこうして、汁っけが多くて、
ご飯のひと粒ひと粒が崩れた感じにベタっとしているのが「月村」流か。
炊き込みご飯的な仕上げであったらもっと美味しくいただけそうな気もするけど、具材が牡蠣であることも影響しているのかな。
湯気とともにちょっと水分飛んだらいいのかな、と思って杓文字でご飯をひっくり返したら、そうせず召し上がれ、と女将さん。
んー、これ以上ご飯を捏ねてぐっちゃりさせないようにかなぁ(笑)。
木屋町の細い路地に灯りを点す、釜めし「月村」。
所謂おばんざい料理屋とはちょっと違う風情を思いつつ、それでも間違いなく家庭料理の延長線上にあるような、そんな不思議な印象を抱かせます。
「月村」には、釜めしだけの客もあれば、じっくり呑もうかという客もいる。
狭いお店に滞在時間の違う客たちが訪れるせいもあってか、予約を入れて満席の不安なくお邪魔することは難しいようです。
「月村」
京都市下京区西木屋町四条下ル船頭町198[Map] 075-351-5306
麗らかな陽光の射す鴨川の川辺。
思えば、四条大橋の橋上からや川端通りの漫ろ歩きで眺めたことはあっても、こうして河原を歩くのは初めてだ。
遠くで鳶が鳴いています。
四条から河原を下り歩いて、団栗橋を潜り抜け、
松原橋のその先は五条の大橋だなぁと目を細める。
土手の上を振り向いて、ちょうど仏光寺公園という小さな公園のところに見つかるのが、
鴨川に面した「イル・ギオットーネ」の新店「クチネリーア」のテラスです。![]()
扉の前に立つと、中から扉が開いて、迎えてくれる。
数段の階段を降りる前はもとより、
案内されたテーブルからも鴨川の景色が間近に感じられます。
PRANZO(ランチ)のメニューは、
AコースBコースにシェフおまかせのスペシャルコースの3種類。
ここは大人しく、Aコースをお願いしましょう。
酸味控えめしっかりめでとおススメのシャルドネの白をいただいて、
改めて窓越しの鴨川を眺めます。
うん、いい心地。
そのグラス片手に覗き込むのは、
アンティパストの「カラ付帆立貝とほうれん草のスフレグラタン」。
帆立とホウレン草とのグラタンはカジュアルにしてポピュラーだけど、そのソースがスフレ状にふわっと柔らかなのがキモ。
エスプーマ的手法なのでしょうか。
ふた品めは、
「もどりガツオとリンゴのミッレフォーリエ、たっぷりの和サラダとフェイクキャビア」。
首を傾けて横から眺めると、なるほど葉サラダと林檎のスライスと鰹の切り身が断層をなしている。
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ドレッシングと一緒に振り掛けられているのは、唐墨のフレーク。
どうやって食べるのが真っ当なのだろうと少々悩みながら、真っ直ぐナイフを入れてみる。
うん、食べやすくはないね(笑)。
そして、それってなーに?だった「フェイクキャビア」は金のスプーンの上に。
林檎で作った、との説明通り、粒々が優しく弾ければ林檎の甘み酸味風味が広がるという仕掛けです。
陽の明かりに透けた表情が綺麗だね。
パスタはというと、
「ささがきごぼうとベーコンのトマトソースのバヴェッティーネ、七味の香りで」。
確か丸の内のお店でもこのバヴェッティーネだったような気がすることから、シェフお気に入りのパスタなのかもね、などと考える。
湯掻いたささがき牛蒡の柔らかくもどこかに芯のある感じとパスタの食感が似て非なるところが面白い。
そして、トマトソースのパスタに所謂レッドペパーでなくて、七味の風味をもってくるところもまた愉しからずや。
セコンドは、「とろとろに煮込んだ3種類のお肉を巻いた鶏肉、ちょっと風変わりなボッリート・ミスト仕立て、インゲン豆のクレマと白菜添えマスタードソース」。
お皿の中央に鎮座しているのは、牛ホホ、牛タン、豚バラ肉をとろんと煮込んで、それを鶏モモ肉で包み、炭火で炙り焼いたもの。
八坂の塔脇の本丸でいただいたもののアレンジだ、これ。
その形状にふと、与那国島の「軍艦岩」を思い出す、自分が可笑しい(笑)。
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洒落たナイフで押し切るように二分して、マスタードの風味に白隠元の甘みが交叉するソースでいただきます。
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あれこれお肉の旨みが渾然として、そこへ柚子の香りが色を注す。
うん、いいね。
ドルチェは、ココナッツのブランマンジェに洋梨のソースとミントのシャーベット。
ポイントは、シャーベットのミントの風味。
ブランマンジェのほの甘い滑らかな食感や洋梨独特の素直な甘さを品よく引き立ててくれています。
笹島シェフのみっつ目の店「CUCINERIA(クチネリーア)」は、
「IL GHIOTTONE」のカジュアルライン。![]()
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いただいたリーフレットによると、「クチネリーア」は造語で、キッチンを意味するイタリア語「クチーナ」から創造したもの。
特別な日の「リストランテ」と日常の「トラットリア」の中間的な、普段使いできる「大人のカジュアル」がコンセプト、ともある。
なるほど振り返ってみると、それぞれの料理に対する"ひと工夫"が判りやすく伝わってくるお皿たち。
当然ながらもそれが、下世話なちょい足しに留まらないところがシェフゆえの采配と仕立てなのでしょう。
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RISTORANTE「IL GHIOTTONE」京都で お肉たちやわらか煮(08年06月)
RISTORANTE「IL GHIOTTONE」丸の内で 京都縁な食材との妙(07年02月)
「IL GHIOTTONE CUCINERIA」
京都市下京区木屋町松原上ル2丁目和泉屋町160フジタ・ランブラス館1F[Map]
075-353-8866 http://www.cucineria.jp/
ところは祇園の切り通し。
ロジウラーとしては、賑やかな花見小路などよりも、断然気になる筋であります。
例えば、うどん・親子丼「ぎをん権兵衛」やバー「コペルニクス的転回」も切り通し沿いのお店。
そして、八坂神社前の「いづ重」初代の奉公先だという、同じく切り通し沿いのお店「いづう」にもいつか寄ってみたいと思っていました。
白川を渡る巽橋方向からアプローチするのが風情であります。
たたきに置かれた畳敷きの椅子に腰を下ろします。
開くお品書きも、質実な匂いのする。
「鯖姿寿司」「小鯛の雀寿司」「鯛寿司」「鱧寿司」から巻き寿司4種に「箱寿司」「京ちらし寿司」「蒸し寿司」。
「御台所寿司」「弥次喜多寿司」とはどんなのだろうと思いつつ、目線を「盛合せ寿司」に移して、お願いしたのが「鯖寿司小鯛寿司盛合せ」。
折角なので(?)、冷たいお酒もいただきましょう。
伏見の酒「一滴」をつつつと舐めながら待つこと数分。
艶々とした昆布で包んだ鯖寿司、そして小鯛鮨が三切れづつでやってきました。
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昆布はどうしたらよいの?と尋ねたら、外して召し上がりください、と云う。勿論食べられますので、お好みで。
鯖や小鯛の身と酢飯が分かれてしまわないように細心の注意を払って、くるりと昆布を剥がしていただきます。
脂の載った鯖の旨みを想像しながら口にしてしまった所為か、あっさりし過ぎて物足りないなぁというのが、正直なところ。
小鯛は、その名の通り小さめの鯛で、若いがゆえに皮目を残せるのだそう。
なるほど鯛らしい風味が仄かにする、とても淡白なお味です。
天明元年(1781年)の創業という、寿し「いづう」。
帰り際にいただいた小さなリーフレットには、初代である「いづみや卯兵衛」の名をとって屋号を「いづう」とした、とある。
京の鯖寿司は古来、若狭湾から洛中へのいわゆる鯖街道で運ばれ、お祭りなどの御目出度い「晴れの日」にいただく風習のものであった、とも。
「いづう」の鯖寿司をいただくに、二百余年の伝統を守ることは、なにものにも迎合せず頑なに変えないことなのです、と語っているように思ったりする。
それは、なんとはなしに寂しくも感じる愛想のなさと、裏腹なことなのかもしれません。
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京寿司「祇園いづ重」で鯖姿寿司と鱧そぼろの箱寿司鯖の肝旨煮(09年10月)
「いづう」
京都市東山区八坂新地清本町367[Map] 075-561-0751
とある週末の花見小路。
少々ヘソ曲がりゆえ、如何にも観光客御用達な花見小路は極力避けるようにして、裏手へと路地へと入り込もうとするので、花見小路通り沿いのお店にはほとんど入ったことがありませんでした。
この日もちょうど、徘徊した路地から通りへと出てきたところ。
何気なく角に建つ御茶屋風の建物の店先を眺めると、品書きに「パフェー」の文字を発見。
表札が示す店の名は、「花彩」だ。
畳みの上を奥へと案内されて、坪庭の手前のテーブルに腰を下ろす。
眺める箪笥の前には、京の小物たちが並べられています。
季節モノの「桜パフェー」なんてのもあるものの、
気分はすっかり「抹茶パフェー」。
ほとんど間を置かずして受け取ったのは、四角くて浅めの小皿。
うーむ、これを「パフェ」と呼んでいいのかどうかと腕を組む。
いや、ま、いっか(笑)。
すでにちょっと傾いているあたりが微笑ましいじゃんと思いながら、如何にもの抹茶色アイスに手を伸ばします。
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どこぞの出来合いか、もしやお手製かどうか訊き損なってしまったけど、
抹茶の風味が活き活きとして、なかなかに旨いアイスだ。
またまた小豆との抜群の相性の良さを体感してから、 その下に敷かれた抹茶の寒天にスプーンを挿し込みます。
アイスよりも苦みの強さが大人な感じもこれまた小豆と仲良しであること疑いなし。
ああ、あっという間に食べちゃった(笑)。
ちょうど食べ終えたところで、手前に座っていた大学生風男三人組みのひとりが、たまたま居合わせた女将さんに、まるで「パフェー」でも注文するかのようにお気軽にこう訊いた。
「舞子さんとかって、呼べるンですか?」。
金額を聞いて、一瞬フリーズしてから、「高っけぇー!」とハモる三人。
それでも、「じゃぁ、稼いでから予約すればいいんですね」と云うあたり、可愛らしいじゃないですか。
オジサンはとても真似できません(笑)。
築100年を越えるであろうという元お茶屋をそのまま使った、
甘味処&和小物の店「花彩」。
元芸妓さんの女将さんが1999年に開業したンだそう。
閉鎖的で敷居の高いと思われがちな花街・祇園の風情に気軽に触れてみて欲しいとする女将さんの意図は、先の学生の挙動で十分に果たされていることが分かるね。
「花彩」
京都市東山区祇園花見小路四条下ル三筋目西角[Map] 075-532-0088
http://www.gion-kasai.jp/
ずっと気になっていた、
丸太町の中華そば店「麺屋○竹」。
早い夕方に訪れても、売り切れ仕舞いを知るに留まること幾度か。
確か、魚介系スープが世間に広く伝播するに前後してのことだったと思うので、随分永い間の課題店だったことになる。
行列を作ることも少なくないらしかったけど、今は流石に落ち着いてきているのでしょうか。
昼下がりの竹屋町通りを辿り、お邪魔しました。
お品書き
には「中華そば」に「背脂醤油」「つけそば」「味噌そば」が並ぶ。
デフォルトに思う、「名物 中華そば」の並をいただきましょう。
キッチンから「ボーー!」と聞こえてくるのは、チャーシューを炙っているバーナーの音。
捧げるようにして、ドンブリが届きました。
キャプションを差し込むように立て掛けた海苔一葉には、
「京都 名物 魚出し 麺屋○竹」の白い文字。
「なんでんかんでん」で見るプリント海苔と同系の技術なんだろね。
およそ澄んだスープには、揚げ葱と刻み九条葱が浮かび、脂は少ない。
まずはと啜った蓮華のスープは、じっくりと深い旨みが濁りなく満ちていて、膨らんだ期待通りの味わいだ。
ダクダクと乱暴に沸かして煮出したら、こんなスープにはならないに違いない。
海産物の出汁スープを動物系のスープが下支えする、その按配がいい。
二つ折りのショップカードには、京都産の生醤油や沖縄産の海水塩などをブレンドして使っているとある。
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エッジが利いて熟成した粉の風味がサクサクと味わえる麺も好みのタイプだ。
ふとお店の奥をみると、そこにはもうひとつの暖簾があって、頭上に「○竹庵」とする木看板が掲げてある。
「麺屋○竹」はその奥に和食処を設けていて、「地魚定食」「海老ふらい定食」「天ぷら定食」といった定食を始めとする魚料理も提供しているらしい。
羽釜のご飯は「○竹庵」のためでもあったのだね。
ラーメン好きが高じて、創作志向の海鮮中国料理の店からラーメン店に転身したという「麺屋○竹」。
ラーメンマニア×中華料理人が奇を衒うことなく仕立てたラーメンに、完成度への感心と満足とを思いつつ戻る、竹屋町通りでありました。
「麺屋○竹」
京都市中京区竹屋町通堺町西入ル和久屋町101番地 [Map] 075-213-1567
秋も深まる頃の京の都。
洛中には、紅葉の時季ともなれば大混雑を呈する名所が数多あることでしょう。
ところがなんとも無粋なことに、そんな風雅な気分を圧倒的に抑えて喰い気ばかりが先行する自分が可笑しくて(笑)。
そうは云っても、ちょっとモミジの一葉も眺めるくらいはいいではないかと訪れたのが京都御苑。
東西を寺町通り・烏丸通り、南北を丸太町通り・今出川通りに挟まれた広々とした敷地に京都御所や仙洞御所などを配していて、その周囲が木立に囲む庭になっています。
そこここに紅や橙に色付いたモミジの木々が連なっていて、さりげなくも味わいがある。
一眼カメラを肩に掛けたオッチャンたちが往き来するのもなるほどと一枚だけスナップを。
さて、御所の周りをぐるりとひと廻りして十分お腹を空かせたところで南側の堺町御門から丸太町通りに出る。
そして京都地裁の右手から辿るは、柳馬場通り。
「京都司法書士会館の脇ですよ」と訊いていた通り無事、
プチレストラン「ないとう」に到着です。
石を敷いた狭いアプローチを覗くと、洋食屋らしい木彫りコックの黒板の向こうに銀の瓦を頂いた門と絣の暖簾。
暖簾の先に、町屋を改造したという「ないとう」の家屋が板塀の隙間から窺えます。
予約の名を告げて、坪庭を臨むカウンターの一番奥へ。
さっきの板塀にも「御詫び」が貼ってあった通り、人気だったという「ランチ定食」は、19年8月で取り止めていて、今のランチどきは、セットと語尾につけた6種の黒板メニューから選ぶもの。
メンチカツなんかも旨かったらしいよなぁとぷち口惜しがりながら選んだのは、黒板筆頭の「スペシャルセット」。
折角なので(?)、グラスの赤あたりもいただてしまいましょう。
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付き出しの、焼き大根と堀川牛蒡の素揚げをアテにグラスを傾けていると、急に内藤さんがぬっと顔を突き出して、「牡蠣、大丈夫です?」と訊いた。
勿論空かさず、「うん、大好物です」と応えると、ではではとお皿に据えてくれたカキフライ。
なぁんだそふいふことなら白にしたのになぁ(笑)。
そして、可愛らしい牡蠣フライひとつが妙に嬉しいのであります。
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目の前で、車海老に衣をつけたり、デミソースをかけたりする様子を眺めるひとときも悪くない。
サラダに続いてやってきた盛り合わせのお皿には、「車海老のクリームコロッケ」に「ヒレ豚かつ」「ハンバーグステーキ」。
足をバタバタ動かしてヒレかつに乗り上がろうとでもしているかのような車海老。
その車海老は、ぼてっと腹巻をしているかのような衣を纏っている。
その腹巻部分には海老の身を含んだベシャメルのコロッケ。
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まったりした風味にじっと目を閉じてから、尻尾を齧り、頭を齧る。
パリパリと心地よい香ばしさで車海老を完食したら今度は、コロンとしたフォルムのヒレ豚かつに食指を伸ばす。
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そして粗く叩いた食感もそこそこに、脂に頼らない赤身肉の旨みを思うハンバーグ。
豚汁とライスを平らげれば、吐息ひとつの満腹だ。
京都御苑近く、柳馬場通りのプチレストラン「ないとう」。
気取りのない洋食屋であれば素敵に旨い。
ただ、三条から移転しランチを止め、定食をセットメニューに置き換えて、町の洋食屋から一角のレストランへと趣を変えようとしているようにも映る。
その上昇志向は否定されるべきことではないけれど、もう既に"プチ"の枠から外れた力量と実直なきらめきあるレストランに至っているかどうか、この日のランチでは判然としませんでした。
「ないとう」 京都市中京区柳馬場通夷川上ル西側5-232 [Map] 075-211-3900 http://petitrestaurant-naito.com/
八坂神社西楼門の目の前という立地ゆえ、どうもあからさまな観光スポットのひとつのように思えて、気になりつつもお邪魔することのなかった「祇園 いづ重」。
向かって左手の硝子越しでは、「鯖姿寿司」を筆頭に「箱寿司」「巻寿司」「小鯛笹巻」「海藻巻」「サンマ巻」「粟麩巻」といった京寿司がディスプレイされて、覗き込むひと達を誘っています。
ふと、ちょっと呑んでお腹を満たすのちょうどいい機会かと思い付いて、茜色の暖簾を払う。
奥でいただけるんですよね、と訊くと、ハイでもただいま満席ですのでお待ちください、と火鉢の脇の長椅子へと掌で促してくれました。
「く」の字を描くように奥へ進む、その両側は格子の壁。
能の謡か科白かを貼り込んでいて、
古色を含む雅な空間になっていて不思議に落ち着きます。
店頭の品書きも念頭に、テーブルで睨むお品書き。
兎に角「鯖寿司」は外せないのだけど、一本はもとより半本でも「鯖姿寿司」だけだと飽きちゃうかもですよ、と小声でアドバイスしてくれる姐さん。
ですよね~と応えて、となれば、京寿司の組み合わせモノが相応しいのでしょう。
では、組み合わせ「鯖とぐぢ」では訊くと、「ぐぢ」が売り切れ(泣)。
気を取り直して、お願いしたのが「鯖と箱」であります。
ちょこっとお酒をいただいて、そのお供にとなにかと改めて品書きを眺めつつ、
何気なくちら見した柱の貼紙に「鯖の肝旨煮あります」の文字。
ほー、きっとそれは、いいんでないの(笑)。
姐さんは、はいよってな調子で注文を受けてくれ、さっと届けてくれた鯖の肝。
その姿のままでありながら、パテにした鶏レバーに似た柔らかなコクを思う食感と味わい。
こりゃ、まさにお酒がすすんで困る、って奴だね。
そしてタイミング良くやってきた、「鯖と箱」。
「箱寿司」は、つまりは押し寿司で、小鯛、とり貝、えび焼身、厚焼き玉子、椎茸の押し寿司を碁盤の目にパッチワークしたかのように艶やかに箱に収めたものが「上箱寿司」のスタイルらしい。
組み合わせの「箱」は「並箱寿司」で、この時季は活き鱧で拵えるもの。
鱧のそぼろがほの甘く香ばしい。
酢飯とよく馴染んで、シンプルな姿に一種の手練を思わせます。
その背後に控えるは、対馬産鯖による「いづ重」名代「鯖姿寿司」の三片。
「昆布はとってから召し上がってください」ということで、やや粘りをみせる昆布をその周りから剥がすと、鯖らしい銀の縞模様が姿を現す。
切れ味潔い断面を愛でながら喰らいつくと、うん、旨い(笑)。
鯖らしい風味が丸く柔らかく凝縮していて、角なくこなれた酢飯との一体感もいい。
半本くらいお土産に買って帰ろうかしらん。
「いなり」も気になる、祇園石段下京寿司「祇園 いづ重」。
初代が奉公先の「いづう」から暖簾分けを許され、明治の末に創業したという老舗。
その「いづう」との食べ比べもしてみたいな。
「祇園 いづ重」 京都市東山区祇園町北側292-1 [Map] 075-561-0019
京都に古くから続く京都肉のお店があると知ったのは、
丸ビル35Fでのことでした。
摩天楼からの風景を抱いた、唯一の東京進出店で品書き末席のステーキをいただいた時。
四条大宮の通り沿いの暖簾や高瀬川沿いの看板を認めては、ここにあるのだねと思っていました。
今回図らずも、その「モリタ屋」へお邪魔する機会に恵まれてタクシーを降り立ったのは、木屋町通りと三条通りが交わる辺りです。
部屋の座椅子に収まって、すき焼きにしましょうかと係りのオネエサンに注文を終え、麦酒を手にすると何故か、じゃ社長おひとつどうぞ、なんて洒落のひとつも云いたくなるのは、それだけ社用にも使われそうな雰囲気芬々であるからなのかもしれないね。
前菜で麦酒をやっつけていると、お待ちかねのお肉や野菜などの具材がやってきた。
脂身を焼いて潤いとして、適度なサシに赤が鮮やかな薄切り肉を焼いてくれるオネエサン。
醤油を敷いたところに、結構な量の砂糖を載せる。
そこが割下の関東と違うところだよねーとか、こうする方が"すき焼き"という名に相応しいよねーなどという茶々にも手を動かしながら上手に応えてくれる。
そんなやり取りに手馴れていても嫌味がないのが、老舗の風格か。
とかなんとか考える間もなく、赤かった肉に火が入って、食べ頃のサインを送ってくる。
もーいきなり早速、お肉をどうぞと云われるがまま、溶いた玉子にとぷんとして、口へ運ぶ。
数回の咀嚼の後に残るのは、砂糖の甘さか肉の旨味か。
いや、甘さが引き出す肉と脂の滋味と考えるのが幸せか。
そりゃもう、旨くないわけないわなぁー、というのが正直な感慨であります。
その甘さや脂がしつこいかというとそうと、そんな印象はなく、つるんと胃の腑に落ちる感じ。
お酒をどうしようというところで、進められたのが「シャトー・モンテュス」。
意外やきっちり冷やしてある赤を口に含むと、ググッと濃いぃボディとタンニンの厚み。
一種圧倒的な肉の旨味や甘みをドライに受け止めて洗い流すようにする。
すると何事もなかったかのように、次のお肉に箸が伸びてしまうという、
悪魔の循環がここにある(笑)。
ま、なにもワインじゃなくて、芋焼酎あたりでもいい気がするけどね。
お肉に感心させたところで、鉄鍋に玉葱や焼き豆腐、しらたき、九条葱、牛蒡のささがきなんかが敷き詰められて、肉から零れ出たエキスをまでをも吸い取ろうとしている。
それらをひと通り平らげたところで、「お肉、追加、しはります?」と訊くオネエサン。
どうせ追加するンでしょ、暗に云われているようでもあるのが口惜しいが、いや結構ですとも応え難い状況が先に立って、再び色の変えていく肉を見詰めることになるのですね。
さらには、「松茸の土瓶蒸し」を啜りながら目を閉じる。
五感を鼻先と口元を入口に研ぎ澄まそうとしてしまうのは、何故(笑)。![]()
柚子の香りのアイスと果物のデザートをいただいて、大団円、満腹であります。
和知高原や京丹後市弥栄町に直営の牧場を持っているという「モリタ屋」。
明治二年に卸売として創業し、小売そしてすき焼き・しゃぶしゃぶの店を営むようになったという。
コースターや暖簾にあるマークは、牛車だね。
今度は、京都牛の「オイル焼き」なるものも所望したいと思います。
口関連記事:伝統と文化の味・京都肉「モリタ屋」で ステーキ御膳素直な美味(05年04月)
「モリタ屋」木屋町店 京都市中京区木屋町三条上ル上大阪町531 [Map] 075-231-5118 http://www.moritaya-net.com/
久し振りに八坂の塔への石畳をゆっくりと上がる。
例によって、なんちゃって舞妓さんが塔の前辺りで佇んでいるのをやや遠くに眺めながら、ゆっくりと。
塔に突き当たった処を左に行けば、「イル・ギオットーネ」だなぁと思い出しながら、のんびりと。
金剛寺の前からT字に折れる下河原通りという小路との角には、板塀で囲んだ日本家屋がある。
そこが、今日のお昼の目的地、京料理店の「修伯」だ。
白木のカウンターの中央へ通されて、ひとまずプレモルを所望する。
大振りな海老の殻を剥いたり、刺身のさくに包丁を入れる主人の所作が目の前で眺められて、それを肴にツツッと一杯。
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5,000円のコースの最初の器は、栗やお麩、三度豆などを含んだ白和え。
後口のクリーミーさが印象的だ。
続くお椀は、鱧と冬瓜。
やや濁りを思うも、しっかりとした旨味を伝える出汁にしみじみ。
ふんわりとした鱧の身と出汁をたっぷり含んだ冬瓜の身を交互にいただき、ぷちほっこり。
今度は、五つの小皿が並べられて、それは、天然鯛の昆布じめ、剣先烏賊のつくり、さわらのしゃぶしゃぶ、鯖の棒寿司、秋刀魚の肝醤油がけ。
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熟成して甘くさえある鯛の身、細かい包丁が甘さを引き立てる烏賊の身、腸の香りが大人な秋刀魚の身。
それぞれをちょこっとずついただけるという訳だけど、雑然と小皿を並べられると、やや興が冷める感もある。
大きめの目の皿にゆったり離して配置して供する方がいいのじゃないのかな。
お次は、長皿の左にかますを柚庵で焼いたもの、右に万願寺甘唐、海老芋にフルーツトマト。
かますの身がほろほろとしながら脂で解け、皮目の香ばしさと一緒に嬉しがらせる。
出汁あんのたっぷりかかっているのは、蕪とあまだいの蒸しあげ。
あまだいの身の品のいい甘さに目を閉じて、その下のかぶの甘さにもまた目を閉じる。
あんを全部掬って食べちゃったのは、ちょっと下品だったでしょうか(笑)。
ここでご飯となって、それが入り口の竃で炊いてた、むかごご飯。
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むかごの香りが微かにご飯にも移っている、ような気がします。
そして、デザート。
諳んじた内容を辿るように、七つほどのデザートの説明をしてくれ、そこからいくつでも選んでいいと云う。
思わず、「あ、賛否両論と一緒ですね」と云いそうになって、ここが京都だったことを思い出して、云い噤む(笑)。
お、選択肢の中にパフェがある!
ってことで、ここでまたまた急遽、「パフェラッチ!」。
「桃のパフェ」は、下層にタピオカ、中層に刻んだ桃、
上層に生クリームとバニラアイスのトッピング。
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桃の澄んだ甘さとむにっとしたタピオカの取り合わせは、なかなかどうして悪くない。
天火で炙った紅芋饅頭は、薄皮の中にたっぷりの粒あん。
甘さをおさえたあんの深いコクが口腔でむむっと花開いて、さっと消えるのだ。
八坂の塔を眼前に臨む、京料理「修伯」。
フレンチの経験を下地に持つという主の吉田修久さんは今、白木のカウンターの中にある。
ひとつひとつのお皿に、特別遜色があるという訳ではないのだけれど、全体の印象として、どこかちぐはぐというか、完成度がもう一歩緩いというか。
そんな気がする。
それは、ささやかでも、くっと引き込まれるような感動を期待しているからのことでもある。
そんな印象を抱かせるのは、まだ若い主人のフレンチの経験が京料理の中で昇華する途上でのことなのでしょうか。
口関連記事:
RISTORANTE「IL GHIOTTONE」京都で お肉たちやわらか煮(08年06月)
日本料理「賛否両論」 でめくるめくおまかせにデザート全部(07年02月)
「修伯」 京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町392 [Map] 075-551-2711
京都でラーメンというと何故か、
叡山電鉄の一乗寺を思い出す。
暗がりに浮かぶ、有名店「天天有」の黄色い看板。
そしてそのお隣で既に売り切れ仕舞いしていたのが、
ラーメン荘「夢を語れ」だった。
かの「二郎」の店を京都で実現した「夢を語れ」は、こってり土壌にすっかり定着しているのだなぁきっと、と思ったものです。
いつか「夢を語れ」を啜りにまた一乗寺を訪れる機会がないかなぁと思っていたところに、くにちゃんから指令が出た(笑)。
「夢を語れの新店に行くべし、地球規模で考えろ」と。
京阪の丹波橋駅からひと気の少ない京町通りという道を往く。
やっぱり気になるラーメン店に向かう時は、不思議と足取りが軽くなるもんだと、そんな自分を笑っていると、国道24号に出た。
そこから左を臨むと、あった、ありました。
その名に負けず、でっかい文字の躍る青いテント。
妙な納得をしながら国道を渡り、空席待ちの列に並びます。
5人ほどの列がちょうどいい。
お隣は、タイガースの川藤幸三プロデュースの店が競っているね。
券売機で押したのは、"○地"のボタン。
標準としている300gではなく、少なめ200gとしたい場合は青い洗濯バサミ、15分でそれを平らげる自信のあるヒトは、白い洗濯バサミで400gを示すルールになってる。
ボクはここで、青い洗濯バサミの世話になる。
それを邪道と云うなかれ。
一種の達観をしてしまってからは、「二郎」を美味しくいただくコツは少なくいただくこと、だと心得ているからなんだ。
順次カウンターに案内されると皆が皆、給水器でコップに水を汲み、背面の棚からレンゲと箸を取り出し、おしぼりを手に取る。
その4点セットがカウンターの上に並ぶ光景は、可笑しくも美しい。
「ニンニク入れますか?」。
例のコールに応えて、受け取ったどんぶり。
もやしがてんこ盛りになることもなく、一味の赤がアクセントを散らす。
見るからに蕩けそうなチューシューと脂の表情に見とれながら、レンゲで掬ったスープを舐める。
うんうん、脂の甘さに醤油ダレがキリッと芯を与えていて、いい。
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むんずと箸の先を引き上げて啜るやや平打ちの麺が、これまた旨い。
粉の風味が伝わる絶妙な茹で加減で、今更ながらアルデンテ然るべし、なんて感心をしながらワシワシとした量感も愉しむのであります。
一味の辛味をスープに溶きつつ、はふはふずるずる一気に食べたら、あっけなくなくなっちゃった。
スープには背脂がたっぷりと浮かんでいるものの、食べ口は敢えて云うなら、すっきりマイルド。
これだったら、標準300gでも問題なく美味しく啜れたに違いない。
やっぱり、めっちゃ苦しい膨満感が「二郎」系の醍醐味だもんなぁと一瞬思うも、いやいや、もちょっと食べれると、そう思うくらいがちょうどいい。
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「夢を語れ」のセカンドブランド、「地球規模で考えろ」。
近鉄・伏見駅に向かいながら肝胆に思うは、地球規模には遠く及ばないほどささやかだけど、ホッと確かな満ち足り感でありました。
Webページには、「地球規模で考えろ」のテーマソングが入った高田リオンなる歌い手のCDが近日発売とある。
なんだか聴いてみたいな、一度(笑)。
口関連記事:ラーメン専門店「天天有」 で煮卵入りチャーシューメン(07年10月)
「地球規模で考えろ」 京都市伏見区撞木町1153-9 [Map] 075-644-7544
http://yumewokatare.pod2.biz/
四条通りから縄手通りの筋を下って、
一本目を左に折れる。
クランクしながらそのまま行けば、
花見小路へと至る裏道。
その裏道にひっそりと佇むのが、祇をん「萬屋」です。
休日は不定休で、早仕舞いすることもあるのか、この店に何度フラレたことか。
呑んだ仕上げにいいに違いないと踏んで、そんな時刻に足を運ぶと既に灯りが落ちていたり、お昼に啜ろうと思って勇んで行ったら休日だったり。
さてさて、「萬屋」といえば「ねぎうどん」。
「ねぎうどん」には幾つか種類があって、油揚げ入りのものを「えびな」と呼び
、おぼろ昆布入りが「よしおか」、とり肉入りが「つのだ」だ。
お願いしていた「ねぎうどん えびな」のどんぶりがやってきました。
ハキハキと小気味いい応対をしてくれるオバチャンが「生姜のってますから」と言葉を添えてくれる。
おろし生姜を解いて召し上がれ、ってことなのでしょう。
まずは蓮華で甘汁をひと啜り。
うむうむ。
箸の先で払うようにおろし生姜を鏤めて、ドンブリの底の方からうどんを引き揚げて啜ります。
細面のうどんは、噛み応えも柔らか。
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シャクっとしながら、独得の甘みをもつ九条ねぎの青々と一緒にまたひと啜り。
うどんよりも葱のボリュームの方が多いのでは?なくらいのたっぷりとした九条ねぎが嬉しい限り。
女性陣にもバッチリとウケそうな、そんなうどんでありますね。
祇園町南側の裏道で、はんなりしたひとときを九条ねぎのうどんと過ごせる「萬屋」。
食べてみてやっぱり、呑んだ仕上げの一杯にもまた相応しい。
21時半がラストオーダーのようですよ。
「萬屋」 京都市東山区花見小路四条下ル二筋目西入ル小松町555-1 [Map] 075-551-3409
「割烹 なかじん」で「麦切り」を啜った時に、
あっ!と思い出したのが、百万遍にある「ろぉじ」。
全粒粉を使った風味とつるんとした食感には、同じベクトルを感じます。
そういえば、「ろぉじ」にはそもそもの本丸があったはずだと思い至って足を運んだエリアが、
「なかじん」からも遠くない、高倉二条です。
比べるにはやっぱり、つけ麺だったかなぁと思いつつ受け取るドンブリはコンパクトサイズ。
赤みを帯びた褐色のスープは一見濃厚そう。
ところが啜ってみると、過度な脂やタレの味、ましてや化調のトゲのない、見た目を裏切るクリアなコク味とでも申せましょうか。
和出汁が動物系の旨味と程よくバランスしていて、酸味に思える風味も過ぎる。
そして、箸の先で引き上げる麺。
全粒粉のツブツブや麗しく、歯触りは、もちっとぴろっと。
いいね、いいね。
とろーんとしたチャーシューもとろーんと黄身が零れる味玉も高水準。
歯応えありありの極太メンマはやややり過ぎか(笑)。
てなこと考えながら、一気呵成に食べ啜る。
ああ、夜の部一巡目の一番初めに食べ終わってしまいました。
高倉二条の麺や「高倉二条」。
「なかじん」の麦切りとの比較に答えを出す必要もないけれど、
つけ麺も食べちゃえば良かったかな(笑)。
口関連記事:
つけ麺や「ろぉじ」 で挽きぐるみ的つけ麺と鯛ぶぶ京の路地(08年05月)
炭火と天ぷら「割烹 なかじん」で 山野草の天ぷら全粒粉麦切り(09年05月)
「高倉二条」 京都市中京区高倉二条東南下ル 観音町64-1 [Map] 075-255-9575
'11/12/04(日)by:まさぴ。さん
Re:takapuさま
口 中華ソバ「伊吹」で むほほほ煮干し中華ソバと限定煮干しソバコントロールされながらも一定の幅があることを愉しむノリで足を運びたいよね。夜の部限定の塩辛さにも幅があるのかな。試してみてね~。
'11/12/04(日)by:takapuさん
スープの濃さが日替わりですからね。
このロシアンルーレット的な感じも、
行きたくなる理由ですね。
ただ、夜バージョンをいかにして攻略するかが…
口 洋食「スワチカ」で かきフライしょうが焼きスワチカはカレー粉のとにもかくにも、1回は行かないとですね。
'11/11/30(水)by:まさぴ。さん
Re:Gingerさま
口 洋食「スワチカ」で かきフライしょうが焼きスワチカはカレー粉のなかなかそそるビジュアルでしょ♪Gingerちんが知らなかったってのは意外だけど。ちなみにナポリタンはないません(笑)。
'11/11/29(火)by:Gingerさん
これはおいちそ♪
口 Humburger「BROZERS'」で ロットバーガー軽妙バンズ弾ける旨み全く知らなかったので
早く後追いしなきゃ!
'11/11/15(火)by:まさぴ。さん
Re:Rさま
口 Humburger「BROZERS'」で ロットバーガー軽妙バンズ弾ける旨み仰る通り、出来立てをいただくのがいいですね。
あのバンズの軽~い歯触りと肉ジュースほどよく滴る感じは、即食べならでは。
なぜにハンバーガーにはコーラになっちゃうんでしょうね(笑)。
'11/11/15(火)by:Rさん
あぁ~食べた~い。
口 家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍冬瓜蕃茄縞綱麻の野菜パフェ一度デリバリーをお願いしましたが美味しさが半減。
お店で頂くのが一番です。
私も必ずコーラを注文。
'11/11/06(日)by:まさぴ。さん
Re:ぺこはらだいさま
口 家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍冬瓜蕃茄縞綱麻の野菜パフェコメントどうもです。
お邪魔するたびに探し回ったであろう食材にその魅力をそのまま活かす工夫に腐心していることが判って感心します。
機会とタイミングが合えば、お誘いしますね~。
'11/11/06(日)by:ぺこはらだいさん
すべての料理に、今までに感じたことがない刺激を受けました。
口 演繦料理「銀座 楸」で 赤穂牡蛎フライのせカレー牡蛎入りカレー特に野菜でつくったパフェは素晴らしいですね。
ぜひとも行ってみたいお店です。
'11/11/06(日)by:まさぴ。さん
Re:グヤさま
口 演繦料理「銀座 楸」で 赤穂牡蛎フライのせカレー牡蛎入りカレーおお、兄さん、ご名答!イケるっス!
了解です、麻布のお店に参りましょうー。
いつ頃がいいですか?
'11/11/06(日)by:まさぴ。さん
Re:つきじろうさま
牡蛎入りカレーの牡蛎は、特に焼きを入れた様子もなく、さささっと馴染むようにカレーソース煮した感じです。
確かに、椅子によってスポットの当たりが極端に違うので、どうしてもそっちへ吸い寄せらるね~(笑)。